「馬込給水塔」から20分ほどで「萬福寺」
「山門」
「閻魔堂」
「鐘楼門」
「摩尼輪堂」
内部は、輪蔵と呼ばれる回転式書庫と同じ作り。チベット仏教の摩尼車と同様に、一回転させるとお経をすべて唱えたことと同じ功徳が得られるというもの。
お経の代わりに、地蔵尊と四天王がお祀りされています。
東方守護の持国天(東=青緑色)
南方守護の増長天(南=赤色)
西方守護の広目天(西=白色)
北方守護の多聞天(北=黒色≒濃紺色)
輪蔵は長谷寺(鎌倉)にもありますが、このように仏尊が収められている例は非常に少なく、類例としては水澤観音(伊香保)で六地蔵が祀られている六角堂がみられます。
廻してみたい衝動に駆られます。
一つの扉にお札が貼られています。
向かって左側のお札は歳徳神で、その年の福徳を司どる神様。毎年、居場所を変え、その年にいらっしゃる方位が「恵方」(2023年は「南南東やや南」)です。
周りに侍っている神様たちは八将神で、方位の吉凶を司っています。
上方には、瑞雲つきの日月。
右側は般若札。そもそも輪蔵には、大般若経全16部600巻(三蔵法師がインド方面から梵語版を持ち帰り長安で漢訳したもの)が収められていて、それを全て読経したいところ、なかなか難しいので輪蔵を一回転させることで全巻を読経したことにするものです。
おそらく、「人々の願い」>>「祈念の速度」となったために、合理化を迫られていたのでしょう
「奉轉讀大般若経全部専祈志願成就諸縁如意圓満攸」(「轉讀」=「転読」、「攸」=「所」)
拙訳:ここに大般若経全巻を転読して、志やお願いごとが成就するように、そしてあらゆる縁が思いのまま円満となるよう、一心に祈念いたしました
「無位真人現面門 智慧愚癡通般若 霊光分明輝大千 神鬼何處着手脚」
鬼神(=疫病、天災など)を祓う呪文。
拙訳:地位や見栄に囚われない悟りを開いた人が門前におります。愚かな心は般若経を通じて真の智慧に転じることができます。光明が数千里に及び輝き渡ります。鬼よ手足はどこへいきましたか(=手足を出せまい)。
上方の梵字は「ジャジニャ」、般若菩薩を表しています。般若菩薩とは、あまり耳にしませんが、女性の菩薩で胎蔵曼荼羅の中台八葉院の直下、持明院の中央にいらっしゃいます。
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