習志野湾岸9条の会

STOP戦争への道 9条を変えるな

憲法審査会(4/3,4/4)③

2013年04月07日 | 憲法審査会
今回は高田健氏(許すな!憲法改悪・市民連絡会、9条の会事務局員)の傍聴記です

4/3参院憲法審査会
春の嵐の中、20人ほどの仲間と一緒に傍聴した。前回に続いて参院は「2院制」問題だが、前回は委員の自由討議、
今回は加藤一彦氏と加藤秀治郎の2人の加藤さんという大学教授を参考人に招いての参考人質疑と、形態に変化を持たせた。
一彦氏は2院政を前提にした立論で、改憲志向の秀治郎氏は一院制論者。秀治郎氏は首相公選論は批判したが、全体として
トンデモの論者。質疑では民主を代表した小西幹事が立憲主義の歴史に触れ、国家権力の乱用を制限しようとしたものだと
確認し、衆参「ねじれ」状況を秀治郎氏のように「国政のマヒだ」というのはいかがか、と批判した。社民党の福島委員は
立憲主義の大事さを確認しながら、2院制を支持した。自民党の委員も2院制に反対ではなく、その活用を主張、公明党は
2院制を前提に両院の役割分担を主張した。みんなの党と維新の会は衆参ねじれ解消のためにも1院制を、と主張した。
この2つの党派が改憲のために2院制批判を声高に展開した。
4/4衆院憲法審査会
23人の仲間と共に傍聴した。衆議院は9時開会なので、朝のラッシュアワーのなかを苦労して国会にたどり着く人もいる。
傍聴もなかなか容易ではない。本日は第5章「内閣」というテーマなので、「首相公選」問題は、みんなの党と維新が言い
立てるので多少議論になったが、全体として議論は低調だった。自民党の岸信夫委員は公選制に消極的な理由を
「天皇を象徴とするわが国で首相公選制はなじみにくい」と述べた。
後半になって自民党の衛藤委員が自らの属する「96条改憲議連」が以前、130名の議員の連名で国会に99条改憲案を出したのに、
国会の機関承認の「慣例」で、議案として受け付けられなかったことを、「こういうこっとは許せない、改めるべきだ」と発言したこと
から議論が相次いだ。共産党の笠井委員が「それは民意がそうなっていないのにあえて改憲案を出そうとしたことに問題がある」
「かつて社会党の上田哲議員が提訴したときの判例もある」などと指摘すると、衛藤氏があれこれと食い下がった。問われた
衆議院法制局の事務局も、問題があるなら、議会が議論し決めたらいいと突き放した。自民党からは突然、内閣法制局批判もとびだし、
議論が交錯した。もう、バトルロイヤル状態です。衛藤委員も、なぜ自民党の執行部が承認しないのかの問題を考えなくてはならない。
民主内の問題でしょ。
途中、自民党の高鳥修一委員が、みんなの党と維新の会の委員に「首相公選制」の主張について、もう少し詳しく説明せよと、いくつかの
問題を挙げて迫ったら、暴れん坊の維新の会の馬場伸幸委員は「会長にお尋ねしますが、こういう委員間のやりとりは許されるのか」と、
さも答えたくなさそうに質問。会長から「以前もやっていた」といわれると、しぶしぶ「私たちの党派自民党さんのようにまだ議論が確立
されていないので、お答えできない」と発言。惨めなことだ。内容のなさを露呈した。みんなの党も同様だった。これらの若い議員は発言
だけはメモを棒読みでやるが、中身がほとんどないので、議論ができない。こんな連中が枯れ木も山で「改憲、改憲」とかまびすしいのは
何ともやりきれない。
これらの議論のやりとりについては共産党の笠井委員が「この審査会の議論は、公明党の赤松委員などの提案で憲法がどのように実現して
いるのかを検証するために始められたはずだ。いまのように改憲案をめぐっての議論が進められることに納得できない。幹事会で議事の
進め方をきちんと議論せよ」と釘をさしたのは当然だ。
なお、ひとつ、笑える話があった。本日は国務大臣の任命問題が主題と関連して論じられたが、議論に終わり頃、保利審査会長が「ただいまの中で、
会長として申し上げておきたいと思いますが、国務大臣の任命というのは、あくまでも天皇陛下のお仕事であります。総理大臣が任命する場合には、
各省庁における役割、大臣の役割を総理大臣が決めるということでありまして、国務大臣の任命は天皇陛下がおやりになるということは間違いない
ようにしておきたいと思います。」などと、とんちんかんなことを言い放った(第6条、7条。天皇は国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
天皇は内閣の助言と承認に基づき......国務大臣......を認証する)。皆、「おかしなことを念押しするものだ」と皆ぽかんとしていたようだが、
後で保利氏、事務局の忠告で「先ほどの私の発言の中で、一部間違っていたところがございますので、おわびを申し上げて、訂正をさせていただきます。
天皇陛下が任命をされるのは、内閣総理大臣お一人でございます。それで、そのほかは、内閣総理大臣が各大臣を指名し、そして、それに基づい
天皇陛下が認証をするという形になっておりますので、ちょっと誤解を生んだかもしれませんが、おわびをして訂正をいたします」と謝罪する1幕があった。
この人の天皇主義的な頭の固さはほとんど確信犯だが、以前、同氏の、「おそれおおいことでありますが(天皇陛下)」発言は本欄で紹介した。
最後に保利会長は次回は4月11日と宣言した。あらあら、毎週やる気だね。(高田健)

※本当にこんな問題意識の低い人たちが憲法を変える論議をしている事自体がおかしい。
 残念にながらこの問題をメディアを始め護憲派も積極的に報道しない。監視すべき所か役割を果たしていないのが現実。
少なくとも私たちは現行憲法は勿論、改憲阻止のために自民党憲法草案を徹底的に勉強することが必要と考えます。
 様々な勉強会が開かれていますがそれも大事ですが自分自身がそれぞれの方法で勉強し行動することが重要と思います。
このブログでも引き続き憲法審査会の実態と自民党改憲草案の問題点を自身の勉強のために継続していきます。     K