野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

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2019年2月 ナチュラリストクラブ記念講演

2019-02-23 | 野生生物を調査研究する会歴史
2月17日 第11回ナチュラリストクラブ記念講演
「ひと くらし 自然 民俗学の視点から」
アセビ、ネジキ、シャシャンボ
1.県内分布と方言
 アセピ-----------花期3~5月----各地 --- アセボ、アセブ、ムギメシシバ、サイセプ
 ネジキ----------- 〃 6 ----各地 ---- カシオシミ、カツプシ
 シャシャンボ----- 〃 7 ----阪神、東、中、西播磨各地--- ソバノキ、シャンショビ
 
 
2.アセピ
・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 有毒植物で、その葉を煎じて菜園の殺虫剤に用いる。馬が葉を食べると苦しむといい、馬酔木とも言われる。
・「樹木大図説」( )
 方言--足しびれ説--アシピ(アシシビレから)
 悪しき実説--アシミ、エセミ、エセビ、エセボ
 花、実のなる様--コゴメバナ、コメノキ、ムギメシバナ、ムギメシシバ
 有毒性---ドクシバ、ウジハライ、ウマクハズ、シカクハズ
 この樹の毒性
 毒成分は、アンドロメドトキシン、アセポチン、グラヤノトキシン、アセボプルプリンで、アセビの煎じ汁使った
 毒殺事件が、S7年埼玉県で発生している。
 獣類が食わぬので、放牧園、牧場等に用いる唯一の常緑樹であり、奈良公園の例がそれで、ナギとともに用う。
 「大和本草」(1709貝原益輔--微毒あり、馬此葉食らえば死す、--
 「本草綱目啓蒙」(1803小野開山)--若し牛馬この葉を食えば酔るが如し、故に馬酔木と云、鹿之を食えば不時に角
 解す、又菜園に小長黒虫を生ずるにこの葉の煎汁を冷め潅くときは、虫を殺す。----
・「おばあちゃんの植物図鑑」(1995葦書房)
 椎葉ではエナバ、ミソウシナイという。
 「終戦前後は農薬がなかったから、エナバ(アセビ)の枝を折って、畝のあちこちに指した。そうするとにおいを感
 じて虫は逃げた。それと昔牛のシラミ取りに、エナバを炊いて煎じ、冷やしてから牛を洗うと、シラミが全部死ん
 だ。」.
・「茶ア喰らい爺」(1994初芝文庫).
 S61年聞き取り調査(高知県大豊町出身者)
 畑の菜に虫がわくと、アセビを釜に入れて炊いた汁を菜にかけて殺したり、牛や馬にシラミがわいたときも、この
 汁をかけてシラミを殺した。
2.ネジキ
 ・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 幹は普通ねじれているので、ネジ木という。新枝、新葉ともに赤いので、塗りばしともいう。
 ・「同名異木のはなし』(1987思文閣出版)
 潅木性の小木で若い枝が紅色、材の色調も淡紅褐色である。一一この木も多くの異名をもっており、アカギのほか、
 アカメ、アカヅラなどアカの付く名が多く、樹皮がつるつるしているのでサルスベリともいう。
 ・「樹木大図説」( )
 方言--  説---カシオシミ、カシオシ、カツオシミ、カシモドキ、カタオシミ
 幼枝赤色から---アカギ、アカメ、アカヅラ、アカネジ、アカキ ---ヌリバシ、ヌリバシノキ、キツネノヌリバシ
 花、実のなる様--メシツボノキ、メシツブノキ、コメゴメノキ ---オジゴロシ
 葉は家畜に極めて有毒、かって山羊はこれを食し死亡した。毒はアンドロメドトキシンである。
・「植物と民俗」(1969地球社)
 ① カシオシミ--ネジキの準標準和名として最も広く分布し、変化にも富んでいる。同一系の方言としてカシオシメ 、カシオズミノキ、カソーシ、カツブシ、カシボシ、カスオシ、カスオシミ、カスホシミなどがある。
 ほぼネジキの天然分布の全域にこの方言が通用する。
「本草啓蒙--この枝を炭となし漆塗りの研ぎ出しに用ゆ、この炭をカシオズミと云--」とあり、山
 城国岩倉の方言にネジキをカシオノキがあることから、カシオで焼いた炭の意である「カシオズミ」→
 「カシオシミ」となった
②ヌリバシ--「本草啓蒙」に「新枝は赤して光あり、朱漆の如し、故にヌリバシと云」とあり。伊勢、山梨塩山
 にこの方言あり、類似にハシノキ(岡山)、アカバシ(三重)、アカハシノキ(福井)、サルノサ
 イバシ(山城上加茂)、キツネノヌリバシ(近江)、シシクイバシ(香川)などがある。
③オジゴロシ--ネジキで焼いた炭にまつわる語源。
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、おじ(オジ)が火を吹きつづけて遂に息が絶えた
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、おじ(オジ)が火を吹きつづけて遂に息が絶えた。
 ・ネジキの炭は堅く火がなかなかおこらないので、炭が売れず炭焼きのおじ(オジ)が死んだ。
 ・ネジキの薪は燃えにくく盛んに煙る、昔山小屋に住む老人があまりの煙に窒息して死んだ。
  方言地--大和吉野、伊勢一志、伊勢度会、伊勢大杉谷、紀伊東牟婁郡、大和十津川村
 
3.シャシャンポ
 
・葉裏の主脈に突起があり、爪先で触るとひっかかる。
・「牧野新日本植物図鑑」(1961北隆館)
 果実は液果となり、小球形、紫黒色に熟し、甘酸っばく食べられる。
 実が丸く小さいことによる。
・「樹木大図説」( )
 シャシャンボとは「小さい坊」の意味、小果の多く生ずる形に由来す。
 方言---ワクラハ、アクラ、
 ---サセンボ、サシプ、ササブ
 果実は外面粉白色で紫黒色、球形、甘酸の味あり小児好んで生食す。
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