1、緊急事態宣言はもう効果がない
緊急事態宣言というのは、例えば地震とか台風など「自分等ではどうしようもない災害」がやって来て、それが通り過ぎるのを「ひたすら我慢して」待つ、という事である。去年の年末、爆発的に感染が拡がった時は正に「これはヤバイ!」という状況だった。こういう時は分析とか対策とか言っている場合ではなく、とにかく人の流れを止めて「様子を見る」ことが大事なのである。その後、最初の嵐が過ぎてから徐々に各自「巣」から顔を出し、緊急事態を解除してデータ収集や被害程度の集計や状況分析を行いながら、改めて「具体的対策」を講じる、というのが普通のやり方だ。では、政府はそれらの手順を「どう行ってきた」のか。
東京都で新規感染者数が1日2000人を超えたというのは、ある意味日本では緊急事態宣言は当然かも知れない。しかし500人という目安を設定した当初の危機感が一応収まったにもかかわらず、政府や東京都知事が緊急事態を延長したというのは間違いだった。既に国民の意識にある「現実感覚としての危機感」が薄まっていて、もう実態としての緊急事態では「無くなっている」のである。新規感染者データを見ても「飲食店や旅行関連」での感染者割合は、殆ど1割以下の数字でしかない。むしろデータの中身を見れば、家庭内と施設内の感染が大半である。年齢別感染者の表にしても、各年代での市中に出ている人数には相当差があり、例えば80才以上の高齢者が「時短営業の飲み屋で呑んだくれている」というのは想像しにくいんじゃないだろうか。明らかに殆どの高齢者は、家庭内か施設内感染であろう。このコロナ禍で外出しようと言う高齢者の割合は、普通の60才以下の人よりは「極端に少ない筈」である。なのに新規感染者の人数は若者たちと大差ないのだ。つまり高齢者の方が数倍コロナに罹っている。さらに中等から重症患者の割合を出せば「圧倒的に70代以上」がコロナ感染の中心だと言える。逆に言えば、若い人は「それほど気にする必要はない」のが現実だ。
結論を言おう。現実には、とっくに緊急事態は「解除すべき」であった。今はひたすら巣ごもりして「通り過ぎる」のを待つ時ではない。もっと精密なデータ分析を行って、有効な対策を「実行する」段階である。医療の逼迫度合いを示す「病床使用率」が下がりきっていないと一部のマスコミや医療関係者が騒いでいるが、基本的には「そんなもん、政治と病院経営の問題」であり、我々一般人の意識からすれば「サッサと病院を増やせ!」ということに尽きる。現在コロナで「需要と供給のバランス」が崩れているのだから、当然供給側を拡充するのは当たり前ではないか。時間は十分あったと思う。それが対策を問われて「病気にならないで」というのでは、ちゃんちゃらおかしくって「ふざけるんじゃ無い!」と怒鳴りつけたくもなる。とにかく医療体制の整備は政治主導でしっかりとやってもらい、それとは別に「緊急事態は解除する」のが正しい処置である。
なお、データ分析のためには収集方法の改善がまず必要だ。例えば、
①すべてのコロナ情報をマイナンバーでクラウド・データベース化する。
②PCR検査は採取した日にすぐクラウドに入力。
③結果が出たらすぐにデータベースを更新する。
④必要な事務作業に人手が足りなくなるので、早急に病院のカルテをクラウド化する(何れデジタル省がすべてのカルテをクラウド化するから、最初にコロナをテストケースとして開発・導入してする)。
⑤年代別総人口を分母とし、コロナ感染者の比率と行動の分析をする。特に、どのような日常行動をしていたら感染し、どのような日常行動をしていたら「感染しない」のかを導き出すこと。
⑥年代別行動別の中等者・重症者の割合、最終的に死亡した人の基礎疾患や病状の詳細、投与した薬の有無と効果、などなど。あるいは無症状感染者が他人に感染す危険性の検証もキッチリやってほしい。
付け加えると私の考えだが、コロナというのは「既にそこら中に存在」していて、誰もが多かれ少なかれ「多少は吸い込んでいる」のではないかと思っている。それでも「量が少ない」ので発症していないのだと見ている。だから、無症状感染者というのは「多少はあるけど発症するほどではない」という人のことになる。これを感染者と呼ぶのは「医療の常識」から考えてもおかしいのでは?、だって「どこも悪くない」んだから。よって、症状が出た人だけをコロナ感染者とし、今までの無症状感染者は「コロナ接触者」と呼ぶのが良いと思う。
今日、テレビで尾身会長が「キチンとしたデータ分析が出来ていないのに緊急事態解除というのは云々」と報道されていたが、いったい「いつまで待たせるんだ!」との怒りが国民の間に爆発している。この連中に任せていたら、永久に「巣ごもり」から解放されないのではないだろうか。そろそろバカに付き合うのは辞めた方がいいと思う、マジで。
2、武田総務相の国会答弁
これはオマケだが、国会での武田総務相の答弁には「バカも極まれり」と感じた。本人は色々な質問のワナを上手く「すり抜けた名答弁」と自画自賛しているようだが、この政治オンチには「国民の目にどう映っているか」が全然判っていないみたいである。会食に行ったのかどうかと聞かれて「悪いことはしてません」との答弁を繰り返していたが、単に行ったことがあるかという質問にすら「まともに答えられない」ような規律意識の低い無能大臣では、政府自民党の人材登用・適材適所の配置問題にも発展しかねない。というか国会運営上、このような「フザケた態度」を続ける大臣では、いくら野党がだらしないにしても政府として「政治を任せる訳には行かない」と思うのは私だけではないだろう(拍手!)。
コロナ対応でブレまくっている菅首相だが、その上「身内の人事」までボロボロの体たらくでは、肝心の感染者が下げ止まっているのに「支持率」だけバッチリ下がってる、というのはもう笑えない。こりゃあ安倍首相に続いて、秋の任期切れでは「首相交代」も有り得るかもね。
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