花降る雨の日に

去る3月26日、IRLドライバーのポール・ダナ（パノス・ホンダ）が開幕戦の決勝前ファイナルプラクティス中、スピンしたクルマに激突。病院に搬送されたがまもなく死亡した。享年30歳。IRLには参戦2年目、これからという開幕直前の悲しい報せ。
そして、4月2日、全日本ロードレース開幕戦のもてぎで、ST600クラスに参戦する加藤直樹選手がファーストアンダーブリッヂ手前の5コーナー立ち上がりでハイサイド転倒、ヘリで病院に搬送されたが亡くなったという。享年34歳。合掌。
加藤選手のことは、125クラスにJhaレーシングから参戦していた頃に観ていた。最近はライディングスクールの講師なども務めていたという、レース参戦歴は10年選手のベテランだった。

レースを知っているひとは、レースが危険を伴うことを理解している。
レーサーもスタッフも、観客も、腹の底では覚悟している。何時か起こり得るかもしれないことを。そして、決して起きないと信じて、起こらないために、起こさないために、あらゆる努力が払われる。
それでも、起きてしまった不幸に、ただ黙祷を、
願いは虚しく、心は千々に、想いは遥かに。
それでも、走りつづける彼等がいるから、見届けよう。
彼等とともに、今を走り抜けた命に、祝福を、
雨空いっぱいの春の花を贈ろう。