植物によるがん治療のお手伝い 聡哲鍼灸院日記

植物で心身を癒す施術の日々。そこから感じたこと、学んだことなど。。。

あなたがもし生まれてきていなかったら・・・・

2006年01月30日 22時23分53秒 | 癌・病気の意味
 DVD『素晴らしき哉、人生』(原題「It's a Wonderful Life」、フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュアート主演、1946年/アメリカ)を観た。

 「ある若者が人生に絶望して自殺しようとしている。そこへ天子がやって来て一つの世界を見せてくれる。それは彼がこの世にいなかったらどんな状況になっていたか・・・」

 心温まる世界だった。人と人が本当に触れ合って生きていた時代。お互いに信頼しあって信用と徳と温かさで動いていた時代。生活に困っている人がいれば恩着せがましくなくそっと必要なだけお金を用意してあげる・・・。自分のしたい旅行や冒険の機会をたびたび家族や家の仕事のために逃してしまうけれどもじっと我慢して日々を堅実に生きていく。決して豊かではないけれども人々のための仕事をしてつつましく暮らしていく。

 自分がもしこの世に生まれていなかったらほんとうにどんな世界なんだろう。映画の中では自分の妻は生涯独身で過ごしていて、子供の時に氷の張った池の割れ目にはまって自分が救ったことで後には国の英雄になった弟はその事故で亡くなっている。ほんとうに人一人が生きていることはすごくまわりに影響をしているんだ。その人が生きているだけでその人がいなかった世界とはまったく異なる世界になっている。日々当たり前に生活している私達のこの“舞台”は実はものすごく価値あるもの、あるだけで涙を流していとおしむほどの世界だったのだ。そんなことを振り返らせてくれる映画。

 霊的世界を知ることも重要だけれども人がこの世に生まれてくるのはこの世でしか学べないことを学ぶためなんだろう。それは協力し合って助け合って自分の力を皆に差し出すことなのかもしれない。自分の本分だけ、身の丈にあった行動をしてゆく、自分を表現しながら。ただ生きていればいい。向こうに帰るときが来るまで。その長さに関係なく。江原さんじゃないけど「人生に意味があるのではなく、生き続けるから意味がある」のですね。そう再確認できた130分。

 感情が高ぶったまま文章を書いているからちょっと乱文だな。失礼しました。でもこれで500円なんだからいい時代になったと思う。

 
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サイモントン療法

2006年01月30日 18時43分32秒 | 癌治療・緩和ケア
 28日土曜日には統合医学講座のセミナーで「サイモントン療法講座」を聞きにいった。サイモントン療法とはカール・サイモントン博士が生み出したイメージ療法で『がんのセルフ・コントロール サイモントン療法の理論と実際』創元社、1982年)で有名になったのではないか。今回はサイモントン療法認定セラピストとして活躍されている川畑伸子さんのお話だった。

 ぼくは実際に6年ほど前にサイモントン博士とお会いしたことがあるけれども、彼の前著『がんのセルフ・コントロール』に出てくるイメージ療法にはあまり賛成できなかった。それは「癌細胞をミサイルでやっつける、マシンガンで打ち砕く」といったようなファイティングスタイルのものであり、この間ガンを愛して自分で治した寺山心一翁先生や藤谷康充氣功師の“闇を光に変える”思考に出会ったことなどもありなおさら強く違和感を覚えていた。

 そのぼくのこれまでサイモントン療法に持っていたイメージが今回の講座ではまったく変わってしまった。その旨を講演終了時に感想を述べると川畑先生も頷かれて「サイモントン療法も進化しているんですよ」と笑っていらっしゃった。

 とても参考になる内容の良い講座だったと思う。とくにビリーフワークといわれる認知療法の一つはがんと共にある人には役に立つものだと思われた。「健全思考へのアプローチ」とサブタイトルが付けられたこのワークのことを川畑さんはサイモントン療法のいい点の一つと挙げられていたけれどもぼくも同意する。「わたしは余命○○年しかない」という不安に苛まれている時に「私が○○年で死ぬことは事実ではない。健康を取り戻している可能性もある」などと反証をあげていって否定的な思考で埋まっている自分の頭の中をひとつずつ打ち消していくというものでこれはとても有益だろう。

 このビリーフワークはがんと共にある人にしか使えないものではなさそうだ。誰にでも、たとえ病と共にある人でなくても使えそうだ。否定的な感情が沸き起こるたびにこのビリーフワークをしていくと良いのだろう。

 他にも多くのことを教えてもらってノートにたくさんメモ書きしてきた。しかし体系的に学ぶ必要がありそうだな。ということで川畑さんが著した『がんのイメージ・コントロール法 ~サイモントン療法による癒しへの道』同文館出版、2005年、2300円)を注文した。
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