風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

春なのに

2022年04月01日 | 出版
2022年も1/4が終わったものの、陰鬱となる話ばかりだ。
とにもかくにも、ウクライナの戦争がどんな形であれ、早く終わってほしい。報道されている内容がどこまで真実に迫っているのかはわからないものの、多くの死者が出て、多くの建物が破壊されて、多くの人が困っていること自体は事実だろう。そのニュース映像を見ているだけで気が重くなってしまうのだ。その昔、パパ・ブッシュのときの米軍のイラク侵攻時、破壊された油田跡に石油を全身にかぶった水鳥の映像が流れたことがあった。イラクの破壊行為の残忍さを象徴したものというわけだけど、これがのちに米軍側のプロパガンダ映像であったことが暴露されたことがある。以来、戦争時のニュース映像やら報道内容にはプロパガンダが含まれていると思って眉唾で見ているが、それでも、ウクライナの人たちが困り果てていることには疑問の余地もない。
そのうえ、弊社で刊行した『マフノ叛乱軍史』(アルシーノフ著、奥野路介訳、1973年鹿砦社刊の復刊)の注文が増えてきた。増えたとはいえ1日に1、2冊というペースなので増刷するほどでもないし、弊社として営業的に力を入れるつもりもないけれど、ウクライナの悲劇を商売しているようで、小生としてはどことなく収まりが悪い。新たに本書を手に取っていただいた読者の方が、今後もウクライナの人々に想いを寄せてくれることを願うしかない。
ちなみに、WIKIを見れば概要はつかめると思うが、ネストル・マフノとはロシア革命後ウクライナで農民革命軍を率いた人物である。最初は、ブレスト=リトフスク条約でドイツ側に割譲されてしまったウクライナを救うべく、ドイツ・オーストリア軍に彼はゲリラ攻撃を仕掛け戦果を挙げるようになり、パルチザン部隊を形成していく。その後は、ロシア革命の反革命軍である旧ロシア帝国陸軍を壮絶な闘いののちに撃破。ところが、それはソ連赤軍の露払いとして利用される結果となってしまい、赤軍との戦闘に破れルーマニア経由でフランスに亡命し、パリで没する。アナキズム系では名を馳せた軍事指導者であった。アルシーノフは、そのマフノの参謀のような人物で、片腕であったと評価してもいいのではないだろうか。
そして、お次の気鬱な問題だ。例によって会社の経理と資金繰りをなんとかしなければいけない。これが本当に、小生を精神的鬱状態に陥らせてしまい、身体的にはフリーズさせている。フリーズというか、現実逃避的にネット上で囲碁ばかりしているということだ。そしてイライラしているからゲームに集中しているわけもなく、無茶手を連発しては格下に負け続け、そのイライラを増幅させ続けるという毎度のパターンとなっている。
現在、2022年の資金繰りを大きく前進させられるのかどうかという瀬戸際にある。それには、年度のたまっていた確定申告をまずは終わらせないとしょうがないという段階である。しかもごていねいに、税務署様からは申告用の書類まで届いている。その作業をすませ、某作業をすませ、某所への申請を終わらせて受諾されれば、弊社の本年はなんとかなるかな、という感じである。そんなことはすべてオツムでは理解し終わっているものの、身体と心がついてきてくれない。
小生に限らず多くの零細企業のオヤジなんてそんなもんじゃないかと勝手に(自己逃避的に)想像してしまうのだけれど、それとも多くは税理士さん任せでチャッチャすませちゃっているのだろうか知らないが、この気鬱感というものは、零細企業経営者にしか通じないものだろうとは思う。お金がない、というだけの感覚ではないからである。例えば、銀行通帳に記されている金額をエクセルに入力していると「なんで自分はこんな人生をおくっているのだろうか?」という自己嫌悪の世界にドップリはまることになる。この感覚を共有できるのは一部の凡人のあいだだけであり、そこでわかったようなことを言う奴に対しては貶むしかない。要は、結果論でものごとを語る連中なんてバカとしか思わないということである。
一方、書きなれていない書類の提出というのも、ひたすら面倒で逃げ出したくなる課題である。ひと月ほど前だったか、介護タクシーの運転手さんをされている方と話しをする機会があった。「介護タクシーとして都の認可を受けるまで、書類の提出なんか大変だったんじゃなかったですか?」と小生がたずねたら、「いやあ、それが本当に大変で、膨大な書類を書かされるんです。それがこんなに大変だと知っていたら、こんなこと始めていませんよ」とおっしゃるので、思わず笑っちゃったことがある。
その大変さを肩代わりしてくれる職種として、司法書士さんとか行政書士さんという存在があることはわかっている。ところが、その手数料の支払いが大変という底辺層もあり、小生もそこに属している。そうしたおのれの立場から這い上がるにはヴァイタリティしかないのはわかりきっているものの、それだけに気鬱になっていく。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿