天上の月影

勅命のほかに領解なし

『天台四教儀』を読む(11)

2018年08月11日 | 勉強日誌
 「化法の四教」の「化法」は化導の教法すなわち説法の内容です。それを四種に分けたのが蔵教・通教・別教・円教です。本文に「蔵・通・別・円(てん)なり」とあるのがそれです。「蔵教」は小乗教のことで、ただ三界を脱出するのが仏法であると教える法をいいます。「通教」は大乗の初門で、進んで仏果菩提を得ることを教えるのですが、その法は小乗の三界を脱出する法と全く別ではないと、小乗と大乗との橋渡しとなる教えであるから通教というのです。「別教」は大乗の法は全く小乗の法とかけ離れたものであると大乗教の特有な点を力説する教です。「円教」は大乗教の真髄を打ち出して説いたものをいいます。別教では小乗を寄せつけない大乗ですから、大乗と対立する小乗を見ているのですが、円教に明かす大乗は小乗を取り込んで別に対立する小乗を見ない絶待唯一の大乗教です。この「化儀の四教」と「化法の四教」を合わせて「是れを八教と名づく」といいます。「頓等の四教は是れ化儀なり」は頓教・漸教・秘密教・不定教の四教は化儀であるとおさえます。「世の薬方の如し」という「薬方」は処方箋です。「蔵等の四教を化法と名づく」は蔵教・通教・別教・円教の四教が化法であるとおさえます。「薬味を弁ずるが如し」の「薬味」は薬剤そのものです。処方箋がなければ薬の調合具合がわかりませんし、薬剤がなければ病気は治りません。その「薬方」と「薬味」の譬喩によって化儀と化法の関係を明かしているのです。すなわち化儀は対機の病気の性質軽重によっていかなる教法を用いるべきかを決めるから化儀を「薬方」の処方箋に喩え、その用いる教法そのものが化法であるから「薬味」の薬剤に喩えたのです。これによって化儀と化法の相互関係が知られましょう。
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