ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

バート・ガスタインからのハイキング・トレッキング (1) シュトゥープナーコーゲル

2012-10-04 10:28:54 | バート・ガスタイン
第1日目 シュトゥープナーコーゲル Stubnerkogel

半日コース


シュトゥープナーコーゲルはロープウェイで手軽に上ることが出来るので、どんなに滞在期間が短い日程でも是非体験しておきたいバート・ガスタインお薦めのコースです。

ところで、ガスタイナータールで夏場でも営業運転しているロープウェイはお昼休みがあるので注意が必要です。
特にザルツブルクから日帰りの予定でやってくる場合には、ロープウェイのお昼休みにぶつかる可能性があるので要注意です。
2012年の 地元のパンフレット Gastein-Information によれば、
シュトゥープナーコーゲル・ロープウェイの運転時間(7、8、9月)は、8時30分~16時まで、ただし12時から13時まではお昼休み、となっています。昨年のパンフレットでは30分間隔の運転となっていましたが、改善されたようです。2012年はノンストップで運転するようになりました。ただ、5、6、10月、ならびに天候が悪い日は毎時きっかりの、1時間ごとの運転になります。

バート・ガスタインに宿泊している場合なら、朝食後午前中の早めにホテルを出発するのが賢明です。
ÖBBの駅の裏側、町と反対側にロープウェイ乗り場がありますから、専用の階段をあがって線路をまたぐ形でブリッジを通って向こう側にでます。そこから少し歩きますが、先ず間違いなく他にも歩いていく人がいますから、ついていけばいいと思います。

ロープウェイが出来たのは1951年です。ネットで検索すると、Arbeiter-Zeitung 《労働者新聞》が1951年1月24日にこのロープウェイの完成を伝える記事に出あいます。そのほかの点ではあまり情報が豊富でありませんが、ネット検索をしていてこのロープウェイの建設、補修を担当している会社が、2009年に22年ぶりに今のロープウェイを改修したと伝えている記事にぶつかりました。20年から25年のサイクルで大規模改修をしてるようです。ヨハンたちが初めてこのロープウェイに乗ったのは2001年でしたから、現在の形になる一世代前のロープウェイだったことになります。現在は最新のゴンドラでとても快適です。

シュトゥープナーコーゲル山頂駅には途中一度ゴンドラを乗り換えていきます。
谷側駅から2つのロープウェイを乗り継いで1,137メートル上がります。

山側駅に到着したら大きな看板に従って先ずはシュトゥープナーコーゲル山頂(2,246m)を目指しましょう。といっても岡にのぼる程度です。ここからはガスタイナータールの全貌と、おそらくはるか右手先にはダハシュタインが見えているはずです。その山なみの向こう側がザルツカマーグートです。左に目を転じていくと、山なみがいったん途切れ、谷間があって、また山なみが続きます。その谷間を列車は抜けてきたのです。逆にその谷間を走っていく先がザルツブルクです。

ヨハンたちが訪れたとき山頂は人が多く、あまりのんびりした気分には浸れませんでした。あいているベンチを見つけたら、しばらく2,246メートルからの景色を存分に楽しみ、目の下にもう見えている吊り橋方面に降りていくことにします。

2011年にバート・ガスタインを再訪するにあたって、いろいろネットで情報を収集しているときに、この吊り橋が強調されていましたから、最近出来たばかりの (おそらくロープウェイの改修のときでしょうか)、今売り出し中のアトラクションのようです。


   
ロープウェイ駅と吊り橋
2011年8月11日撮影

ここまでで小一時間もみれば十分です。今度の目標は駅から反対側の道を歩いていきます。ほとんど平坦な道なのでゆっくりまわりのパノラマを楽しみながら、下の写真のみょうちきりんな形の展望台を目指します。



このみょうちくりんな展望台、吊り橋と同じ時期につくられたんでしょうね。人がいっぱいいますが、さして景色が変わるわけではありませんでした。ただ今年資料を見ていてこの展望台の名前が Glocknerausblick ( グロックナー展望台 ) と名付けられているのを知りました。ここからオーストリア最高峰のグロースグロックナーが展望できるらしいです。
それ、もっと早くいってくれなきゃ。
せっかく人がいっぱいいますから、恥ずかしがらずに「グロックナーはどれですか?」と聞いてみましょう。前景の山々とのコントラストで多分「ええ~、あれが?」という位小さく見えているはずです。三角のとがった形にみえているんじゃないかな。( はっきり書けなくてごめんなさい。2011年にここを訪れたときにはヨハンはここからグロックナーが見えているなんて知らなかったんです (^_^;))
2011年8月11日撮影


グロース・グロックナー (3,798m)

これは資料写真です。見る方角と距離、周りに見える山との関係などで見え方はずいぶん変わるだろうと思います。おそらくバート・ガスタイン側からだと、他に3千メートル級の山々が前方に大きくみえているので、かなり小さく見えているはずですが、それでも群を抜いて高いので、右手奥をよく探すとてっぺんあたりの三角は見えているはずです。ただ方角の関係からグレッチャー(氷河)はあまりこちらからでは期待できないと思います。

半日コースとしては、このあとロープウェイ乗り場に戻れば、ロープウェイの乗車時間を含めて全体で3時間もあればゆったりと楽しめるコースです。山頂レストランで昼食をとってもよし、下に降りて昼食をとりながら、さらに町の中心に向かって午後の散歩を楽しむこともできますね。




全日コース
シュトゥープナーコーゲルからナスフェルトへのトレッキング

バート・ガスタインからの人気のトレッキング・ルートです。
先ず、ルートはとても安全で、道に迷うことはないし、天気の良い日であれば必ず多くの仲間が歩いていきますから、あとをついていくだけで目的のゴールまで簡単に行くことが出来ます。出来るのですが、ですが

天気が悪い日、Gewitter (にわか雨) が予報されているようなときは、一転して危険になりますから、別の予定に変更して、絶対に強行してはいけません。2,000メートルを超える高所では、下から見れば雲の中という状態は、上では完全に視界をガスで失っているということですから、ガレ場で方向を失い、身動きがとれなくなります。また、気温も真冬の状態に近くなりますから、その点だけは気をつけてくださいね。

ネット上にもコースの説明が詳しく出ていますが、以前もこのブログで書きましたように、こちらのコース説明で書かれている所要時間は最小時間と思った方がいいです。彼らは決して早足で歩いて行くわけではありませんが、道草もせずもくもくと同じペースを維持して歩いていきます。ヨハンとロザーリウムは道草はするし、30分どころか15分も歩き続けるとくたびれた~、と休憩を入れますから、過去の経験から言ってもガイドブックの所要時間の1.5倍はかかるものと覚悟しています。

2011年のときの経験で言いますと、朝9時にロープウェイを乗り、先の半日コースをやって、グロックナー展望台を出発したのが、10時11分でした。たっぷり時間にゆとりがあるはずだったのですが、ゴールのナスフェルト、Sportgastein のバス停に着いたのが16時17分でした。2012年の Gastein-Information によれば、Sportgastein からバート・ガスタインに向かうバスの最終は17時30分となっていますから、まだ時間的に余裕を残していますが、何があるか分からないので、ぎりぎりにバス停に到着するのは避けた方が無難です。

そして最後に
ロープウェイの山側駅を出発してから先は、シュポルトガスタインのバス停のほぼ真上に位置するボックハルツゼーヒュテ ( 1,933m ) まで、トイレもありませんし、食事を提供してくれる山小屋もありません。そのときはヒュテに到着したのが14時15分でした。展望台から歩き始めてから4時間かかっています。せめてお水、果物、チョコレート、ビスケットの類はしっかりと用意していくことをお勧めします。ÖBBの駅前で、もしパン屋さんが店を開いていたら、そこでサンドウィチを買ってくれば、途中の絶景ポイントでお昼をすることも可能です。

ルートは基本的にずっと111と記されたコースを歩いていく単純な一本道のようなものなので、説明不要のようなものですが、
歩き始めてしばらくして、Tischkogel (2,246m) へ登っていくコース (こちらがルート111です) と、山を迂回して山の東側の腹を歩いていく O.Reichert-Weg (こちらはルート132となります) に分かれるポイントに出ます。ヨハンたちはのぼりを嫌って、132を歩きました。歩いている人の割合で言えば、3対1位でしょうか。こちらも歩いている人は少なくはなりますが、目に見える程度に、つねに姿は見えています ( だんだん追い越されていくので、いつも新しい人たちですが )。

山側ルートを歩いていないので比較のしようがないのですが、のぼりを避けた分楽になったかと言うと、全然そうはなりませんでした。とてもスリルに満ちたコースです (^_^;)



トレッキングはガレ場が続く、足元の悪い道の連続ですが、目の先、かなたにはホーエ・タウエルンの名峰が連なる絶景です。でも2011年はどれが、どの山か区別はつかないまま歩きました。
2011年8月11日撮影

132のルートを歩いても、やがて111のルートと再び合流します。
そしてさらに先で E10、10、110、128 ( これらはここでは一つのルートとなっています ) と合流し、登り道を上がっていって、ミースビヒルシャルテ Miesbichlchsrte (2,237m) にでます。ここで一気に目の前にナスフェルトの、頭に氷河をいただいた山々が姿を現し、その絶景には息をのむ思いで、それまでの疲れは吹っ飛んでいきます。たしかここに記念のスタンプが設置してあったように思いますが、たぶんインクの方が乾燥してあまりきれいにはうつらないと思います。



2011年8月11日撮影


もうこのあたりから眼下に湖、オーベラー・ボックハルトゼーが見えています。

一緒に歩いていた若者たちは、この絶景ポイントで昼食休憩に入りました。
何も持たずにやってきてしまったかわいそうなヨハンとロザーリウム。


2011年8月11日撮影

眼下に Unterer Bockhartsee ウンテラー・ボックハルト湖 ( 標高1872メートル ) を眺めながら、山を駆け下りていきます。本日の昼食が出来る Bockhartseehütte ( 標高1933メートル ) は、湖までいったん下って、もう一度坂道をのぼっていかなくてはなりません。あと少しだあ~

でも、この下り、350メートル以上あり、しかもわき水で道は結構ぬかるんでいます。慎重に、慎重に降りていきます。
そして湖に到着! などという心の余裕もなく、再びその先に見えている山小屋を目指して最後の登りです。

   
2011年8月11日撮影
ようやくボックハルトゼーヒュテに到着しました。ん? 名前が Pochartseehütte になっているし、ガイドブックの標高よりも高く、1,950メートルと書いてあります。気にしない、気にしない。


           
           2011年8月11日撮影
ようやく昼食。写真では他のお客さんが写っていませんが、本当にこんなに歩いていたのか、という位の混雑でした。山小屋の人もお腹をすかしたハイカーが「お願いします~」と叫んでも、耳は2個しかついてません、とばかりに悠然と順番に注文をとっていきます。ヨハンとロザーリウムが山小屋に到着したのが14時15分。合い席して下さったご夫婦がバスの時刻表をみながら、15時半のバスに乗ろうと、そろそろ出発のご様子。ヨハンはその次は何時にバスがありますか?と教えていただき、最終17時半まであることを確認して、安心して食事を楽しむことができました。



2011年8月11日撮影
最終バスに間に合うように、素晴らしい景色を目の前にゴールのナスフェルトを目指して、山道コースを足早に下りていきます

時間には余裕がありましたが、ゴールとなるバス停までの最後の下り、これがまた350メートルほどあり、急峻で、一苦労でした。

あとで、ロザーリウムが「わあ~」って悲鳴を上げてるのに知らんふりしてどんどん先を行って、とおかんむりでした。
「なんで悲鳴をあげたの?」と尋ねると
「へびがいた」

そうか。ラックスでもへびの姿をみかけましたが、こんな場所にもいるのか。たくましいへびだ。

眼下に見えるナスフェルトは本当に素晴らしい景色です。
今度いつかじっくりとナスフェルトをハイキングしよう。

今回はもう余裕もなく、バス停にたどりついたら、静かにバスが到着するのを待つだけでした。



2011年8月11日撮影
トレッキングのゴール、ナスフェルトのバス停「シュポルトガスタイン」( 標高1589メートル )

バスに乗ってしまえば30分ほどでバート・ガスタインの駅まで戻ることができます

ああ、疲れた^^

2012/09/17 ヨハン



あまり参考になるかどうか分かりませんが、このあたりでまじかに見える名峰は
左からシャレック Scharek (3,123m)、そして ホーアー・ゾンブリック Hoher Sonnblick (3,106m)、そしてずっと右奥にさきほど書きました グロース・グロックナー (3,798m) です

2011年は山の名前も確認せずにあるきましたから、撮影した写真のどれがどの山なのかもわかりません。

資料写真を貼っておきます

   
シャレック                           ホーアー・ゾンブリック

これらの山々の頂がまた、ザルツブルク州とケルンテン州の州境になっています。


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