高級オーディオ店に行った

昨日、秋葉原から少し坂を上がった場所にある高級オーディオ専門店に行きました。

好みに合う最近のスピーカーはないかな？と思い出掛けたのです。

平日の昼間なので、お客さんはほとんどいない。。。
初めて入る店なので、まず1Fをぐるーっと見て2Fへ。
2Fを歩いてると、聴きたいって思ったのが「QUAD」。

QUADと言えば、以前石のプリとパワーを持っていました。
ロジャースのスピーカーと合わせたら相性が良く、完成された世界美は今も忘れません。
しかし当時マッキントッシュのアンプが気になりはじめ、中古で手にいれ、いつしかQUADは使わなくなっていました。
そんな中、知り合いの方から「ウエスタンのでっかいホーンが家にあるからよかったらあげるよ」（！）と言われ、当時はまだウエスタンがどんなモノか良く知らなかったけど、喜んで頂戴し、その方の返礼に（何も要らないと言われたけど…）QUADのアンプをお渡した記憶があります。
これをきっかけにウエスタンに対する興味が出てくる訳です。

話は横道に逸れましたが、QUADのESL989を聴かせてもらいました。ソフトは何でも良かったけどカンターテドミノが見えたのでそれにしました。
製作者の意図・意気込みを感じることが出来るオーディオ製品が好きなので、重点はそこです。
似たタイプ（衝立型という意味で）は以前マグネパンを所有していました。
当時マグネパンを鳴らすアンプを探してみても、持っていたトランジスタのアンプはことごとく合わない。
参ったな～と思って絶対に合わないイメージだったマッキントッシュの真空管アンプMC30につないで聴いてみると、何とも良く味わい深い。
このマグネパンは自宅だけでなく、ＰＡとしても様々な場所で活躍してくれました。
今でも手放したことを少しだけ後悔させるスピーカーです。

またまた横道に逸れましたが、
ESL989を聴くとホールを感じさせる独特な世界美がありました。
多少大つかみな感は有りましたが、これは使い方にも依るんでしょう。
「VINTAGE仕様で注文し、今4344が置いてある場所に置いたら周囲の掛け軸や家具とも合うなあ」な～んて考えながらカンターテドミノを聴いていました。

視聴を終え、40代後半～50代前半位のお店の方に、
「このスピーカーは良いですね。気に入りました。しかし私はオーディオ機器に詳しくないから、最近のスピーカーを他にもいろいろ紹介して欲しい。好みは、箱鳴りしない事、万能なスピーカーは欲しくない・小編成や声が良く出て来ればそれで良い。是非他にも紹介して欲しい」
と告げました。

そうしたら、
「予算は幾らですか、1000万円でも払えるんですか？」といきなり聞かれたので、
「テメー！そのいい方は何だ！？」
と言いたいところをグッと我慢し、「裕福じゃないから、余り高いのは買えないですよ、まあ出せても●00万円までかなー」なーんて言ってみた。
すると、
店員「じゃあQUADでいいんじゃないですか？」
私「いやそうではなく、他にも良い物を紹介して欲しいんです」
店員「じゃあ隣にあるB&Wはどうですか？」
私「B&Wは友人が鳴らしていますが余りに優等生過ぎて私の好みではないんですよ」
店員「じゃあヤッパりQUADでいいんじゃないですか？」
私「だから他に良い物は無いんですか？人気が無くて変わった物でも大歓迎ですから是非教えてください」
店員「スピーカーの音は硬いか柔らかいかだけなんです。ひとつのスピーカーを聴いてもっと硬いのが好みでしたら紹介できます。この世界では優等生なんて言葉は使わないんですよ。硬いか柔らかいかだけなんですよ。あとは金額だけです。」
ときた。

私「えっ？？」



　　≪コイツ“趣味の世界”を知らないのか・・・≫



　　≪オーディオ屋なのに“音楽”も解ってない・・・≫



これはどうしようもないので、礼儀だけは残し、私は足早に立ち去りました。


惚れ込んだら最期、お金が無くて、とんでもない無理をしてでも手に入れてしまうという話は、私自身にも周囲にも多々あるのです。
それが趣味の面白い（怖い）ところです。

こんな子供騙しのどうしようもない接客で・・・、
しかも「音楽」を売らないで「音」を売る。
こっちが自分の現システムやオーディオ遍歴をまず伝えないと
まともに接客も出来ないんでしょうかね。