映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

しとやかな獣  若尾文子

2010-06-05 04:50:01 | 映画(日本 昭和35年~49年)
「しとやかな獣」は若くして亡くなった川島雄三監督による若尾文子の代表作と世間で言われる作品だ。でも観てみると若尾文子がたいして活躍しているわけではない。団地に住む伊藤雄之助、山岡久乃の詐欺師まがいの夫婦の振る舞いが中心だ。その息子と娘も両親と同様の体質で、お互いだましだまされながら生きている社会の底辺を描いた作品だ。

伊藤雄之助と山岡久乃が住む団地に息子の会社の上司である高松英郎が訪れる。会社の経理係の若尾文子も帯同している。夫婦の息子が集金したお金を使い込みしてしまった。親に責任持って返せと高松が怒鳴り込んできたシーンからはじまる。
うちの息子に限ってこんな悪いことをするはずがないと両親はいうが、会社の集金した金の流用は両親もわかっていた。確信犯である。親も一部を懐に入れ、息子は女に貢いでいた。
その手の話がずっとつづく。息子と女性事務員である若尾はできていた。若尾文子は身体を武器にして、男から金を巻き上げる。でもそれは息子だけではない。会社の上司の高松ともできていた。そして貯めたお金で旅館を開店させることになっているが。。。。

この時代の若尾文子は悪女が得意だ。
でも正直おもしろくなかった。傑作という人がいるが、どうかと思う。しかも非常に不快な映画だ。
だらしのない人たちを描いていて、この当時の社会ってこんな程度だったのかなと思うと気味が悪い。昭和30年代半ばとなると、まだ戦後のどろくささが残っていて、社会的なモラルが崩れていたのかもしれない。自分が生まれたときの日本は泥臭かったんだ。

観ていて気分が悪くなった。最低の人物像ばかり映したのだと思うけど。。。

ただこのころの若尾文子は確かにきれいだ。夏物の着物を着こなす姿が粋で素敵だ。
「女は二度生まれる」の方がもう少しマシな気もするけど。。。。。

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