言わなければならない事は言わないと前には進まない

生活する中において言わなければならない事や、他の記事で共感したことなどを中心に。今その時の思いを表す。

河本生活保護問題に一言

2012-05-27 22:52:11 | 言いたいことは何だ
 人気お笑いグループ「次長課長」の河本準一さんの母親が、生活保護を不正に受給していた問題で、昨日河本さんが記者会見をし「安易にやってしまった。反省している。受給費は全額返還する。」と表明。この問題を受けて、小宮山厚労相は昨夜、生活保護受給の制限縮小について検討を始めると表明した。
 
 一連の報道の中で「あちゃ~お痛やなァ」と思ってしまう所は多々あったが、その他報道も見ながら少し深読みをして行く中で、実は恐るべき世論が形成されつつあるのかとも感じた。
 
 そもそもこの問題のきっかけは、自民党の片山さつき議員が公表した物である。片山氏と言えばコイズム信奉者の最右翼に居る人物で、社会保障縮小論の論者である。こうした人物が、今回の問題を提起する過程で、河本氏に関する情報を如何に仕入れて来たのか?。
 
 当事者たちはツイッターで議論した過程で出た云々と語っているが、社会保障関係に関する情報は、如何に議員だろうが民間人だろうが、そう簡単に外部へ漏れない。つまり、社会保障費の削減を目論む陣営の協力者が、厚労官僚に相当数いて、そうした人物が情報リークをしていると想像しても決しておかしくは無い。昨日の夕刊フジで、在留外国人の生活保護受給者の一覧数が出ていたが、こうした内容もトーシロウ調べでは出て来ない。裏はあるのだ。
 
 そして次第に明らかになって来るのが「財政再建」をお題目にした弱者切りと言う大綱。民主党政権下で「国民生活重視」と政策を打った結果、赤字国債残高が1000兆円を超え、あと2~3年でデフォルトの危機を迎える中、あせった自民公明を始めハシストらが「弱者を犠牲にしてでも国家を立て直さねばならない」と吹聴しまくり、「派遣切り」ならぬ「生活保護切り」を始めようと世論を扇動しているのだ。「派遣切り」が横行した結果どうなったか?。よもや「派遣村」の事を忘れてはいないだろうか?。その現場に自民公明の議員も居た事を知っている。今度は「生活保護村」に現れるのだろうか?。
 
 一連の報道や議論の中で忘れ去られてる事は、生活保護受給者が如何に憲法で保証されてる「基本的人権」を蹂躙されてるか?と言う点が全く論じられない事だ。外国人受給者数とて、その多くが中国残留孤児帰国者やその家族であること、そしてそれら人々が仕事に就けず、その子弟にも貧困が及んで犯罪に手を染めるケースが多い現実を、何故マスゴミは隠し続けるのか?。
 
 さらに「親族の扶養義務強化」と言っても、過去の家族間のトラブルで、いわば「縁切り状態」になる「無縁化」が、急速に社会で進んでいる事も触れていない。NHKが「無縁社会」なる番組を放送して話題にはなったが、わだかまりが解けない親族を「生活保護寸前だから扶養しろ」とお上から言われたところで、親族は決して納得しないだろう。そう言う事を言う前に、親族間のわだかまりを
溶く為のケースワーキング強化などが謳われない所に、日本の社会保障の貧しさを感じざるを得ない。
 
 更に言えば、生活保護受給と自立支援が、全く別の形になってる事も以前から私が指摘している点である。生活保護から一刻も早く脱出させるには、就労や技能訓練の機会を並行して与える事が望ましいが、例えば失業保険受給対象者外の給付金付き就労訓練が月額10万円に対し、生活保護が月20万円なら、どう考えても生活保護へ流れるのが自然な考えだ。こうした「歪んで放置プレイされた社会保障」の軌道修正をするなら、今言われている社会保障と税の一体改革となるのだが、ただいたずらに「歳出削減」を目的とした生活保護や社会保障費のカットは断固認められない。
 
 今永田町で、こうした怪しい議論をしてる人間の殆どが、こうした問題点を奉仕し続けて来た人間である。それら魑魅魍魎に、社会保障の何たるかを議論されたくないのがホンネと言ったところか…。