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月々の活動のまとめ。

丸木枠。

2010-01-12 18:00:00 | インポート

以前、作品の縦横比の話をさせていただいたのですが、絵画作品は縦横、つまり四角でなくても良いはずです。壁に掛けて展示するものだとすれば、その形はもっと自由であっても良いのではないでしょうか。窓にだって四角いものだけでなく、丸窓があるように、絵画にも丸であったり楕円であったり、不定形のものは多くあります。

以前は画材屋さんでも見かけた丸形の木枠なんですが、じゃあ実際に丸い画面に描きたい、と思って昨年画材屋さんをあたってみたところ、どこにも置いてないのです。大型店に問い合わせてみたり、問屋さんに問い合わせても「今は扱ってない。」とのこと。それならば、と画材メーカー、木枠メーカーと、わかる限り問い合わせてみたのですが、今では円形の木枠を作れる職人さんが引退をしてしまって、もう作っていないとのこと。確かに四角いものよりも手間がかかりますからね。地方の画材屋さんとかで売れ残っていれば、、、というのが現状らしいのです。円形の木枠、、、需要は決して多くはなさそうだし、採算が合わないのでいつの間にか消えてしまったのですね。いろいろな行程が機械化されるにつれて、規格に合ったものしか流通しなくなってしまうのは本当に残念です。。。
もちろん規格通りの製品は、より安価に買えるようになるのですが。
僕にはどうもみんな同じになっていくのには抵抗があります。。。

でも、無いものはしょうがないので、自分で円形の木枠を作ることにしました。
狂いが少ないので木枠にもよく使われる杉材をホームセンターで買って、木工作業です。
これが楽しいんです。
もう8~9年前に参加させていただいた、ワークショップ講師の日本一の左官職人と言われる方が、「今の職人には工夫が無い」と言うようなことをおっしゃってました。
例えば、「球形の部屋にだって畳は張れる」と言うのです。今ではすっかり畳と言えば、あの長方形のものを思い浮かべてしまいますが、畳の作り方から心得ている職人さんならどんな形の畳でも作れると言うのです。つまり、球形の部屋にだったら小さな正三角形の畳をたくさん作って張っていけば球形の畳の部屋はできる、と言うわけです。
「もちろんそんな部屋を頼む施主さんはおらんやろうけどな~」と言って笑っておられましたが。

こうして自分で丸形の作品を作ってみて、工夫する面白さに改めて気づかされます。
もちろん、四角い画面に描いている時と、画面の中のモチーフのバランス、色のバランス、全てに新しい取り組みが必要です。
画面と向き合うのは、毎回同じじゃないんですね。


09_party_waiting_for_the_f

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満開講 / Party waiting for the full bloom
和紙、アクリル彩色、木枠張り / Acrylic paints on Japanese paper a sliding frame
Ø600
2009




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