風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

再び抜き刷り

2009年03月12日 | 出版
昨夜も遅くまでM印刷さんの仕事。最後、あと数ページというところで、参考文献に英文を入力しないといけなくなり、突然に萎える。疲れた状態での英文入力って、疲労度が倍くらいちがうような感じがする。そこで、焼酎を飲んで帰ることにする。帰宅してから「NEWS23」のスポーツのコーナーを見て、0:00前就寝。
今朝も鼻水が爆発し、おかげさまで6:00前には目が覚める。そこで早々に家を出るつもりであったが、テレビのバラエティではキム・ヒョンヒさんの報道を行っている。ついつい、これを見てしまうからいけない。拉致の新事実見つからず 金元死刑囚、40分思い出語る(朝日新聞) - goo ニュース
キム・ヒョンヒさんは顔を整形したということだが、どこをいじったのかよくわからない。かなり若々しく見えるから、しわ取り手術でもしたのかいな。市民生活に埋もれるために派手に整形していたら、公の場に出てくるわけがないか。
北朝鮮について、現在のキム王朝はスターリン主義と日本の天皇制との奇妙なハイブリッドだという仮説を、小生は考えている。つまり、日本の植民地支配下に朝鮮が置かれていたときの狂ったイデオロギーとその後に導入されたスターリニズムが結合し、そこで国際・国内のさまざまな矛盾にもまれた結果、現在のグロテスクな姿に至ったということなのであるが、これはまだ仮説の域を出ていないので、検証するにはさらなる労力が必要である。
中国側が朝鮮戦争をどう見ていたのかについては『毛沢東の朝鮮戦争』(朱建栄著、岩波現代文庫、定価1365円)に詳しいが、キム・イルソンが南側に侵攻することを中国首脳部は苦々しく眺めていた。ところがスターリンの強制があり、第三次世界大戦の恐怖におびえながら、いやいや中国部隊が鴨緑江をわたる決断を下す。緒戦の華々しい成功で毛沢東は舞い上がってしまうのであるが、その結果として、38度線が東アジアにおける東西冷戦の対立線として固定化されてしまい、北朝鮮・韓国ともに前線の国として後方からの支援が必要な構造になってしまう(韓国の場合は80年代まで)。その過程において北朝鮮内部では激しい権力闘争があり、勝ち残ったキム・イルソンがわが身を守るために独裁体制を強化していったのだと思うが、そこの経緯は不勉強でよく知らない。
そもそも北朝鮮の場合、建国初期(朝鮮戦争前後)の段階で、政と軍はどのような関係だったのだろうか。ソ連や中国では、派遣部隊に政治委員を同行させることでシビリアンコントロールを効かせていたわけであるが、北朝鮮の場合はその余裕もなかっただろうから、軍事優先という単純なあり方のように思える。
固定化された対立関係の後、東欧・ソ連という北朝鮮の支援国家がなくなってしまい、北朝鮮ははしごをはずされた格好になってしまった。そこで韓国に経済依存するしかない現状となる一方、存在意義を国内外にアピールするためにキム体制(主体思想)を持ち上げなければならないという矛盾した姿となっている。その姿が、どうしても第二次大戦末期の日本と重なって見えてくるし、また日本の植民地支配の傷跡の深さも感じざるを得ない。
こういう北朝鮮史を、中国とロシア側の史料を駆使して描き出せればいい本になると思っていて、以前からこういうことをできる機会がないものかとうかがっているのであるが、なかなかそういうチャンスが来そうにない。そういうわけでついついアイデアを吐き出してしまったけど、このアイデアをパクる奴がいたら呪うぞ。一緒にやろうと思う人募集しています。ただし手弁当ですよ。

10:00にようやく出社して、昨夜の作業の続き。疲れていなければ、たいした作業ではない。サクサクと終らせて、M印刷Sさんに終わりましたよと電話。わずかばかりの出荷作業を終えると、Y印刷から『ポピュラーTV』と「救援」479号の抜き刷りが届く(画像)。これまで面倒なのでチェックすることもなかった抜き刷りであるが、今回も一応確認してみることにする。トンボにあわせてカットし、製本したような格好にしてみる。なかなかいいじゃん。画像の写りが心配であったところも、わかるように印刷されているので一安心。しかし、あんまり小まめに観察して誤植を発見すると絶望的な気分になるので、パラパラめくって見ただけでやめておく。「救援」も用紙を換えて昔にもどった感じなので、なかなかいいじゃん。
途中、H書房Sさんから電話。来週の水か木に飲みましょう、と。木曜日は『ポピュラーTV』の打ち上げなので、水曜日ということになる。「腹巻さんに止めを刺す飲み会にしましょう」と言われて、こちらは苦笑い。そこで、手帳にメモっておこうとしたら、手帳がない。カバンに入っていたのは2008年のもので、今年の手帳はどこに行ってしまったのだろう?最近手帳を使っていないことが、これでよくわかった。まじめに手帳を使って、夢でもかなえることにするか。
昼前に都内某所新橋まで。もどってからお茶の水までラーメンを食べに。その間、あちこちの銀行に立ち寄り、中年男の哀愁に浸ることになる。
午後は取次請求書の作成。想定内ではあるが、ろくな請求金額でないのでかなりガッカリすることになる。15:00、絶望のあまり眠くなってくる。しばらくウツラウツラし、眼を覚ますために本郷3丁目のドトールに行くと、SH社のSさんがゲラに向かって仕事をしている。どうして会社で仕事をしないのか不思議であるが、邪魔をしないように離れたところで一服してから会社にもどることにする。
本日は早く帰りたいものである。

毛沢東の朝鮮戦争―中国が鴨緑江を渡るまで (岩波現代文庫)
朱 建栄
岩波書店

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