夕暮れころ川原へ行ったら小学生くらいの男の子が三人いた。
一人はタモを持って、何やら狙いを定めていた。
「何が捕れる」と訊いたら、「鮎かハゼだよ」と言った。
「へぇ、鮎が捕れたら俺にくれよ。酒のツマミにするから」
「食べるの?」
「当たり前だろう」
子供らは、きゃあと奇声を発して喜んだ。
自分は、その場を離れて仕事をしていたが
遠くから一人の男の子が「おうい、おじさん~捕れたよぉ」と叫んだ。
「鮎かぁ」と返事をすると、首を振って「ハゼぇ」と叫んだ。
顔の前で手を振ると、またしばらくして
「おうい、おじさん。二匹目ゲット」と声を上げた。
頭の上で輪っかをつくってやると、「ハゼぇ」と叫んだ。
それきり捕れなかったのか、作業が終わって帰ろうとすると
「おうい、おじさん~」と子供らの声がした。
振り返ってみると三人とも手を振っていた。
そうか、おれはおじさんか。うっかり忘れてた。
しかしこんな小さな子らに、「おじさん」と呼ばれるのは悪くない。
このごろは、迂闊に子供に話しかけると不審者と思われるふしもあるが
ただ単に、ああ子供って可愛いなあと思う、おじさんもいるのだ。
一人はタモを持って、何やら狙いを定めていた。
「何が捕れる」と訊いたら、「鮎かハゼだよ」と言った。
「へぇ、鮎が捕れたら俺にくれよ。酒のツマミにするから」
「食べるの?」
「当たり前だろう」
子供らは、きゃあと奇声を発して喜んだ。
自分は、その場を離れて仕事をしていたが
遠くから一人の男の子が「おうい、おじさん~捕れたよぉ」と叫んだ。
「鮎かぁ」と返事をすると、首を振って「ハゼぇ」と叫んだ。
顔の前で手を振ると、またしばらくして
「おうい、おじさん。二匹目ゲット」と声を上げた。
頭の上で輪っかをつくってやると、「ハゼぇ」と叫んだ。
それきり捕れなかったのか、作業が終わって帰ろうとすると
「おうい、おじさん~」と子供らの声がした。
振り返ってみると三人とも手を振っていた。
そうか、おれはおじさんか。うっかり忘れてた。
しかしこんな小さな子らに、「おじさん」と呼ばれるのは悪くない。
このごろは、迂闊に子供に話しかけると不審者と思われるふしもあるが
ただ単に、ああ子供って可愛いなあと思う、おじさんもいるのだ。