あきやまみみこさんのネコ

出社しようと目をこすりながら玄関を開けると外が土砂降りなので驚く。どういうわけか我が家は窓をきっちり閉めて部屋の中にいると、外の音が聞こえてこなくて様子がわからないのだ。大地震が来たら真っ先に崩壊しそうなボロアパートなのに、防音はバッチリなのがフシギである。その代わり、壁は薄いので隣り部屋の物音は丸聞こえだ。会社に着く頃には、ズボンと靴がグショグショに濡れていて足元が寒いし、気持ち悪い。でもモタモタしていると、集品のオッチャンがやってくるので大急ぎで出荷作業をする。

メールチェックの後にあきやまみみこさんのブログをチラリと見ると、「今日のぬりえ」がアップされていて、その絵と配置の面白さに目が釘付けとなる。なかでも８日にアップされた「台風９号の猛威」というぬりえに人目惚れしたマタンゴは、思わずみみこさんにメールで元データを送っていただきたい旨をお伝えする。何をするかというと、プリントアウトして部屋に飾るのだ。ボロアパートにネコ３匹がやってくると思うと小胸が高鳴るマタンゴだ。見ているだけで興奮する絵や写真はいくつかあるけれど、このぬりえもその中の一枚に入りそうだ。川に流されたかたがたには申し訳ないけれど。

出荷作業を終え、床に敷いた新聞紙の上でペタペタ足踏みをして湿り気を取っているところに、Ｊ社のＴさんが装丁案を届けに来社。その後、Ｆ社のＳ社長が来社。Ｆ社に風塵社の注文短冊が紛れ込んでいたようで、届けに来てくださったのだ。
なかなか革靴が乾かないため靴下姿で社内を歩き回っていたら、オヤジが愛用中のサンダルを履くよう勧めてくれる。実はこれ、夏場オヤジが素足で履いていたサンダルだ。オヤジが水虫かどうかは知らないが、一瞬「ゲッ」という顔をあらわしてしまうマタンゴだったが、ありがたく履かせていただく。ということで、今日はオヤジのサンダルでお隣りのチャイナクイックまで昼食を買いに行ったり、トイレへ行ったり、倉庫へ行ったりして過ごした。
Ｓ社長とオヤジが昼食をとりに会社をを出たので、マタンゴもお昼休みにする。

午後からは『映画はこうしてつくられる』のテープ起こしに勤しむ。

新刊『ネイティブ信仰はやめなさい』の取次見本を終えたＩ出版企画のＳさんがその足で来社。
15時頃、あきやまさんから「台風９号の猛威」の元データが送られてくる。興奮しながら打ち出してみると、画面上で見るよりもさらに愛らしいネコ３匹がお目見え。ニタニタしながら絵を見つめているマタンゴに気づいたオヤジが「気持ち悪いヤツだなあ」と変人扱い。

榎本製本さんがＰ舎に来舎。差し入れしてくださったシュークリームをマタンゴにも一個分けてくれて、思いがけない３時のおやつに大喜びする。

16時過ぎに、所用のためオヤジが社を出る。引き続きテープ起こしをカチカチやっていたら、Ｐ舎のみなさまが一人、また一人と帰られ、今日も社内に一人ぼっちだ。でももう幽霊が恐くなくなった。なぜなら、Ｐ舎Ｋさんによるとマタンゴが倉庫に来ると倉庫の重苦しい空気が晴れるというのだ。なんで霊が除けていくのかよくわからないけれど、その話を聞いて恐さが引いた。

最近、マリームという脱脂粉乳にハマッている。小腹が空くと、Ｐ舎のマリームを少し頂戴して飲んでいる。

画像は、額縁に入れて飾ろうとしているあきやまみみこさんのぬりえ「たいふう９号の猛威」。みみこさん、ありがとうございました！