ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

『目線』

2019-11-29 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。

 週末営業、路地裏の『名も無きBAR』には、
 様々な業界の方が登場します。

 今宵は、珈琲チェーン店の方々が、
 ”お客さま”・・・という、
 わかるようでわからない存在について、
 議論が展開されるようです。


☆☆☆

『目線』


 老舗の珈琲チェーン店。

 月に一回、全国の店長が集い、戦略会議が開催される。

 終日熱い議論が繰り広げられた後、
 地方から出てきた店長トリオが、BARのカウンターで第2ラウンド。

 曰(いわ)く

 「お客さまの立場でサービスを考えなきゃ駄目だよ。
  これからはもっとお客さまの動向を観察していかないと。」


 二人目がジェスチャーを交えて否定。

 「いやいや、“お客さまの立場で”と言った瞬間に、
  もうお客さまから離れているんだよ。
  “お客さまの目線”で考えなければ。」


 三人目の店長は黙っていた。


 二人が見守る中、ようやく口を開き出た言葉は・・・

 「今朝向こうを出て、午後の会議まで時間があったから、
  新宿店で一服したんだ。」


 少々くせのある“アードベック”のソーダ割りで一息いれると、
 その先を続けた。

 「確かにマニュアル通り、3分以内に珈琲は出てきたんだが、
  何て言うか、立ったまま3分間出来上がりを待つのは長いもんだね。」


 “お客さまの立場”が異を唱える。

 「しかし、お客さまに出来たての珈琲をお出しするには、
  どうしても3分ほどかかってしまうじゃないか。」


 “お客さま目線”も追随する。

 「これ以上時間を短縮するなんて、技術的に無理だよ。」


 三人目の“お客さま”が弁解する。

 「いや、分かっているよ。ただ、そう感じただけさ。」


 三人は袋小路に迷い込み、マスターの顔を見つめた。



 “やれやれ”。

 マスターは、ため息とともに磨きかけのグラスを置いた。


 「2時間の映画は、長いと感じますか?」


 キョトン顔の三人は、顔を見合わせた。


 先ほどの“お客さま”が、代表して答える。

 「面白い映画なら、長いと感じないでしょうね。」


 「では、3分間にドラマがあればよいのではないですか?」


 “お客さまの立場”が再び異を唱える。

 「僅か3分間で、そんなの無理ですよ。」


 “お客さま目線”が共闘する。

 「3分以内に珈琲を出すだけでも大変なのに、
  これ以上作業を増やすのは難しいですね。
  何かやるには金もかかるし・・・」


 しかし、“お客さま”は違っていた。

 「3分以内に珈琲を出すために、
  我々は業務マニュアルを整備し、
  教育にも力を入れている。
  でも、店頭ではそれが見えないんだ。
  あの流れるような動きと連携が見えたら面白いかも。」


 「でもどうやって?」

 合唱する二人を尻目に、マスターは微笑む。


 (来月の店長会議では、面白い提案が聞けるかもしれないわね。)

 謎のバーテンダーも、興味津々。

                               written by Z.Aoki


★★★★★★★★★

 「CS(お客さま満足)」という言葉が流行っていた頃は、
 こうした会話が飛び交っていました。

 言葉遊びにならなければいいが・・・

 そんな思いもございました。

 それほど難しく考える必要はないです。

 「シンプルライフ」同様、「シンプルマインド」で、
 自ずと答が出ます。

 仕事の本質を考えますと、
 「お客さま満足」と「お客さまサービス」の違いは見えてきますね。

 主に、民間企業は、様々な取り組みを通して、
 従業員にCSマインドを植えつけようとします。

 しかし、ここにも落とし穴があります。

 「お客さま満足」と「お客さまサービス」を混同することに似ています。

 シンプルなことが、実はとても難しい・・・のは何故でしょう?

 不思議な世界です。


★★★★★★★★★


 掲載写真は、スコットランドの西に位置するアラン島の、
 (アランセーターのアラン島ではありません)、
 アラン蒸溜所からリリースされたスコッチ、
 『マクリー・ムーア(Machrie Moor)』です。

 アラン島の西海岸には、「マクリー・ムーア」と呼ばれるピート湿原が広がっています。

 「何故、犬の絵が?」

 この湿原の中にあるストーンサークルにまつわる神話があるのです。

 巨人戦士「フィンガル」が、巨大な愛犬「ブラン」を繋いでいたという・・・


 金の「ブラン」、銀の「ブラン」・・・

 二頭の目線の先にあるもの・・・

 何? 誰?


 それは、あなたにとって大切なもの・・・人・・・かもしれません。


                             Z.Aoki
コメント   この記事についてブログを書く
« 『夢想・無想・妄想への道』④ | トップ | 『夢想・無想・妄想への道』⑤ »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事