「つないだ手を離したら」 - くま井ゆう子
作詞/作曲:くま井ゆう子 編曲:見良津健雄
3rdアルバム「100%恋愛」(Sony Records/1995年)より5曲目
Produced by.Norio Takeda(BRIDGE)
Programming:飯田高広 Keyboard:田中厚 Guitar:梶原順 Chorus:くま井ゆう子
ポピュラーミュージック界おいては、その成功に必要なのはまず本人の才能なのは言うまでもないですが、でも同じくらい大事なのが「活動する時代」/「時代と上手くシンクロできるか」がとても重要な要素だと思います。そこにはもちろん、世の中の空気感もありますが、加えて、良いスタッフとの巡り会えるかとか、レコード会社の環境とか実にいろんな要素があると言えます。
でも理由はともあれ、時代と上手くマッチ出来なかった時には、結局
「埋もれた才能」
として消えていってしまいます。
さしずめこのくま井ゆう子さんは、そんな典型的な「埋もれた才能」の人と言うべき、惜しいアーティストだと思います。目立った活動をしていない今、実に惜しい事だと言えます。残念です・・・。彼女は「槇原敬之さんの女性版」だと私は思っています。POPS職人さんタイプ。いろんな佳曲・名曲がありますが、この曲は特に素晴らしいです。
彼がつないできた手を、何も気が付いていないように手を離してしまおうとする自分。今まで恋が怖くて、傷つくのがこわくて、そんな風に自身も相手も傷つけてきた自分・・・そんな自分の心に深く入ってきてくれた新しい彼と自分を見つめる切ないラブソングです
手をつなぐ意味も 気付かなかったんじゃなく
わざと考えないようにしていたずるさは
今まで 他の誰かを傷つけてきた・・・
いま臆病でこわがって つないだ手を離したら
このまま電車に乗って 別れていくだけだから・・・
人の気持ち考えなきゃ いけないと叱ってくれた
あなたとのつないだ手は 離しちゃいけない
これがPOPなメロディに乗って歌われています。切なさ全開です。ちょっとうるうるしたりします(^^;。是非一度聴いてみて下さ~い!それから、他にも素敵な曲が沢山ありますヨ。
それしても、彼女が成功出来なかったのは、世の中が小室ブームに代表されるように安易な量産ヒット物や、自作バンド系にどんどん流れていってしまって、「ちゃんとしたPOPS」を聴く層が薄くなってきた時期だったように思います。またSONY自体一気にリストラとか社内体制の変化があって彼女を育てる前に契約を解除してしまったのだと推測致します。彼女が10年前、もしくは10年後に出ていたら、彼女を評価する目は全然違っていただろうになぁ・・・
重ね重ね
才能は未だ埋もれたまま
だと、とても残念な気持ちです・・・
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これ、持ってました。
10曲収録なんですが、10曲とも好きでした。
というのも、アレンジャー目当てなんですが。でも、身にしみます。
参加しているミュージシャンは豪華です。
私はこの、見良津健雄(みらつ たけお)さんという方が好きで、元々はバンドのギタリストなんです。ギターを大物の方に起用するんです。角田順さん(元もんた&ブラザーズ)、松原正樹さん、是永巧一さん(元レベッカのサポート)、鳥山雄司さん(TBS系「世界遺産」の音楽担当)、梶原順さんなど。それによって結構良いアレンジをするんです。
最近は見かけないんですけどね。
欲を言えばあと一歩詰める(練る)と更に良くなったと思います(^^;。そのあと一歩は昔だったらもっといろんな人がスタッフとしてアルバムに参加していたんだろうと思います・・・。
いずれにしても、この時期のアルバムが昔のCBS/SONYのDNAが残っていた最後の時期のような気がします。これ以降のSonyは・・・(^^;
以上、ちょっと話が逸れてスミマセン。
ご冥福をお祈りいたします。久宝留理子さんや椎名 恵さんの作品のアレンジをなさってました。
長い闘病生活をされていたそうです。
その詳細は、こちらのブログに。
http://takeo333m.cocolog-nifty.com/melonest/
私的にはあまり詳しくなかった方ですがでもとてもいい仕事をされていたとあのアルバムを聞いて思っておりました。残念です。
この件をお知らせくださりまことにありがとうございました。
また心からご冥福をお祈りいたします。