西沢利明の俳優ノート

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春の音とシーレーノス

2009-04-11 10:23:25 | Weblog
昨夜は眠れなかった。

三時半に目が覚めた。

たまにこんな事もある。

いただいた“春の音”というお酒を少し飲んだ。

こんな話を思い出した。

サテュロス(森の精)たちの親分、馬の耳と尾と蹄を持つシーレーノスの話だ。

彼がブリュギアの王ミーダスをいさめるところだ。

「この世界に、人間ほど惨めな痛ましい生物は他にない。
人間にとって一番良いのは、
生まれ出(いで)ず、日の光を見ないことだ。
だが、生まれて来てしまったら仕方がない。
できうる限り早く死んでしまうのが一番だ。」

これは、紀元前6世紀の、ある詩人の戯れの教訓であろうかと

呉茂一さんはおっしゃる。

ミーダス王は聞き流してしまって、

いろいろ失敗を繰り返して、耳がロバの耳になってしまう。

春の音も聞こえるけれど

古代ギリシャの神々と

人間たちの織りなす劇の始まりのベルの音も聞こえてくる。

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