TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

生藤山(しょうとうさん)

2012-01-17 | 写真日記

ラジオのニュースではこの冬一番の冷え込みと報じ、寒さもピークだという。
相模湖からR20に入ると、道路の温度計は気温―1℃だった。
そんな寒い日でも、陽射しの降りそそぐ山は暖かい。
そこで、陽だまりの尾根歩きがたのしい生藤山(990m)へ登ることにした。

 藤野駅前から陣場街道に入り
鎌沢入口のバス停を探しつつ走る。近くに県営の駐車場があるはずなのだが、
場所の確認がアマく分からずじまい。生藤山の道標がある分岐のところに
2台の駐車車両があったので、どうしようか迷いつつもその隣にとめることにした。
狭いけど4台ほどのスペースがある。時刻10:35の遅いスタート。

 

  

登山口に向かって車道を歩いていくと、分岐から20分くらいのところに鎌沢県営駐車場があった。
駐車車両は一台もなくガランとしている。登山者もいないということか、。
山の斜面を利用したお茶の段々畑が多く、ずっと上の方まで民家が点在している。

  

幅の狭い車道はだんだんと傾斜を増していき、左へ曲がるところから勾配はさらに急にになり
ハァハァと息は切れるわ汗は噴きだすわのしんどい坂となる。住んでいる人はタイヘンだろう。
暑いのでシャツ一枚の薄着になってよろよろ坂を上っていくと、左に鎌沢休憩所が見えてきた。

  

東屋とトイレのある休憩所から少し行った先が登山口で、ここから山に入る。

 

杉や竹の樹林が途切れて広葉樹が広がりだすと、一ヶ所眺めのいい場所がある。

 

その先は関東ふれあいの道 
となって、ベンチとテーブルが置かれ、周囲には枯れつつも青い色を残したアジサイが
ふわふわ風にゆれていた。

 

  

そしてその先には真っ青な空から陽射しが降りそそぐ尾根道、
冬枯れの山を歩く醍醐味はこれにあるともいえる。

 

  

やがて山道に桜の木が並び、その奥に鳥居が見えてきた。鳥居をくぐると、杉の大木に
挟まれるようにして小さな祠があった。

 

 鳥居から30分で甘草水に到着。
テーブルベンチが5つほど置かれて眺めもよく、休憩するのにいい場所。

甘草水について 
書かれた立て札があり、その水場が近くにあるそうだがいまは涸れているらしい。

ここから三国山にかけて桜並木がつづき、花見山行にいいルートとなるのだが、
その桜もてんぐ巣病に罹ったことで花の付きが悪いらしい。

 

  

甘草水から杉林の尾根道に入ると軍刀利神社への分岐があり、甘草水から20分で
三国山(さんごくやま)に到着。 桜の木は薄暗い杉林の中にも何本かあって、
そのどれもが元気がないように見えた。

 

三国山(960m)山頂は片側が開けていて展望がいい。
奥多摩、大菩薩、丹沢などの眺めがよく、南アルプスの白い嶺もちょっぴり見えている
けど、逆光気味なので写真には映らず、、。
ここから生藤山へは6分と目と鼻の先、そっちでゆっくりしようと休まず歩く。

 

 生藤山のこじんまりした山頂
標高は三国山より30m高いだけで、展望は枝に邪魔されよく見えないしと、これなら
となりの三国山でゆっくりすればよかったか、、、などと思う。
けれど陽当りは抜群で、枝に囲まれ風もこない、まさに冬場向きといえる。
また狭い頂ゆえに、一人でもゆっくり寛げる気分になれた。
かれこれ18年前にも友人3人とこのピークに立っているのだけど、そのときのことは
何も覚えてない。 「忘れるってのは、いいことだよ。」、、、不意に「男はつらいよ」
寅さんの台詞を思い出し、ウン、そうだね、と頷きお茶を飲んだ。

 

  

山頂からの下りは露岩まじりの急坂で、木の根や枝を掴みながら慎重に移動。
これも山頂直下だけで、あとは陽だまりの尾根道となる。

 

たどる山道からは 
樹間ごしではあるが右に左に山々を眺めることができて退屈しない。

 

  

次のピーク茅丸(1019m)への階段を上がってみた。(ピークを踏まずに行く巻き道もある)
ここも木立が邪魔して展望はそれほどよくない。

 

 茅丸の次は連行峰(1015m)
道標は連行山となっていて、ピークというより平らな通過点。ちゃんとベンチもある。

 

穏やかなトレイルはつづき 
のんびり歩きたいところだが、時刻を見ると14:23で、和田へ下りる分岐まで
どのくらいあるのかわからずちょっと焦る(つд⊂)
登りはじめに単独の若い女性に会った以外は誰にも出会うことなく、山は静まり
かえっていて、こんな日もめずらしい。
日暮れのはやい時期だけに急がねばと、ピッチを上げる。

 

15分くらいして和田バス停と書かれた道標が出てきてやれやれ
生藤山からここまでちょうど1時間だった。

和田の集落へ下りるこの道は石クズまじりの急坂で歩きにくい。
ただ道標はしっかりしていて、その点は安心。

 

  

杉林に入ると道はなだらかになった。歩きながらなんとなくそれまでとは違う匂いというか、
空気が漂っているなと感じたとき、下の方に民家の屋根が見えてきた。
とくに煙が出ているとかではないけど、山中に人が住んでいる気配は濃厚なのかも。

 

  

山奥の一軒家とはまさにこのこと。山小屋でもないかぎりめったに見ない。
山の斜面に茶畑があって、ミカンの木だろうか黄色い実がたくさん生っている。
庭先にスクーターが見えることから、これが山と麓を行き来する唯一文明のアシなのかな?
それにしてもこの山道を往復するのはラクじゃない。
でもきっと、ここでの暮らしは、不便さをはるかに凌ぐ非文明ならではの良さがあるに違いない。

 

  

一軒家から沢沿いの山道を下ること15分、砂防工事によって山道は変更され新しい舗装路を
行くと、真新しい鳥居と社があって、やがて集落が見えはじめ和田に着いた。


車道を藤野方向へ向かうと、 
しばらくして和田の里体験センターなる建物があり、休憩やトイレの利用ができる。

ここ佐野川地区は、にほんの里100選に選ばれていて、傾斜地にはお茶の
段々畑が広がり、土蔵のある家も多く、活気ある里山の風景が見られる。
春を迎えると、桜をはじめさまざまな花に彩られてさぞかし綺麗なことだろう、
車道を歩きながら辺りの景色を見てそう思った。

バスの発着所がある自然公園センターを過ぎると、20分ほどの車道歩きで
クルマをとめた鎌沢入口に到着。県営駐車場にクルマを置いた場合は、さらに
20分歩いてまた戻ってくることになるので、ここにとめて正解だった。

ポカポカと陽のあたる尾根道が気持ちのいい生藤山、
花の咲きだす春にも歩いてみたい山、と同時に桜の木はどうなるんだろうと気になる。。

  


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