日々記

ひびき

長生き

2018-05-16 | Weblog
昔、弟と飲んでいて「おれは95歳まで生きたいと思ってる」と
公言して、そのいろいろを語ったことがある。
そうしたら「今の状態で言ってるだけだろ」と急所を突かれた。
こいつ酔っていてもしっかりしたことをいいやがるとその時思った。
確かに95歳の状態を実感出来ないから暢気なことを言っているように聞こえるだろう。
おおかたこんな感じだろうと想像は出来ても、やっぱり実感がない。
ヨボヨボの感じが分からない。足腰が今より辛くなって足取りも重い。
今も耳は遠いが、もっと遠くなって目もさっぱり使えなくなるに違いない。
愛しい性欲も枯れて、すぶ濡れになったズボンを青空見上げて誤魔化すか。
違う違う、もっと美しく穏やかな老後にしたい。
かねてから家でも繰り返し、おれは95歳まで生きるんだと公言している。
明日かあさってあっさり死んだらそれはそれで、もう言い訳のしようがない。
「おれが95歳まで生きるとしとて、お前はとっくに死んでるかな。
それともおれより数年は長生きするかね」
「95歳まで生きたいんなら、そんなふうに暮らさないと。
毎日毎日飲んでどうかしらね」
「95歳は本気の例えばだ。死ぬのが嫌なだけだ。べつに100歳だって149歳だっていい」
このごろあちこち痛くって、弟の言ってることが身に沁みた。
やせ我慢したって痛いものは痛いし、死にたくない気持ちはいつだってある。
それにしても95歳てどんなだろう。
これなら死んだほうがましだと思えるなら、
誰もが嫌がる死の不安を克服できるんだからやっぱり長生きに限るだろう。
「あと40年ちょっとしかないのか」と晩酌ついでに人生の短さを憂いていると、
それを聞いたカミさんが大きなため息をついて家事のいろいろに取りかかった。

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