竹原信一
なかなか面白い人である。
≪ブログにて、人間豚が食用になっている、自衛隊には『ある金持ち組織』のために工作をおこなう所がある、自民党や民主党の活動資金は麻薬資金である、 特別な遺伝子がある支配者層に人類は飼われている、など数々の陰謀論を主張している。また、「911テロ」が自作自演であると主張するリチャード・コシミズの本を薦めている。 憲法9条については、変えてはならないとする立場である。≫
いやあ、この御仁の言っていることは本ブログの主張と重なってますなあ。リチャード・コシミズ氏の主張の半分くらいは本当だと私も思っている。
阿久根市長に抗議150件 障害者否定ブログ記載 県教委が調査開始
≪今の天皇家はまさしくどこの馬の骨とも分からない家系。昭和天皇が終戦時に国民を配慮した気配は全くない。ひたすら私財の保全にだけ心血を注いだ。≫
こんなことを言うから、一時味方にした右翼も逃げてしまった。現在の味方は公務員に異様な憎悪を抱くニートだけである。当分「ブログだけが頼り」が続くことだろう。しかし、これは「明治天皇替え玉説」かな?
ニートが公務員を憎悪するのは収入がないためである。更に頭が悪い。おそらく公務員試験にチャレンジした奴も多いのだろう。
狭き門といえば医者や弁護士などもある。同じ理屈ならニートが敵視していい商売だが、敷居が違いすぎるのだろう。ニートの話題にのぼっていない。せめて宅建主任に合格するくらいの知能があれば、あたらニートにならずに済んだものを…。
ニートの書き込みをよく見ると、公務員攻撃でもキャリアに対する非難は極端に少なく、地方公務員が主な対象であることが判る。「親近感」を抱いているのかもしれない。
この御仁が物議を醸したのは、以下の事案についてである。
≪・2008年阿久根市長選挙の際、公職選挙法に抵触する可能性のある「ブログ更新」を選挙活動中におこなった。
・2009年1月ブログで、「阿久根市議会で最も辞めてもらいたい議員は?」というテーマで、市議会議員15人全員の名前をあげて投票をつのった。
・2009年4月人事異動で、10人の職員を降格させたが、その時に、地方公務員法で規定されている降格理由の文書交付を行わなかった。
・9月6日には、2008年の市長選で、告示後に対抗候補批判を書き込むなどしてブログを更新した行為が公職選挙法違反に当たるとして、地元警察から事情聴取を受けた。
・2009年4月に市庁舎内に職員人件費の掲示を行い、その張り紙をはがした男性職員に対して市の賞罰審査委員会は文書戒告が妥当と判断したが7月31日付で懲戒免職した。≫
ある意味では「行政庁はここまでムチャクチャができるのか」と感心する。
阿久根市長、張り紙はがした元係長ボーナスゼロ
ではこんな市長を再選させた阿久根市民の民度は極端に低いのか?
結論的には「低い」に決まっている。しかし、同情するべき点は多々ある。
阿久根市
阿久根市は人口僅か2万の過疎の町である。今のままでは1万台に減少するのも時間の問題だ。
こんな阿久根市にとって「公務員」は最大の産業なのである。阿久根市民で公務員になれれば勝ち組である。
旧奄美群島区の例を見るまでもなく、公共事業が死活問題になると、ごとの利害関係が対立を呼び、選挙ごとに戦争状態になる。アフガンやミンダナオ島同様、貧しきが故の戦争である。
阿久根市長に対する異様な支持は、その背景に「負け組」の存在がある。
≪・さらに、2009年2月20日には阿久根市の全職員268名の給与明細を発表した。阿久根市税収20億円のうち17億3000万円が人件費として計上されていることを理由にあげている。≫
この憎悪むき出しの行為は、そのまま負け組の感情そのものなのである。
勝った方が戦利品(市税収)をぶんどれるシステムだ。阿久根市では竹原氏が市長職でいる間は勝ち組負け組の関係が逆転していることにある。
市会議員の大半が反竹原派であることを勘案すると、阿久根市民の複雑な人間関係が見えてくる。
おそらく、阿久根市で公務員や議員になれたのは「富裕層」であったと思われる。過半数を占める「貧困層」はそれに従属的な立場にあった。しかし、富裕層の傲慢が頂点を超えた時「貧困層」が反乱を起こしたのである。貧困層の怨嗟を敏感に感じ取った竹原氏が起こした「小クーデター」。これが真相だろう。
事情が判らない状況で全国のニートが本能的に共感してしまう理由は存在したのである。
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