息子よ・・
約束したではないの・・
母さんの骨は俺も拾うと・・
だから・・
この老母を置いて先に逝ってはならぬ・・
孫の成長だって見届けてやらねばならぬ・・
まだ58歳の男盛りではないか・・
はっきり目覚めておくれ・・
救命室で体を拘束されている時は過ぎたのだ・・
君を愛する人たちのためにもしっかりと覚醒せよ・・
命をかけて3歳だった君を守り愛してきた
この老母の至上命令を聞け・・耳を大きくして・・
今日は面会に行くよ・・
怪訝そうな顔をしないで、母さん!と呼んでおくれ・・
忘れていないよ・・
母さん! 母さんを連れて北陸の旅に連れて行きたいと言ったことば・・
早く帰ってきて・・実行して!・・
毎日、それだけを祈り続けているよ・・
息子よ・・
天に昇るのは母さんが先なのだよ・・
順番を間違えてはならぬのだよ・・