『人間は 前向きに生きなくちゃいけない ―病床の夫へ語った短文集―』(画像)
【内容】
介護疲れが社会問題化している現在、寝たきりの夫は看病に疲れた妻に、「人間は、前向きに生きなくちゃいけない」と、ふり絞るような声でトツトツとつぶやいた。その言葉が、本書の生まれるきっかけである。その後、夫の脳を活性化したい、夫を喜ばせたいと、妻が細々と書き続けた語り文を、1冊にまとめた。病により言葉が不自由になった夫を励ますために、妻が綴って聞かせた43編。3500日にわたる介護の結晶である。
著者:安達佑子
定価:本体1300円+税
判型:B6判、176P
発売:10月末
【本書から】
ある日私は、ベッドの上の夫に静かに語りかけた。
「おとうさん、私、疲れちゃった…。二人で死んじゃいましょうよ。
これ以上、若い者にもみんなにも迷惑をかけたくないし…」
すると夫は、緊張した表情になって天井を向いたまま、
「…そうか、死ぬか…」
とつぶやくように言った。私は無言のまま次の言葉を待った。夫は身じろぎもせずに考えていたが、
「いや、死ぬなんて駄目だ。
人間は、
前向きに生きなくちゃいけない…」
と言ったのである。
私は、えっと目を丸くしてしまった。だって誰が目にも、将来とも悲観的にしか見えない身体の状態にありながら、失語症のまことに不自由な言葉で、「人間は、前向きに生きなくちゃいけない…」なんて言ったのだ。
しかも普通なら、夫が弱音をはいた場合に私の方で励ます言葉ではないのか、それを逆に言われてしまったのだ、逆にである。
**********************************************
本日、『人間は~』の著者校ももどり、装丁もだいたい決まったので、あとは微調整して入稿するだけ。10月17日に取次見本ならば、24日搬入に間に合うのかな。10月は25日がお休みなので、スケジュールが大変である。
小生も、前向きに生きることにしよう。
【内容】
介護疲れが社会問題化している現在、寝たきりの夫は看病に疲れた妻に、「人間は、前向きに生きなくちゃいけない」と、ふり絞るような声でトツトツとつぶやいた。その言葉が、本書の生まれるきっかけである。その後、夫の脳を活性化したい、夫を喜ばせたいと、妻が細々と書き続けた語り文を、1冊にまとめた。病により言葉が不自由になった夫を励ますために、妻が綴って聞かせた43編。3500日にわたる介護の結晶である。
著者:安達佑子
定価:本体1300円+税
判型:B6判、176P
発売:10月末
【本書から】
ある日私は、ベッドの上の夫に静かに語りかけた。
「おとうさん、私、疲れちゃった…。二人で死んじゃいましょうよ。
これ以上、若い者にもみんなにも迷惑をかけたくないし…」
すると夫は、緊張した表情になって天井を向いたまま、
「…そうか、死ぬか…」
とつぶやくように言った。私は無言のまま次の言葉を待った。夫は身じろぎもせずに考えていたが、
「いや、死ぬなんて駄目だ。
人間は、
前向きに生きなくちゃいけない…」
と言ったのである。
私は、えっと目を丸くしてしまった。だって誰が目にも、将来とも悲観的にしか見えない身体の状態にありながら、失語症のまことに不自由な言葉で、「人間は、前向きに生きなくちゃいけない…」なんて言ったのだ。
しかも普通なら、夫が弱音をはいた場合に私の方で励ます言葉ではないのか、それを逆に言われてしまったのだ、逆にである。
**********************************************
本日、『人間は~』の著者校ももどり、装丁もだいたい決まったので、あとは微調整して入稿するだけ。10月17日に取次見本ならば、24日搬入に間に合うのかな。10月は25日がお休みなので、スケジュールが大変である。
小生も、前向きに生きることにしよう。
この手の本、実はR社もけっこう出してます。
だって、「出版界の良心」ですから(笑)。
2,3、買い取りのあるものを除いてダメでした。
健闘を祈ります!