cottonの山日記

「孤高の人」を読んだのがきっかけでH15年から山にはまっています。

2017_0904 木曽駒ヶ岳〈聖職の碑コース〉

2017-09-05 | 登山
『聖職の碑』・・・中央アルプスの木曽駒ヶ岳における山岳遭難事故を題材とした新田次郎の山岳小説である。大正2年8月26日に長野県中箕輪高等小学校の集団宿泊的行事として実施された木曽駒ヶ岳集団登山における気象遭難事故の実話に基づき極限状態での師弟愛を描き、「生きること」「愛すること」の意味を問いかけた。生徒25名,青年会員9名,引率教師3名計37名のうち赤羽校長,生徒10名が疲労凍死(低体温症)により尊い命が奪われた。

◆これは小説にあった11名の死亡場所である。


「聖職の碑」を読んだ時,木曽駒ヶ岳は是非このルートをトレースしたいと思った。今はロープウェイで簡単に登れてしまう木曽駒ヶ岳であるが,この聖職の碑コース(正式には桂小場コース)のコースタイムは約14時間である。通常は1泊2日であろうが,これを日帰りでやろうと計画した。


◆今回の山行タイム
スタート   23:30
宝剣岳     6:30
木曽駒ヶ岳   7:25
フィニッシュ 11:30
  計    12時間(休憩含む)


◆ここがスタート地点。標高1280m。(下山時撮影)


◆西駒登山ルート。東駒の甲斐駒ケ岳に対して木曽駒ヶ岳は西駒とも言われる。写真はそのルート概念図。中央真下の赤い点から標高差1700mを登ることになる。


◆23:30にヘッドランプを点けてスタート。登山道を登る様子はこんな感じ。下界では深夜に森の中を歩くのはちょっと不気味だが,不思議なことに山ではそんな感じは全く無い。さぁ~登るぞとテンションが上がっているせいか・・・。 23:42


◆胸突八丁。意外ときつい登りじゃなかった。 1:26


◆最初はTシャツと長袖でスタートしたが,標高をあげるにつけ気温は低くなり途中でアウターを装着。そして樹林帯を抜け稜線に出たところ急激に寒くなり(気温2℃)持参したフリースも着た。写真はそのアウター。61歳の誕生日(9/9救急の日)のプレゼントとして女房からもらった♪


◆いつもはこんなことしないのだが,初めてこんなこと書いてみた(笑)


◆八ヶ岳に朝陽が昇る。しかし天気は高曇り。 5:24


◆千畳敷の上部に位置する「宝剣岳」。岩岩で格好良い。勿論てっぺんまで登ってみた。途中,切れ落ちている箇所も通過するのだが,鎖もあり,高度感はあるものの怖くはない。それよりも2m登ってスタンス,ホールドが無くなってしまった沢登りの方がよっぽど危険である。沢登りはとてもリスキーな登山なのだ。 6:12


◆宝剣岳頂上から千畳敷カールを望む。右の赤い建物はロープウェイの終点。 6:31


◆千畳敷カールをバックに自撮りしてみた。表情が硬いなぁ(^^;) ちなみに帽子は耳まで覆うフリースである。気温5℃。 6:33


◆木曽の御嶽山。どか~んと存在感ありますね。まだ登ってません。 6:34


◆中央アルプス。奥に見えるのは空木岳。これもまた未踏。 6:34


◆木曽駒ヶ岳に登る途中,宝剣岳を振り返る。 7:20


◆頂上到着。百名山53座となりました(^_^)v 7:25


◆北アルプス方面。手前には小さいが滝雲が。 7:27


◆北アのズーム。左に穂高・槍が見えます。山ヤの楽しみは山頂での山座同定。木曽駒ヶ岳に登っているのに,頭の中は北ア,南ア,中央アの山々で一杯。 7:27


◆富士山もしっかり見えましたよ。 7:27


◆これが「遭難記念碑」。赤羽校長と亡くなられた生徒の名前が刻まれていました。樹林帯にたどりつけた者は生存し,稜線上で力尽きた者の多くが命を落とした。山における一番のリスクは豪雨と強風なのである。合掌。 8:49


◆下山時のワンショット。お世話になりました登山道。いつもは麒麟だけどノサヒビールも飲むようにします。はい。 9:54


◆登りは暗闇で何も見えませんでしたが,こういうところを登っていたのですね。 10:38



今回は実話に基づいた「聖職の碑」の遭難コースを歩き,その時の様子を思い起こしながらの感慨深い山行となった。
標高差1700m,コースタイム14時間のロング&ストイック&どMなコースを日帰りで,しかも休憩込みで12時間。コースタイムより2時間早い!! まもなく61歳のカズGはまだまだ頑張って登りますよ(^^)/




最新の画像もっと見る

コメントを投稿