たまに顔にいぼができるので、2,3年に一度近くの総合病院へいく。町の開業医でもいいのだが、皮膚科はどこも混んでいるので、待たされる時間に大差はないだろう。液体窒素で取る治療は一日で終わるので、いちばん簡単だ。いつもすいている近所の皮膚科へ行 ったことがあるが、レーザーだったか何か忘れたが、何度か通院しなくてはいけなかったので、もうこりごりと思った。
総合病院で診てもらうのは覚悟が要る。読み物をもって、昼食も病院内でとるつもりで出かける。
受付を済ませて、1時間くらい居眠りなどしながら待っていたら、3メートル隣の、上品な感じの初老の奥様が、看護師に、穏やかながらもきつい口調で
「何時間待たせるの?もう1時間半待ってるのよ。こんなに待つのわかっていたら帰っていたのに! 今か今かと診察を待っていたのよ。待ち時間を言ってくれればよかったのに。」
看護師は
「ごめんなさいね、ごめんなさいね」
とひたすら謝るしかない。 隣に座っていた別の中年女性の患者さんが見かねて間にはいる。
「大きな病院はこんなものですよ。みんな何時間も待つのは覚悟で来ているのですよ」
とやさしく奥様をなだめているが、奥様はそれが癇に障ったか、
「あなた関係ないでしょ!余計なこといわなくていいのッ!」
暫く押し問答が続いて、漸く収まりがついたか、待合はもとの静けさにもどった。看護師さんをチラッとみると涙ぐんでいた、気の毒に。看護師のせいではないのに。真面目でやさしい人なんだね。
あの奥様は、初めて総合病院で受診するみたいだった。大抵の人は半日つぶれる覚悟で来る。だから普段は町の開業医ですませる。必要に迫られない限り、大きな病院には来ない。
この日、私は2時間あまり待って、診察、処置は10分くらいで終了した。早く終わったほうだ。あの奥様のように、いらいらして動物園のトラのように歩き回ったこともあった。今は慣れっこになった。
私がつくったサツマイモ、こんなに曲がるのは、やはり耕し方が足りなかったか。
今年アケビが2個生った。甘いけれど、ほとんど種。
毎日、実家の柿とイチジクの様子を見に行く。イチジクは、熟れるとすぐ蟻が嗅ぎ付けてやってくる。柿は、色づきはじめるとすぐ鳥がつつく。この競争には勝てそうにない。手の届くところにネットをかぶせてみるも、やはりネットの外から食べられた。ネコの手も借りようと、2匹の飼い猫を外に出してやり、鳥が来たら追い払って柿の番をするように命令しておいたが効果なし。