植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

クマバチは働きもの。タンゴグミの花が大好きです。

2007-06-04 20:41:45 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
昆虫では,鞘翅目と鱗翅目に関心があり,多少のことは分かります。でも、その他のグループには全く知識がありません。
という訳で,CASIOの電子辞書・百科事典を開きました。
「クマバチ」とは,体長23mm内外,黒色,胸部は黄色の毛を密生。北海道を除く日本,朝鮮,中国に分布。捕らえない限り人を刺すことはない。
俗称のクマバチ(クマンバチ)はスズメバチ類のこと,だと理解できました。

さて,タンゴグミは,京都府北部の丹後・大江山の蛇紋岩地帯のみに分布。たいへんな稀少種で,平凡社の「日本の野生植物」にも写真図版はなく,ほんの数行の記載かあるだけ。レッドデータ・ブックにさえ記されていない超稀少種。
こういう「種」こそ,真の絶滅危惧種ですね。

刺植物と,つる植物に特別の興味があり,グミ類と,キイチゴ類の分類,分布地域,生態などを,20数年,調べつづけています。

知る限りでは,16-17年前,この大江山地域で,タンゴグミは,やや大きい木が1株,小さいものが若干本数,見出されただけでした。今は,どうなっていることやら。

稀少植物は,現地で,種子を採取したり,挿し木,という手段で,繁殖して
いますので,刺植物と,つる植物の超稀少種についての多少のコレクションもあります。
クマバチが来てくれることは,とてもうれしいこと。受精・結実したものを,いつか,大江山に蒔きに行きたい,などと,たあい無い夢をもち続けているんです。