みんなの僧

24で僧侶になり54で住職になるまで夢や悩みを聞き続けて30年。

三浦按針と徳川家康

2012-12-12 18:55:45 | 日記

横須賀にリスペクトする先輩住職がおられる。

J寺のH住職。奥方と住職修行のおり、同じ班で修行させて頂き その縁で ご主人のH住職と仲良くさせて頂いている。

H住職は日本テレビの敏腕プロデューサーで、芸能界にも詳しく 中でもホリプロさんとは社長を始めとしたお付き合いが有るらしい。

そんな流れもあり、H住職の発案、ホリプロプロデュース、小泉純一郎元首相の肝いりで 舞台劇「家康と按針」と言う劇が出来た。
昨夜 初演があり見てきた。
按針とは横須賀、三浦半島逸見地域の旗本領主の三浦按針の事である。

一旗本と家康の話し、関わりあいが「舞台劇」になるまでのことか?と思うが、実は按針、三浦按針はイギリス人なんである。

日本初、世界初の武士であり 最初で最後の「青い目のサムライ」である。

本名はウィリアム・アダムス

日本領海内で難破して、助けられたものの、投獄されていた所を徳川家康に才気を見初められて、武士になるだけではなく旗本に取り上げられた。

家康は天下統一後の日本国、日本を取り巻く状況、世界の中での日本を正確に掴む為に、スペインやポルトガル、オランダなど当時の列強だけではなく それらに対抗するイギリスの見方や知識を得たかったのだろう。

H住職のJ寺は その三浦按針の菩提寺なのだ。

家康に認められ、引き留められ、寵愛されたが、按針さんウィリアム・アダムスにはイギリスに残してきた妻や娘がいた。

帰国したくても帰国許可を国主である家康が認めなかった。

引き裂かれる思いの按針さんの心境こそ、この舞台劇の描きどころだ。

信憑性を持たせるためか、グローバルな時代だからかほんまもんの外人が多数出演していた。外人がセリフを言えば日本語字幕が入るし、日本人が喋れば英語字幕がステージ上に出た。
だから、視点が定まらず忙しい鑑賞だったが、頭を回転させながらの観劇もオモしろかった。

関ヶ原から大坂城での決戦。徳川幕府成立時の日本と世界を学びつつ、当時の世と運命に翻弄された一人の青い目のサムライの人生に感じ入るものがあった。
グローバルと云われながら、アメリカに隷属化された政治家や官僚たちより、毅然とし凜とした武士たちの方が国際外交に勝利していたのかも知れんなーと思いつつ帰途についた。

内容が内容だけに会場には外国人ビジネスが目立った。

彼らは どう思ったんだろうか?

三浦按針と徳川家康の出逢い話しは「ショーグン」になり、ラストサムライのベースにもなった。
今週の金曜日まで、青山劇場でやっている。

たまには観劇もよろしおます<(_ _)>