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映画「ペンタゴン・ペーパーズ」 メリル・ストリープ&トム・ハンクス

2018-04-08 18:01:29 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を映画館で観てきました。


メリル・ストリープとトムハンクスの超一流俳優の共演をスティーヴン・スピルバーグが監督する映画となれば、だれもが必見であろう。1971年ベトナム戦争が厭戦となっていた時代のアメリカで名門ワシントン・ポスト社の社主と編集主幹が報道の自由をめぐって政府に反発する姿を描いている。

メリル・ストリープとトム・ハンクスの軽めの長まわしシーンでの会話を聞いて、この映画ちょっと格が違うと2人のベテランのトークの掛け合いに引き寄せられる。「スリー・ビルボード」「シェイプ・オブ・ウォーター」も確かに傑作だが、この映画は実録物として違った意味での魅力を感じる。


いきなりCCRジョン・フォガティーの歌声が聞こえて1966年のベトナム戦線での地上戦の場面が出てくる。アメリカ国務省の本省からダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)が戦況を確認に現地地上部隊に同行している。報道とは反してベトコンゲリラ部隊に苦戦を強いられている姿を見てきた。帰りの飛行機の中で戦地を視察していたアメリカ国防長官マクナマラ(ブルース・グリーンウッド)に地上戦の戦況はよくないと報告する。しかし、マクナマラは帰国後の記者会見ではそうは言えない。

数年後のある夜。政府系シンクタンクのランド研究所に勤務するエルズバーグは、ベトナム戦争の経過を記録した機密文書をコピーする。トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンと4人の大統領政権にわたって隠蔽してきたベトナム戦争に関する事実が記録されていた。

名門ワシントン・ポスト社の社主キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は経営基盤が安定することを意図してニューヨーク証券取引所上場を目指していた。一方で編集主幹のベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は購読者を増やすためのネタを探っていた。ライバルニューヨーク・タイムズの人気記者ニール・シーハンの最新記事がでないことを気にしていた。若い社員に潜入させ、特大ネタをつかんでいることを確認した。するとニューヨーク・タイムズに、何者かがリークした文書の一部が記事になることがわかる。しかし、ニクソン政権は連邦裁判所に、ニューヨーク・タイムズの記事の差し止め命令を要求する。


ワシントン・ポストの編集局次長のベン・バグディキアン(ボブ・オデンカーク)は、以前、ランド研究所に在籍していて、リークしたのが元同僚だったエルズバーグであることを突き止める。やがてバグディキアンは、文書の全文コピーを手にいれるのだが。。。

1.厭戦ムード
この当時思春期に入り始めていた自分はロックに目覚めた。ビートルズから入って、すぐさま当時流行のニューロックのとりこになる。ブラスが基調のシカゴは大好きだった。そのシカゴは「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」とか反戦のメッセージが強い曲を当時つくっていた。そんなころを映し出した映画の一つが「ディアハンター」である。現地での北ベトナムとの激しい戦闘と主人公が捕虜になってからのロシアン・ルーレットのシーンは極めて気味悪く、クリストファー・ウォーケンの不気味さが印象に残る。戦闘に駆り出される前に故郷で長い壮行会のシーンには若き日のメリル・ストリープも出演している。

そんな独特のムードが立ち込める。ヒッピー風長髪の若者が騒ぐ姿を映し、新聞の印字や公衆電話など小道具を使って時代の古さを示す。日本でも学生運動のいやらしさがギリギリ残っていたが、実際に戦争に若者を送り込んでいるアメリカとは緊張感が違う。

2.グラハム女史の葛藤
ニューヨークタイムズが記事差し止めの裁判所判断を受けている。今回秘密文書を入手した後で、法的問題がないかどうかワシントン・ポストの顧問弁護士を呼び出す。もしこのネタが同じ出どころだったらダメだといわれる。下手をすると逮捕される可能性もあると。しかし、報道機関としてのワシントン・ポストの存在感を示すために編集主幹ベン・ブラッドリーは記事にすることを主張し、編集がされていない秘密文書を短時間で整理して記事にまとめる。経営幹部はニューヨーク証券取引所に上場したばかりで、万一経営に影響があると困るので記事にしてほしくない。輪転機は待機している。


そこでキャサリン・グラハム社主に伺いをたてる。この映画の一番の見どころである。そこから始まる一連の動きは映画を見てのお楽しみだが、さすが大女優という貫録を感じる。今回エンディングロールのクレジットの順番が気になったが、さすがに先輩に敬意を表してかメリル・ストリープトム・ハンクスより先だった。当然だろう。あとはスピルバーグは相変わらず子供の使い方がうまい。
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