不良家

駄文好む 無教養 くすぶり 時々漂流

パソコン「精通」から365日

2006-05-08 20:46:03 | Weblog
ちょうど一年前。一人前に小風邪(重度ではない意味、以下同じ)をひいていて、鼻水があふれ出て困っていた。小雨が小降りの街路にハナミズキの白い小花が咲き乱れていた。
これは花粉症ではない。これはハナミズキ症というんだ。小飲み屋(小料理屋ではない)でこんなおやじギャグをほざいていた小記憶がある。

小家族のなぜか「古戦友」といった関係性の小愚息がいる。先日は横浜で姪の桂ちゃんの結婚式で顔を合わせた。中古の小オペルで送迎されてやった。
披露宴で新郎が生ビールのバックパックを背負っている。畑仕事の除草剤を撒く感じで各テーブルに生ビールサービス。
小愚息がイッキ飲みをしたのに呼応して、小生も小気味よくイッキ飲みをしてやった。
「いい加減に見栄を張るのはやめろよ」小説教をたれられた。

昨年、小愚息が「こどもの日」のプレゼントとしてノートパソコンをくれた。
「余をガキ扱いするのか」むっとした。
「ほら、トシだろ。ま、ボケ対策ということで・・」再度むっとした。

ふん、こんな小道具、おもちゃにしてやる。さっそく小将棋ソフトを仕込んで対局。弱いというか、おばかなソフトを相手にさんざんいたぶってやった。コンピューターって頭脳劣悪だぁ。大々的に罵ってやった。ざまーみろ。下がりおろ。

小生は小古代人だ。IT時代なんて関知しない。アナログで結構。
時代のバスに乗り遅れたって不自由はない。
いずれは南国の海の見える小いなかで朽ち果てる小夢がある。それに、数十年前にワープロに壊滅的挫折の小悪夢がある。刷り込みといってもいい。

・・キミ、これからはコンピューターだよ。ワープロぐらいは習熟しておきなさいよ。
会社ではそこそこの役職に就いていた。社長が「ほれ」と最新鋭のワープロをくれた。
挑戦した。小手調べ。結論として、ワープロなる機器を巨斧で思い切り叩き割ってやる!

書くことは腕力。小腰の小力。いまでもこの小信条は変わらない。
小からだの汗と小あたまの汗。この両者の格闘で原稿を書く。この方式にどうしてもワープロはワープしない。亀田三兄弟の三つ巴殴り合いバトルのようなミスマッチだった。
感度やらスピードが混乱する。思考回路がずれてしまう。

脳みそが腐乱した小蟹みそ。全面ギブアップ。土下座小僧。
神に誓った。従来の手書きで完遂しようと。
無神論者に近い小生としては、手書きのほかに神はなし。パソをコンと斬り捨てた。文字入力と訣別宣言。大文字も小文字もあかんべー。

その後はふらふら丸。フリーランスで出版関係の小仕事をしていた。時流はどうしてもコンピューターだ。
出版元は「今後はフロッピー入稿でお願いします」・・・ささやかな経済活動も失った。

挫折感は怨念に変わった。おのれー、21世紀の潮流め・・。
小丹田に小力をこめて、声にならない小絶叫。小じわが直立。
いまさら小生意気なキーボードを押っぺすなんぞして時代に妥協できるか。冗談じゃねー。
小賢しく小回りをきかせてやってきた小仕事まで奪い取った天敵である。

・・ま、そのおかげで世界中を「超ビンボー小徘徊」「小スモポリタン」を果たせた反転小ラッキー面はあったが。

自分を納得させる論拠をそれなりに小構築した。
 原稿用紙の桝目をペンで埋める。この時、ペンは紙の表面をなぞるのではなく、紙に刻みこむ。フィジカル・アクション!

書くということは、ペンを凶器にして紙の断面を切り裂く。そのなかに自分の全エネルギーを投入して表現となる。
つまり筆圧が、これこそが書くことの根本原則である。
筆圧原理主義。
かくして小生は過激的な筆圧原理主義者として小石像と化していた。

かような小過激派が、パソコンという筆圧ゼロの世界に堕落してしまったのだ。
小笑い、大侮蔑してやってください。
将棋ソフトに飽きたころ、小愚息に入力の練習ソフトなんぞまで与えられた。小生は駄犬か、そのエサの小骨か。とにかく退路を断たれた。

こうなれば小腹をくくるしかない。文字入力にアタックしてみるしかない。
これを「やけくそ原理主義」と命名した。

渋々渋々、ポチポチとキーを叩いた。混乱する小思考回路をなだめすかせて。
なんとかなった。おもちゃになった。
これが365日前の小生の小実情だ。
少年の小ちんちんから小よだれが出た。
☆祝「精通」。

性格的難点に調子コキ、好奇心旺盛がある。調子と好奇のダブル攻撃ですぐさま小愚息やらにEメール。
小波状攻撃として新宿の小BAR「洗濯船」掲示板に投稿。内容はうけ狙いの小暴走スキャンダラスチック。「租チン同盟」結成の小アジテーション。
小物議をかもしたがすっかり小味をしめた。

2,3日で急展開。騎虎の勢いでプログ開店。飛躍的犯罪的成長を遂げることになった。まさにおもちゃに夢中になったガキ、あるいは小猿である。

天才とは自分のような人間だろう。と小屋風小マンションで小豪語していると、「ハイ、サポーター代!」手をさしだす者がいた。
小嫁である。小敵はパソコンの上席ビギナーだった。確かに小サポートをしてくれはしたが、当方を実験台にしていたふしがある。恥ずかしい失敗体験を小生に押しつけて「がははは」と笑ってごまかしていたような気がする。
小犯罪の背後に女あり。

かくして小悪態コキのブログになってしまった。ホントは小人情世話もの路線、小純愛ものといったおだやかな手前味噌風の小日記にしたかった・・なのに店構えは「職業不良家」となった。ねじれよじれ性分は救いがたいものがある。小無頼気取りは治らない。

過激な筆圧原理主義から「やけくそ原理主義」へと変節。小指詰め、いや死罪ものだ。
しかし、小生は無罪だ。
不条理と指弾されようが、すべての責任は小生以外にある。このような「小癪」なおもちゃの横行。小便利すぎて許せない!

「不特定小!数メディア」が簡単に成立するなんて想像もしてなかった・・・。
この際は責任をどこかに転嫁しなければ立場がない。
こううそぶいて歩く道端のさつきは満開。ハナミズキの散った花を彩りに加えて。