ねぶた家の人々 (ねぶたけのひとびと)

2011年1月5日オープン!青森市文化観光交流施設ねぶたの家ワ・ラッセ公式BLOGです。

祝福 ~北村春一さんのやさしいねぶた学~

2019年01月07日 19時03分12秒 | 日記

皆様こんにちは

ササキングです

 

昨日でワ・ラッセのお正月イベントの大半が終わりました

引き続き、「ねぶたの形展」は14日(月・祝)までやっていますので

ぜひお越しいただければと思います。

 

さてさて、昨日はねぶた面づくり教室がおこなわれましたが、その隣りの会場では

「やさしいねぶた学」がありましたよ~

やさしいねぶた学は青森ねぶた祭に関わる方を講師としてお招きし、

ご講演いただく内容となっております

10月から月1でやってきまして、これまでねぶた師の竹浪比呂央さん、

我生会、北村麻子さんにご講演いただきました

今回の講師はねぶた師北村春一さんでーす!

現在ワ・ラッセに展示中の「西王母の祝福」の制作やちょっとした

プライペートなエピソードなどお話していただきましたよ~

 

今回は青森ケーブルテレビの伊藤一郎さんに進行役をお願いしていました

対談式のやさしいねぶた学となります。

今回もたくさんの方に参加していただきました

ありがとうございまーす

 

さて、まずは題材のお話から入っていきます

「西王母の祝福」というタイトル通り、お祝いの気持ちが込められているそうです。

平成最後の年であるということ、

団体のNTTグループねぶたが運行60周年であるということを挙げていました

NTTさんからは特に要望等はなく、自分が作りたいと思った自信作を

団体さんに提出しているそうです

また昨年の「妖術師 滝夜叉姫」に続き、女性のねぶたが登場したことに関しても

お話していただきました。

春一さん「女性のねぶたは作ってみたかった一つで、意図的に登場させているし研究もしている。

      これまで10台以上のねぶたに女性が登場していますよ。」

伊藤さん「なぜこれほどに魅力的な女性ねぶたが作れるのか?私的に『現代美人』のような

      美しさがあるような気がするのですか・・・」

春一さん「そうですね。昔と今だと感覚が違うと思う。浮世絵とは違う、

      まさに現代美人の感覚で作っている。時代に合わせていますね。」

確かに北村春一さんの女性ねぶたには、まつげがあったりと少し特徴的な部分があります

こうすることによって「(ねぶたが)やわらかくなる」と本人はお話されていました

 

そして今回こちらのねぶたで初めて知事賞を受賞しました

「その時の心境は?」という質問に、

「ねぶた制作の上で、『初めて』はやっぱり記憶に残ると思いますね」と

うれしい気持ちが伝わってきました

そして海上運行について・・・

「船の上で花火を見れたことに感動した。今までずっと悔しかったので。

海上運行賞で海上運行はあったんですけど、自分の実力で(船に)乗れたので

ようやく一つの目標を達成できましたね。(題材通り)私が祝福されましたね(笑)」

(画像:2018年8月7日海上運行の様子 ワ・ラッセ屋上より)

 

ここからはちょっと展示ねぶた以外のエピソード・・・

 

「好きな画家や絵師はいますか?」という質問に対して、

特にないそうですがいろんな資料を参考にしているそうです。

北斎・国芳・暁齋はもちろん、西洋画も参考にしているそうですよ~

 

父のねぶた師北村蓮明さんに関しても

北村蓮明さんがやらないことを意識しているそうです。

ねぶたの話をしてしまうとケンカしてしまうそうですので、

あまりお話されないそうです。

下絵もお互い見せないそうです。

ただ資料の貸し借りはするみたいですよ~

 

伊藤さん「フェイスブックを見たら中国に行っていたそうですが?」

中国には資料集めで行ってきたそうです

本を32冊も買ってきたので帰りが荷物いっぱいで大変だったようです。

日本にない資料がたくさんあるのが良いとのことでした。

買った本を読んで日々研究しているそうですよ

 

またフェイスブック関連で、ねぶたの制作時期にねぶた小屋の見学会を

開催している点にも触れていました

「不定期ですが空いた時間を使ってやっています。

青森市民でも見る機会がなかなかないと思いますので、

現場の空気を知ってもらい、興味・関心を持っていただけたらということでやってます。」

ただ開催できるかはそのときの状況次第なので、

フェイスブックをチェックしてくださいとのことでした

 

「ちなみに次回作はどんな感じになりますか?ヒントだけでも!」という質問では

具体的には言えないですが、年号が変わるので新時代の幕開けに

ふさわしいねぶたを作りたいとのことでした

今後という意味では実在しない動物(龍など)をオリジナルで

やってみたいというお話もありましたね~

 

そして最後に、今年の抱負を語っていただきました

「様式にとらわれない、新しい時代にふさわしいねぶたを作っていきたい。」

 

お話を聞いていると、とても研究家だなと感じました

今後どんなねぶたを制作して私たちに見せてくれるのか

とても楽しみですね

まだまだ面白いお話がたくさんありましたが、

今回の講演は青森ケーブルテレビで放送されますのでぜひご覧ください

また、約1ヶ月後にYouTubeにもUPします

どうぞお楽しみに

 

前回の北村麻子さんのやさしいねぶた学をYouTubeに

UPしましたのでこちらもどうぞ

第50回やさしいねぶた学 北村麻子さん

 

今年度のやさしいねぶた学は今回で最終回となります

また次年度も開催したいと思いますので

よろしくお願いいたします(10月頃から) 

 

ササキングのレポート