一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

ガイコツギャグ

2022-03-05 18:29:11 | 映画
その男は、なんと顎が落ちてしまった。


これは、昨日『金曜ロードショー』(日本テレビ系列)で放送された『リメンバー・ミー』(2017)でのワンシーンだ。「死者の国」に来てしまった少年ミゲルは、ガイコツ姿の彼のご先祖様たちと一緒に「死者の国」の入出国ゲートへ連れてこられた。そこで入国係官に、「(生者の国から)持ってきたもので申告するものはあるか」と問われた。そこでパパ・フリオ(ミゲルの曽祖父)が「実はこれなんですけど」と申し訳なさそうに、「生者の国」から来たミゲルを差し出すと、係官は驚きのあまり下顎が落ちてしまった。


このシーンを観たとき、笑わずにはいられなかった。こんなことは、ガイコツにしかできないからだ。『リメンバー・ミー』は、上映時間内に登場する舞台の9割近くが「死者の国」だ。そのため、登場人物のほとんどはガイコツだ。ガイコツは、人間には出来ないことが平気でできてしまい、それが観客の笑いを誘っているのだ。昨日観ていたときに、思わず笑ったガイコツたちの仕草はこういうものだ。


・驚く→顎が落ちる、目玉が口の中に落ちる(ヘクターがやっていた)


・何かに思いっきりぶつかる→体がバラバラに飛び散る(そして、勝手に元に戻る)


・自撮りする→自分の頭だけ外して撮影


あくまで一部だが、現実世界ではまず起きず、さらには不気味で気持ち悪いことばかりだ。しかし、そういった非現実的なことだから、却って面白くなり笑ってしまうのだ。しかも、本来なら恐怖の対象となるガイコツが、気味の悪い行為をしているのに、怖くなっておらず、むしろ楽しい気分にさせるのだ。


かつてディズニー作品の『シリ―・シンフォニー』シリーズで、『ガイコツたちのダンス』という作品があった。夜中の墓地でガイコツたちが暗い音楽に合わせてダンスをする、という内容だが、はっきり言って怖すぎる。たしかに、ガイコツたちが音楽に合わせてコミカルに動いているが、ガイコツは保健室にある人体模型と同じで、素っ裸で味気ない。さらに音楽が暗すぎるので、コミカルに動いていても不気味で怖いのだ。またディズニー作品に限らず、ガイコツはホラー映画には必ずと言ってもいいほど登場し、観客を脅かしてくる。


しかし『リメンバー・ミー』は、ガイコツから恐怖を取り除き、ポップさと親しみやすさを入れてくれた。ガイコツばかりが登場する同作は、多くの国で上映され、さらには米アカデミー賞で2冠を達成する等、多くの人々に愛された作品となった。こういったガイコツ作品は、後にも先にも『リメンバー・ミー』だけだ。


ちなみに、「死者の国」で家族再会の案内所の事務官、ヘッド・クラークの日本語吹き替え版は、『ワンピース』のブルック(ガイコツの音楽家)役でおなじみのチョーさんだ。既にガイコツ役を演じていたチョーさんのクラークの吹き替えは、どのガイコツ役のキャストよりも上手に聞こえたのは、気のせいだろうか。


ニモで熱くなる人たち

2022-03-04 18:33:25 | キャラクター
その2人は、いつになくヒートアップして言い争っていた。


5年ほど前に放送された『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系列)内で、MCのマツコ・デラックスがダブルMCで関ジャニ∞の村上信五に、最近ピクサー作品の『ファインディング・ニモ』(2003)を初めて観たと報告した。


すると村上が、「ニモ」を間違ったアクセントで発音した。そのことにマツコが怒り、「ニモ」のアクセントを巡り、2人は冒頭に述べた場面になった。やり取りはこんな感じだ。


村上:「ニ(→)モ(➘)でしょ?」


マツコ:「ニ(→)モ(➘)じゃない!、ニ(→)モ(→)!!」


村上:「ニ(→)モ(➘)やろ!!」


マツコ:「『ファインディング・ニ(→)モ(➘)』!?」


村上:「『ファインディング・ニ(→)モ(→)』やけど、ファインディング取ったら「ニ(→)モ(➘)」やろ!!」


マツコ:「違うわ!!(ファインディング)取ってもニ(→)モ(→)だよ!!じゃあお前、ド(→)リー(➘)て言うの?」


約5年前のやり取りだが、今もなお2人の言い争いは頭の中に残っており、ふとした時に蘇るのだ。そうなるのも無理はない。「ニモ」のアクセントでここまで熱く言い争った人は、後にも先にもマツコと村上だけだと思う。


そもそもなぜ村上が、「ニモ」のアクセントを間違えているのかが謎だが、そのことに対して応戦するマツコの熱量も凄い。『月曜から夜ふかし』は、人のアクセントの違いにツッコミを入れて大いに盛り上がるのだから、週が始まり憂鬱になりがちな月曜日のガス抜きとなる番組と言ってもよい。


そして、主人公のアクセントで大いに盛り上がることができるディズニー・ピクサー作品は、『ファインディング・ニモ』ただ一つだけなのかもしれない。


明日は『リメンバー・ミー』

2022-03-03 19:42:45 | 映画
明日3月4日(金)21時より日本テレビ系列の『金曜ロードショー』で、『リメンバー・ミー』(2017)が本編ノーカットで放送される。「死者の国」を舞台に、家族の絆を描いた同作は、第90回米アカデミー賞で長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞する等、公開時大ヒットしたピクサー作品だ。


公開当時大学4年生だった自分は、『リメンバー・ミー』が日本で上映される1週間前に、友人と一緒にシンガポールへ行く飛行機の中で観た。残念ながら日本語吹き替え版が無かったため、英語版(日本語字幕付き)で観ることになった。帰国後、劇場に観に行こうと思ったが、わざわ2回観る必要もないと思ってしまい、観に行かなかった。


そのため、石橋陽彩(ミゲル)と藤木直人(ヘクター)が歌う「ウン・ポコ・ロコ」や、松雪泰子(ママ・イメルダ)と橋本さとし(エルネスト・デラクルス)の「哀しきジョローナ」などを聞いたことがなかった。日本での公開終了後、「公開時に日本語版も観れば良かったと思ったが、時すでに遅しだった(さらに、2年前に初放送された際も観ていなかったため、本編を日本語版ではまだ聞いていない)。


そんな苦い思い出のある『リメンバー・ミー』だが、その人気は公開時だけではなく、現在まで続いている。例えば2年前に地上波で初放送された際(この時も『金曜ロードショー』)、11.3%の視聴率を出した。10%が高視聴率の基準とされている現代において、11.3%という数字は十分すぎるとも言える。


また、昨年行われた「ディズニー・オン・クラシック a Magical Night 2021 まほうの夜の音楽会」では、『リメンバー・ミー』がメインプログラムとして取り上げられ、作中の全曲が演奏そして歌われた。


ここで初めて、日本語で作品並びに作中の曲を聞いた。そのため、自分の中でのミゲルの声は吹き替えを務めた石橋くんではなく、コンサート内でミゲル役を演じた歌手の今井実希さん(布袋寅泰の奥さんとは別人)の声なのだ。まだ正式な日本語版の『リメンバー・ミー』を観れていないので、明日の放送は絶対に観ようと思う。


テレビでは高視聴率を獲得し、コンサートでも全曲演奏されるなど今もなお人気を誇る『リメンバー・ミー』。2年ぶりとなる明日の放送はぜひ見て頂きたい。



あざとかわいいミニーちゃん

2022-03-02 19:01:57 | キャラクター
「あざとくて何が悪いの?」。これはパワーワードだ。


これは、テレビ朝日系列で毎週土曜日の21時55分から放送される番組名だ。一般社会に蔓延る「あざとい」行動・言動などを出演者たちが語り尽くすバラエティ番組は、今やすっかりテレ朝の人気番組となっている。


芸能界では「あざといキャラ」で知れ渡っている田中みな実とテレ朝アナウンサーの弘中綾香が、視聴者投稿の「あざとエピソード」をもとにして作られた再現VTR「あざといミニドラマ」を観ながら、「これはあざとい」などと突っ込む姿は、とても信ぴょう性がある。数々のあざとい行為をしてきた2人が言うのだから、間違いはないと思う(2人が本当にあざといかは分からないが…)


しかし、芸能界1、2を争うあざとさのある2人を越える「あざとい女子」がいた。その名は、ミニー・マウスだ。「え、どこが?」と突っ込むのは野暮だろう。ミニーは可愛い見た目ながらも、田中や弘中を越えるほどのあざとさが詰まったキャラなのだ。


例えば、彼女の目の使い方。20年ほど前にテレビ東京系列で放送されていた『TVチャンピオン』(懐かしい)で、「ディズニー王選手権」に出場したミニーの写真を1万枚撮影したミニー大好きおじさんが、彼女の魅力を語ってくれた。


ミニーの虜になり写真を撮るようになったのは、彼女の目が理由だった。ミニーの目は「私を撮って」とアピールしているらしく、それに惹きつけられミニーが大好きになったと言う。「私を撮って」と訴えるミニーの目は、世の男たちを振り向かせるためのあざとさなのかもしれない。


また、ミニーはミッキーフレンズ(ミッキーやドナルドたちのこと)の中で唯一、下着を身に着けているキャラクターだ。ミニーは過去に出演した作品やイラストでは、ほとんどスカートからパンツが見えており、パンちら状態なのだ(パークにいる時はそうではない)。本人は気にしていないように見えるが、もしかすると恋人のミッキーだけではなく、多くの男を惹きつけるためにやっているのかもしれない。


だが、それら以上にミニーが「あざとい女子」だと決定づけるものがあった。それは、1936年に公開された短編映画『ミッキーのライバル大騒動』での一幕だ。ある日、ミッキーとミニーがピクニックをしていると、猛スピードの高級車が現れ、そこに乗っていたのはミニーの幼馴染のモーティマー・マウスだった。モーティマーの紳士的な対応にミニーは心を奪われる一方、ミッキーはモーティマーを敵視し、突っかかろうとするが、軽くあしらわれてしまった。その後色々あってモーティマーは帰り、ミッキーとミニーは仲直りした。



<ミニーの幼馴染のモーティマー・マウス(一番左)>


話はともかく、モーティマーが現れて以降のミニーは、あざとい女子の典型とも言える姿になっていた。高級車を乗り回し、恋人(ミッキー)より高身長で、女性の扱いが上手な幼馴染が現れた途端、急に女の顔を見せ始めたのだ。しかも、恋人の前で堂々と好意を持つ素振りを見せつけ、さらには、ミッキーよりモーティマーへのボディタッチの回数は多くなっている(しかも、パンちらもしている)。


温厚なミッキーがかなりの嫉妬をするほどミニーのあざとさは、田中や弘中を越えるものだと思う。『~ライバル大騒動』時のミニーは、「あざとくて何が悪いの?」と言わんばかりの姿になっている。ミニー・マウスはミッキー・マウスの恋人でありながら、世界で一番「あざとかわいい」女子だった。

<参考ホームページ>
・あざとくて何が悪いの?|テレビ朝日 (tv-asahi.co.jp)

・ ミッキーのライバル大騒動 - Wikipedia

ディズニーファン4月号 おススメ記事

2022-03-01 17:43:26 | 書籍
2月25日(金)、『ディズニーファン4月号』が発売された。『リトル・マーメイド』のアリエルが表紙を飾る今月号は、東京ディズニーリゾートの春情報を中心としたラインナップとなっている。その中で今月特に取り上げたい記事を3本紹介しよう。


まずは、大人気連載の「ディズニー・アカデミー」。今月は不定期で連載されている「メンタル・ディズニー」。東京大学の井筒節(いづつ たかし)教授が、「メンタルヘルス(心の健康)」という視点からディズニー作品を読み解く記事の今回のテーマは、「逃げる」ことの大切さだ。


「逃げる」という言葉はネガティブなイメージを持たれがちだが、井筒教授はディズニーの世界で「逃げる」行為は、物語やキャラクターに貴重な転機や新たな出会いを与えてくれるワンステップでもあると述べている。例えば、アリエルや『アラジン』のジャスミンは、今いる世界から逃れ、別世界に行くことを憧れる気持ちを抱き、それを実行したことにより、新しい人や世界に出会うことができた。


アリエルたちが何かから「逃げる」ことを望む一方、『ライオンキング』のシンバは、自身の行為が父・ムファサの死因だと考え、プライドランドから逃げ、また『アナと雪の女王』のエルサは自身の力を国民の前で露わになったことで逃げ去るなど、困難な状況に追い込まれ逃げたキャラクターもいるのだ。しかし、シンバもエルサも逃げたことが、自身を見つめ直す機会となり、自らの使命のために行動する原動力となった。


逃げることは、新しい出会いを生み、自分の人生を振り返らせ、大切な人に気づき、何かを始めるきっかけにもなるのだ。様々な厳しい状況下の出会いと別れが多くなるこの季節に今月の「「メンタル・ディズニー」は、何か生きるヒントをくれるのかもしれない。


続いては、ディズニーパークにある言葉や文化を学ぶ不定期企画「魔法のディクショナリー」。テーマパークに詳しい同志社女子大学の関口英里(せきぐち えり)教授が、独自の視点でパーク内の言葉や文化を紹介する記事の今回のテーマは、「タワー・オブ・テラー」のぶたいであるホテルハイタワー内にある「オリンピック・レストラン」のメニューだ。


ゲストがアトラクションに乗るまでの間の並ぶ場所に、「オリンピック・レストラン」のメニューが飾られている。ホテルハイタワーのオーナー、ハイタワー三世は世界各地の文化的遺産を収集し、その収集欲は食べ物にまで及んでいた。そのため「オリンピック・レストラン」には「サソリのコンソメスープ」や「グリンピースとシロアリの卵」など、世界各地のゲテモノ…じゃなくて超高級食材をふんだんに使用した料理が出されている。


メニューに書かれた英語を関口教授が分かりやすく説明しており、英語の勉強にはもってこいの内容だ。3月1日現在、「タワー・オブ・テラー」は通常と異なるバージョンで営業しているため、大人気となっている。コロナ渦で入場制限はあるが、混雑が予想されるため、ライドに乗るまで並ぶかもしれない。その際、メニューが飾られている場所を通る際は、この記事に掲載されている料理を紹介してみてはいかがだろうか。不気味な気持ちが高まり、アトラクションの怖さがより増すかもしれない。




最後に、ディズニー好きの著名人をインタビューする「ディズニーファン・ミートゥー」。今月は、『ミラベルと魔法だらけの家』で主人公・ミラベルの日本語吹き替えを務めた女優の斎藤瑠希(さいとう るき)さん。斎藤さんは、「最強歌少女オーディション2014」を経て、ワタナベエンターテインメントスクール、日本芸術高等学園で歌や演技などを学ぶ。在学時、日本芸術専門学校のミュージカル・プロジェクト「HIGH SCHOOL MUSICAL」でヒロインを演じ、卒業後、昨年放送された『ドラゴン桜 第2シリーズ』で生徒役として出演するなど注目の若手女優だ。


ミラベルのオファーを受けた当初、日本語吹き替えの難しさに直面し、悩む日々を送っていた。そこで彼女がとった行動とは何だったのか。さらに、子どものころからディズニーが大好きな斎藤さんのディズニー愛が溢れたインタビューも掲載されている。ディズニーを愛し、ディズニーに愛された若手女優に注目して頂きたい。


来月号の「ディズニーファン」は3月25日(金)発売予定です。


<参考文献>
KODANSHA 「ディズニーファン4月号」,株式会社講談社 2022年4月1日発行