TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

檜洞丸 静かな初秋の山道

2013-10-03 | 写真日記

朝晩は肌寒さを覚えるようになった9月下旬、
朝の気温は17℃、降水確率0%の秋晴れということで、丹沢に向かう。

  

お天気いいので、西丹沢自然教室にある10台分の駐車場はすでに満車かと
思ったら、3台しかとまってなかった。平日って、こんなものなのね。
登山届をポストに入れて7時出発。

車道を5分ほど歩いた先にある登山口、つつじ新道に入る。ゴーラ沢出合まで樹林の中を行く
水平な道。滑落事故があったせいか、桟道に手すりが付けられたところが増えていた。

ゴーラ沢出合に来ると、あれ?以前には 
橋が架かっていたのがなくなって、飛び石で沢を渡るようになっていた。手前と奥、二度渡渉して
急階段の登り口に取りつく。ここからが長~い登り。立札があって「この先は急な登りが連続して
遭難事故も多発しているので、自信のないかたはここで引き返しましょう」と書いてある。
そんな危険なところってあったかなぁ~??

 

 途中一箇所展望台なる
ベンチがあって、木の枝越しに富士山が望める。だけど、「展望台」というほどではない、。

展望のない樹林に囲まれた道をひたすら登る。ピストンしたくない面白みのない道。

  

やっと花のお出まし、イワシャジンが一株。滑落現場と書かれた赤テープがヒラヒラする登山道
わきでダイモンジソウを見る。 傾斜のキツイ登山道には、以前はなかったハシゴが架けられて
登りやすくなっていた。

 

  

やがてブナに混じってツツジの木が多くなり、青空がのぞくようになると展望も開けてきた。
新緑の頃には、シロヤシオやトウゴクミツバツツジが咲いて目を楽しませてくれる尾根道だ。
朝陽が射し込むツツジのトンネル、うっすらと紅葉がはじまった葉に光が透過して美しい。
道標の下にベンチがあったので、ひと休み。

 

石棚山分岐を右に、同角ノ頭へ行こうと思って下りはじめ、しばらく行ったところで
時計を見て、う~ん、やっぱ時間がキビシイかもと来た道を戻る。

きょうは富士山がきれい!!

 

石棚山分岐から檜洞丸はわずかなのに、いつもここから山頂までがやけに

つらく感じるのはどうしてか、、。 

 

 

 澄んだ青空はうれしいけれど
暑さが応える、、、ヨイショヨイショ

 

   

陽射しいっぱいの草原にはバライチゴの実が、おひとついかがと赤い誘惑。
けど、バライチゴの実は甘みがないばかりか、生で食べてもおいしくない。
実のそばに、まだ咲いている花もあった。深山苺ともいわれる。

 

  

毛深い花びらのナギナタコウジュやトリカブトが木道わきでコンニチハ。。

 

  

やっとこ山頂(標高1,601m)着11:30、登山者は8人ほどと少ない。女性グループのかたと
記念写真を撮りっ合って、それからでブランチしつつ30分休憩。

 

高度感たっぷり、犬越路へ下る道。おっかなびっくり下ったここも、いまは階段が設置されて
歩きやすくなっていた。だけど、真新しい立札には「犬越路への道は、つつじ新道にくらべて
危険個所が多いので、通行にじゅうぶん注意するように」と書かれている。
うわ~ん(o´Å`)=з ビビるなぁ~ 

 

そして、崩壊した登山道の補修がいままさに行われていて、ヘリで運ばれた資材を
もとに工事が進んでいる。丸太を担いで歩く工事のおじさん。
大変ですねぇと声をかけると、いやぁ、天気よくて富士山も見えて、最高ですよと
笑顔でこたえてくれた。たしかに、こんな気持ちのいい仕事場もそうはないものね♪

ところどころ崩壊がすすむガレ場やザレた斜面が出てきて、ハラハラドキドキしながら
通過。山頂にいた人たちはつつじ新道ピストンで下山する人ばかりで、後ろからは
誰も来ない。落ちたら発見してもらえないんだから、気をつけよっと、。

そんな気の抜けない道がずっと 
つづくなか、登山道わきに咲く花が気持ちを和ませてくれる。

 

咲きだしたばかりのセンブリ、お初の出会いに感激

 

素晴らしい眺めの 
丹沢主稜、何度も足をとめて景色に見入る。

 

 

急にガサガサッと音がしてびっくりしたら、目の前をシカが横切った。
子どもを連れた母鹿で、子どもは好奇心旺盛なのか、立ち止まってこっちをジッと見る。

山でシカを目にするのはめずらしいことじゃないけど、野生動物と出会いはうれしい。
クマさんは例外として、、。

  

何度も立ち止まってこっちを見る♀の小鹿。かたや凛々しい顔立ちのお兄ちゃん鹿。

 

 

  

小刻みにアップダウンを繰り返しながら熊笹の峰へすすむ。

 

    

花の小さいリンドウが記憶に残っていたものだから、ここにきて大きなリンドウを見て
(キキョウくらいの大きさ)こんなに大きいのもあったのだと意外な感じ。。

 

熊笹の峰からはブナ林にシロヨメナが群生して延々とつづいている。
神ノ川分岐を過ぎてからも花はつづき、さぞかし盛りの頃はあたり一面真っ白となって見事ではと思う。

  

日陰の花はまだきれいなのもあるが、全体的には盛りを過ぎている。

神ノ川分岐からは大笄(おおこうげ)への登りとなり、そして小笄へは急でガレガレのやせ尾根を下る。

 

犬越路へとつづく稜線 
大室山がどっしりと大きい。鞍部が犬越路。

カメラをザックにしまい、慎重に下る。
登山道は鎖場とガレた尾根道が交互に展開、コース中で最も集中力が要る箇所。
ヘリで降ろした登山道整備の資材が各所に置かれていたが、ここらへんも歩きやすく
整備されるのだろうか、。
いやらしい急下りも一段落して、やれやれと思う間もなく、こんどは背の丈ほどある笹が
生い茂った道となり、迫る笹を払いつつ閉塞感に苛まれながらすすむ。
しかもこの藪漕ぎがけっこう長くて滅入る。
ハァ~(o´Д`)=з 犬越路はまだぁ?遠いなぁ~と、ひとりブツブツつぶやきながら
一刻も早く笹薮から脱出したい思いでガシガシ歩く。

 笹が一旦途切れたところにイワシャジンを見る。
花を前にぽぉ~と眺め、よくぞこんなところに咲いててくれたと、花に元気をもらう。

蔽いかぶさるように伸びたススキをかき分け、それから間もなくして犬越路へ着いた。
ここにも登山道補修用の資材が積まれている。
小奇麗な避難小屋とベンチのある犬越路、休んでいきたいけれど時刻を見ると16時、
ここから薄暗い涸れ沢をしばらく下らにゃいかんと思うと、日暮れる前に用木沢出合に
着きたい。お茶を一口飲んですぐに歩き出す。

犬越路からは東海自然歩道となるのだけど、初っぱなからまた笹薮で、その後も滑り
やすく歩きづらい荒れた道がつづく。かつて急斜面に作られた丸太の階段は土砂で
埋まり、あるいは流されて散らばり、朽ちている。
ま、だけど、転倒の危険はあっても転がって死ぬことはないので、とにかく先を急ぐ。

    

水音が聴こえてきて、ようやく沢に出た。よかった~まだ明るい(*´∀`)ノ
赤テープのところから向こう岸に渡り、沢沿いの道を行く。

 

思いがけなく出会えたシラヒゲソウ 
疲れを癒してくれる山の花

 

用木沢に沿う道は雰囲気よく、澄んだ流れを眺めながら気持ちよく歩ける。
丸木橋を何度かわたり返し、立派なアーチ橋を通過すると自然教室に向かう林道に出た。
犬越路からのCTを15分はやく到着。なんだ、やればできるじゃないヾ(´▽`*;)ゝ"
疲れた足に自然教室までの車道が長く感じた。

危なっかしいところも多々あるものの、変化にとんだこのコース、
檜洞丸山頂からは眺めもよく、西丹沢の山深さを感じながら静かな山歩きができる。
鎖場やガレ場を下りにとることになるけど、緑と水の潤いに包まれる用木沢がエンディング
となるコース取りは、ヒーリング効果もあってなかなかいい。
ツツジ咲く頃もよかったけど、歩く人が極端に少ないこの時期も捨てがたい。
時間に余裕をもってゆっくり歩けばたのしめる。

ところで、檜洞丸から下山中、ブナ林を歩いていると、なんとなく後ろから足音が
聞こえてくるような気がした。でも、後ろからやってくる人はいないとわかっていたので
ふり返ることもせず、ザックの荷物が音をたてているか、そんな気がするだけだろうと
思っていた。ところが後日、同じところを歩いた人のレポを読んでいたら、誰もいないのに
後ろで足音が聞こえたとあって、やだ、オバケ~~、、、な、ハズないよね。。