石川ひとみ
あの坂の道で 二人言ったさよならが
今もそうよ 聴こえてくるの
また眠れなくて ひとり窓に寄りそえば
今日も星が とてもきれいよ
あなたのもとへ いそいそと
季節の花を かかえては
訪ねたの あれはまるで 遠い夢のようね
あんなに素晴らしい愛が
何故に今はとどかないの あなたのあの胸に
あの駅を降りて そうよ坂をのぼったら
あなたの家 見えてくるのよ
もう知らない人住んでいるの あの部屋は
窓に咲いた 花もないのよ
きらめくような ひとときを
あなたと生きて 来たことを
これからも忘れないわ いつも胸に抱いて
あんなに素晴らしい愛が
何故に今はとどかないの あなたのあの胸に
あなたのもとへ いそいそと
季節の花を かかえては
訪ねたの あれはまるで 遠い夢のようね
あんなに素晴らしい愛が
何故に今はとどかないの あなたのあの胸に
さて、問題です。
みなさんは「想い出」という言葉から、どんな色を想像されるでしょうか。
う~ん、人生いろいろですから、想像する色もいろいろでしょうが、やはり多いのは「セピア色」って答える方が多いかも知れません。。
セピア・・・
セピアって、白っぽくて、軽くって、ふわふわとしたアレ?
ハイハイはい奥様、それは「ネピア」で~す。(笑)
あれっ、その奥さんの横で、「ソイヤ、ソイヤ」って、相槌を打ってる人、なんのマネでしょうか。
ああ、それはセピアじゃなくて、一世風靡セピアじゃありませんこと?(笑)
ちなみに、セピア(sepia)は、ギリシア語の「甲烏賊(イカ)」を語源として、そのイカの墨から作った絵の具の色、つまり黒褐色か、暗褐色、または黒茶色です。
ところで、古い昔の写真には、茶色っぽいセピア色の写真があることを、ご存知ですか?
えっ、実家のタンスの奥にあった、お母様の女学校時代の写真で見たことがありますって?
はいはい、ご自身の写真は、もうすでにカラー写真になっていたということをおっしゃりたいのですね。
はいはい、ハナシを続けたいので、異議申し立てせずに、そういうことにしときましょう。(笑)
さて、誤解されている方も多いと思いますが、セピア写真というのは、白黒写真が色褪せてきて、セピア色になったものではありません。
確かに、白黒写真が、茶色ぽくセピア調に変色することがありますが、これは、白黒写真に含まれていた銀粒子が、空気中の硫化水素によって硫化されて、
硫化銀となって変色するせいです。
ほんとうのセピア写真というのは、フィルムも専用のがあり、暗褐色の単色で印画されたものです。
さて、セピア色は、古くから、哀愁をそそる色として用いられ、カラー映画になっても、想い出シーンを強調するための白黒場面への転換の橋渡しに
セピア色が使われています。
ところで、日本におけるデジタルカメラの売上額が、2000年(平成12年)に、それまでの一般的なカメラとして普及していた銀塩フィルムカメラを
上回りました。
デジタルカメラは、色情報も電子データとして保持しますから、圧縮などの変換をしなければ、理論的には、色褪せることはありません。
ただ、幸か不幸か、人の記憶はデジタルではありませんから、過ぎた日の想い出は、時間(とき)の経過とともに、かならず輪郭がぼやけ色褪せてきます。
そして、想い出たちは、色褪せていき、セピア色になるからこそ、懐かしく想い起こせるのかもしれません。
想い出が、もし、デジタルビデオの画像のように、忠実な映像として再生されるものならば、おそらく人は目をそむけ、それを封印したくなるかもしれません。
もっとも、デジタルカメラなどの画像も、簡単に白黒やセピア調に変換することが可能ですから、これからは想い出たちも、すぐセピアに変換されるのかも。
便利になったものですって言っていいのか、どうかですが。
ひとつひとつは、まぶしい輝きなのに、木々の葉に見え隠れする木洩れ陽はやさしいです。
そんな木洩れ陽のような想い出たちのセレナーデ・・・
一時代を、桜のように咲いて桜のように散っていったアイドル天地真理さんの最後のヒット曲「想い出のセレナーデ」のカバーでした。