真相世界(The truth world)

200601探査機はやぶさ 達成率50%


2005年11月27日asahi.comによると、探査機「はやぶさ」が、日本の宇宙開発の歴史に新たな一ページを刻んだ。

宇宙航空研究開発機構は26日夕、地球から3億キロ離れた小惑星イトカワへの着陸に再び成功したことを正式に発表し、表面からの試料採取も「ほぼ確実」とした。ロボットにも使われる日本の得意技術が実を結んだ。プロジェクトマネジャーの川口淳一郎教授は「大きな山を越えた。目標の8割を達成できた」と話した。

はやぶさは、イトカワへ向けて降下を始めた。着陸予定地点は20日に着陸の目印に使うターゲットマーカーを投下した場所に近い。宇宙機構は、別のマーカーを投下すると、はやぶさが二つの目印を見て混乱すると判断。急きょ、マーカーなしで降下させることにした。

26日午前7時前、高度54メートルではやぶさは表面にあったマーカーを認識。午前7時ごろ着陸を果たし、その後、予定通り上昇した。臨機応変な対応がうまくいき、川口教授は「選択の正しさが証明された」と記者会見で振り返った。

はやぶさは練習も含めてイトカワへ6回近づいては離れたが、トラブルが絶えなかった。20日の着陸時には試料採取できなかった。一筋縄ではいかない惑星探査の難しさを浮き彫りにした。

「イトカワから正常に離れたのは、今日が初めてでした」。川口教授が会見の中で小さく笑みを浮かべて言うと、笑いが起こった。

同席した井上一・宇宙科学研究本部長は「宇宙機構は最近、失敗が続き、後ろ向きの話が多かった。この成功は、日本の宇宙開発の追い風になる」と喜んだ。

はやぶさは003年5月9日、鹿児島県内之浦からM-V 5号機で打ち上げられた工学実験探査機の愛称。正式名称は「MUSES-C?」。

自律航行技術とイオンエンジンによる長期間にわたる連続加速の実証と、小惑星のサンプル回収を行う。

2005年9月に小惑星「イトカワ」へ接近し、小惑星のかけらをサンプルとして回収、2007年夏に地球へ戻ってくる。最接近時・小惑星周回時には低重力ジャンプロボット「ミネルバ」を接地させて表面探査を行う予定。ミネルバは当初NASA開発のローバを搭載する予定だったが、NASAが開発を止めたために日本で開発された小型探査機で、重力の低い小惑星表面をホッピングする探査機である。

小惑星へ接近する際には、まずソフトボール大のターゲットマーカーを小惑星上へ置き、それを目印にして近づいていく。ターゲットマーカーの1つには、一般から応募のあった88万人分の名前がごく小さく印刷されている。

「はやぶさ」の名称は、目標へ舞い降り、獲物を取って飛び立っていくイメージからつけられたという。同時に、日本の宇宙開発の祖である糸川英夫(目標となる小惑星の名前の由来でもある)が設計した戦闘機、「隼」にかけているとも考えられる。


打ち上げ当初は2005年6月に対象へ最接近する予定だったが、2003年10月から11月にかけて発生した太陽フレアによって太陽電池の発生電力が低下したため、9月に変更された。


はやぶさには五つの使命があった。(1)低燃費のイオンエンジンで長距離を航行(2)惑星の重力を利用して加速(3)探査機の判断で、小惑星に接近、着陸(4)小惑星で試料採取(5)地球への試料回収。どれも将来の惑星探査に欠かせない技術を実験、獲得するのが目的で26日までに(1)~(4)が達成できた。
 とはしゃいでいたが、その後試料採取には失敗し、地球帰還も絶望的になった。冥王星探査衛星を打ち上げたアメリカとは実力的に雲泥の差があることは否めないだろう。有人衛星を打ち上げている中国にも完全に追い抜かれた。


なおイトカワは日本の小惑星探査機はやぶさの調査対象。1998年にアメリカのLINEARチームが発見した。発見時の仮称は1998SF36。その後日本の小惑星探査機MUSES-C(のちのはやぶさ)の調査対象に選ばれた。MUSES-C打ち上げ成功後、LINEARチームに頼んで日本のロケット開発の父、糸川英夫博士にちなんだItokawaを正式名称としてもらった。

小惑星 糸川(NAOニュース)

イトカワは地球近傍天体(NEO:Near Earth Object)と呼ばれる天体で、周期的に地球のごく近傍まで接近する。公転周期は地球と共振関係にあり、1.5年。つまり、地球が太陽を3周するあいだにイトカワは2周する。地球から見ると3年に一度接近してくることになる。公転軌道は楕円形。自転周期は12時間程度、長径500mのジャガイモ型。

イトカワは2004年6月26日に地球から約200万キロまで接近する。イトカワに向かうはやぶさは2004年5月半ばに一足先に地球スイングバイを終えてイトカワに航行している。

 


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コメント一覧

FF
日本とアメリカの技術の差
結局この企画は目的地に到達しただけにとどまり、期待された隕石持ち帰りは失敗に終わったようだ。アメリカは今度は冥王星をねらっているらしい。景気のいい話だ。
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