唐突に黒川氏が都知事選に名乗りを上げたが、その真意は慎太郎の策謀のようである。
黒川氏は慎太郎のオリンピック誘致までは極めて親しい間柄で、思想的にも近かった。つまり、お仲間である。それが誘致問題で意見が対立し、溝が深まり、遂に誘致反対を訴えて都知事選出馬。
いかにも嘘っぽい設定である。慎太郎がオリンピックのデザインを黒川氏以外の人物に依頼したのに腹を立てて、私怨で立候補した、とでも言うのだろうか?
常識的にあり得ないだろうし、そもそも「東京オリンピック」などただの口先だけのアドバルーンであることくらい、識者の間では常識になっている。川内康範氏と森進一氏の諍いでもあるまいし、まさか黒川氏が認知症になったわけでもなかろう。
ということは考えられる事は一つ、慎太郎の後方支援である。ご存じのように慎太郎の尻は完全に火がついており、人気はがた落ちである。民主党がまともな候補者を立てれば当選間違いなしという情勢である。
しかし、現実には民主党は呆れるばかりの体たらくぶりである。旧社会党を彷彿させる醜態ぶりである。自民党の長期独裁を許し、日本を救いようのない利権列島にしてしまったA級戦犯が旧社会党であることは疑いようのない事実だが、民主党のやっていることはその後追いである。
「こんな政党に政権は任せられない」という国民の判断は正しいだろう。利権政党の自民党とカルト在日政党である公明党のタッグ以外に政権を任せられる政党が存在しないというのも日本の悲しい真実である。
それでは慎太郎はそんなに慌てる必要はないように思われるが、彼自身自分の凋落ぶりを認識しているのだろう。共産党候補にすら負けてしまうかもしれないのである。共産党を毛嫌いしている連中でも、慎太郎との二者選択を迫られれば、やむを得ず共産党に投じてしまうかもしれない。
十数年前千葉県で似たような事が起こったのである。千葉県は日本でも有数の利権王国だが、絶対確実と思われた現職知事が共産党候補にあわやと言うところまで追い込まれた。かろうじて再選を果たしたものの首の皮一枚の勝利だった。そのときの状況も中央の自民党政権が失政を重ね、国民の怨嗟は頂点に達していた。
したがって、慎太郎も徹底した批判票分散作戦を講じなければならないのである。
どうせ、民主党は候補者依頼を断れ続け、出さないわけにも行かず小物候補を立てるだろうが、慎太郎はそんな奴にも勝つ自信がないのである。
しかし、自民党も間抜けだ。慎太郎を始末する絶好の機会であるのに足並みが揃わない。慎太郎が推薦を辞退してくれたのだから、自前の候補を擁立すればいいのである。桝添あたりで充分勝算はあるだろう。
都知事選は地方選挙にすぎないが、日本の絶望的な政治状況をそのまま反映させている。
どうせ黒川氏はまともな選挙活動などしないだろう。やったら当選してしまうかもしれないからである。
建築家の黒川紀章氏、都知事選に立候補へ HPで公表
建築家の黒川紀章氏(72)は21日、東京都知事選について、「石原氏が立候補を辞退しなければ自分が立候補する」との考えを示した。石原知事はすでに出馬を表明しており、事実上の立候補表明となる。「石原氏とは親しいが、議会無視、側近政治、無意味な五輪招致など目に余る」などと理由を語った。
黒川氏は同日、ホームページ上で「15の公約」を公表。無所属で立候補するが、どの政党でも推薦は受けるとしており、当選しても任期は1期のみ。無給で務め、公用車などは使わないという。
(参照)
黒川紀章wikipedia
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