こんばんは。Aokiです。
ご納得されたミス・ザンギは、遅ればせながら、
余市蒸溜所名物?石炭直火焚きのポットスチルを
真剣な眼差しで確認していらっしゃいます。
他のお客さまたちも、珍しそうに楽しんで
いらっしゃいます。
私はといいますと、たくさんの見学者を
観察してこられた警備の方に、最近の
お客さまの動向などをお聞きしております。
「ガイドさん、あそこに付いているのは、
しめ縄でしょう?」
麦わら婦人(だんだん扱いが雑になってきました)が、
尋ねられます。
「はい、竹鶴政孝の実家が広島県の造り酒屋ですので、
つくりの場は神聖な場所ということで、
しめ縄を飾っているのです。」
「面白いわね~」
妙に感心していらっしゃいます。
まさか、ポットスチルにしめ縄が飾られているなど、
想像できないことでしょう。
石炭をじっと見つめていらっしゃる方や、
炉の扉を珍しそうに見ていらっしゃる方など、
関心の的は十人十色です。
そんな折、袖引きさっちゃんが、
私に教えてくださいます。
「あれ、レゴみたい。」
お目が高い。
この子に注目したのは、私の知る限り、
二人目です。
詳しくは、2020.02.11掲載の
『リタの瞳と政孝の眼差し』②を
ご参照ください。
ということは、さっちゃんと私は同じ目線?
光栄です。
そこへ、お母さんもご参加。
「ほら、さっちゃん。大きなヤカンが、
たくさんあるわね。」
さっちゃんは、別のことを考えているようです。
「なんか、大きなウ・(ピー)・みたい。」
お子さまは本当に好きですよね、このキーワード。
そこへ、
「ガイドさん、石炭で熱すると、どのくらいの
温度になるのかね~?」
居酒屋三人衆の長老、敏さんがご質問されます。
「約1,200℃ほどになります。」
「それはすごい高温だね。」
「はい、パイプに蒸気を通す間接加熱は
130℃くらいですので、10倍近い温度ですね。」
「そんなに高温で熱したら、中の・・・
何て言うんだっけ?」
「モロミ、発酵モロミですね。」
「そう、そのモロミが焦げ付かないのかね?」
「ご推察とおりです。そのために、
あのポットスチルの底には、『ラメジャー』
という、鎖や箒のような形の銅製の器具が
取り付けられており、それが回転することで、
焦げ付きを防止しているのです。」
「へえ~、よく考えるもんだな~」とは、
うっかり八兵衛さん。
この場所では、時おり、スチルマン(蒸溜担当者)が
炉に石炭をくべているところに遭遇します。
開かれた炉の中で真っ赤に燃え盛る炎と、漆黒の石炭は、
ひとしずくのスピリッツが湛える静けさの奥に、
知られざる情熱が宿っていることを教えてくれます。
焚火を囲み、皆がただ炎を見つめるように、炎には、
人を惹きつける何かがあるようです。
そして、炎すら存在できない高温高圧の下で
生まれる結晶・・・
ダイヤモンド?
いえ、それは固いけれども壊れます。
・・・
そう、それです。
ただし、お気をつけください。
世の中に決して壊れないものがあるとすれば、
それは、「すでに壊れているもの」・・・ですので。
~ to be continued ~
Z.Aoki
ご納得されたミス・ザンギは、遅ればせながら、
余市蒸溜所名物?石炭直火焚きのポットスチルを
真剣な眼差しで確認していらっしゃいます。
他のお客さまたちも、珍しそうに楽しんで
いらっしゃいます。
私はといいますと、たくさんの見学者を
観察してこられた警備の方に、最近の
お客さまの動向などをお聞きしております。
「ガイドさん、あそこに付いているのは、
しめ縄でしょう?」
麦わら婦人(だんだん扱いが雑になってきました)が、
尋ねられます。
「はい、竹鶴政孝の実家が広島県の造り酒屋ですので、
つくりの場は神聖な場所ということで、
しめ縄を飾っているのです。」
「面白いわね~」
妙に感心していらっしゃいます。
まさか、ポットスチルにしめ縄が飾られているなど、
想像できないことでしょう。
石炭をじっと見つめていらっしゃる方や、
炉の扉を珍しそうに見ていらっしゃる方など、
関心の的は十人十色です。
そんな折、袖引きさっちゃんが、
私に教えてくださいます。
「あれ、レゴみたい。」
お目が高い。
この子に注目したのは、私の知る限り、
二人目です。
詳しくは、2020.02.11掲載の
『リタの瞳と政孝の眼差し』②を
ご参照ください。
ということは、さっちゃんと私は同じ目線?
光栄です。
そこへ、お母さんもご参加。
「ほら、さっちゃん。大きなヤカンが、
たくさんあるわね。」
さっちゃんは、別のことを考えているようです。
「なんか、大きなウ・(ピー)・みたい。」
お子さまは本当に好きですよね、このキーワード。
そこへ、
「ガイドさん、石炭で熱すると、どのくらいの
温度になるのかね~?」
居酒屋三人衆の長老、敏さんがご質問されます。
「約1,200℃ほどになります。」
「それはすごい高温だね。」
「はい、パイプに蒸気を通す間接加熱は
130℃くらいですので、10倍近い温度ですね。」
「そんなに高温で熱したら、中の・・・
何て言うんだっけ?」
「モロミ、発酵モロミですね。」
「そう、そのモロミが焦げ付かないのかね?」
「ご推察とおりです。そのために、
あのポットスチルの底には、『ラメジャー』
という、鎖や箒のような形の銅製の器具が
取り付けられており、それが回転することで、
焦げ付きを防止しているのです。」
「へえ~、よく考えるもんだな~」とは、
うっかり八兵衛さん。
この場所では、時おり、スチルマン(蒸溜担当者)が
炉に石炭をくべているところに遭遇します。
開かれた炉の中で真っ赤に燃え盛る炎と、漆黒の石炭は、
ひとしずくのスピリッツが湛える静けさの奥に、
知られざる情熱が宿っていることを教えてくれます。
焚火を囲み、皆がただ炎を見つめるように、炎には、
人を惹きつける何かがあるようです。
そして、炎すら存在できない高温高圧の下で
生まれる結晶・・・
ダイヤモンド?
いえ、それは固いけれども壊れます。
・・・
そう、それです。
ただし、お気をつけください。
世の中に決して壊れないものがあるとすれば、
それは、「すでに壊れているもの」・・・ですので。
~ to be continued ~
Z.Aoki