
司書の仕事は一種の探偵業?!
『おさがしの本は』門井慶喜 光文社 2009年 1600円
図書館司書が主人公で、レファレンスの担当をしているため、様々な人々が本を探して欲しいと依頼に来る。そうした本探しを一種の軽いミステリと捉えた短編集。恐らく普通の司書は踏み込まないところまで追っているので、それを一連のストーリーにしている発想が面白い。
「図書館ではお静かに」、司書の和久山の元に、K女子短大の学生が本の検索に来た。レポートの時期になると、国文学のある教授の課題とおぼしきテーマに沿って、調べ物をしたいと、よく学生が和久山のもとを訪れるため、今回もその範疇の本を探せばいいのだろうと見当はついていたのだが、今回は少し厄介だった。というのも、女子学生が教授の貼り出した課題を写し間違えていたようなのだ。課題の本はどこにも見当たらず・・・。
「赤い富士山」、N市の公民館が取り壊されることとなり、そこの2階にあった図書館分館の本を整理する担当となった和久山は、そこにやってきた男から、その昔、自分がここの本棚に置いた私物の本を探して返してくれないだろうかと頼まれる。しかしその本のタイトルを覚えておらず、ヒントは表紙の赤い富士山の絵、ということだけ。
「図書館滅ぶべし」、正月早々着任したN市図書館の副館長は、図書館はいらないと言い出す。それに対し、これまでの自分の仕事などを説明し、その意義を熱く語る和久山だったが、そんな彼に副館長はある本を探し出すよう命じる。
「ハヤカワの本」、和久山の元にやってきた老婆は、自分の夫が死ぬ間際に、図書館の本を長らく返していないのが心残りと、言い残したので、その本を返したいが、膨大な蔵書のどれが図書館の本か分からない、と途方に暮れていた。早速利用者名簿でおじいさんの名前を検索するも、その名前が無かった・・・。
「最後の仕事」、図書館存続か否か、決着のつかぬまま、市議会議員の賛否を調べると、1人だけどちらとも意思を表明していない議員がいた。その中で、本探しの依頼があり、それは「障子に○○を突き立てる」シーンがある本ということで、すぐに映画化された1冊浮かぶが、それではなく・・・。








