かめのこうら (お引越し)

それは愉しい記憶だった

土曜日の筑波で、懐かしいひとに会った。何年か前のインテグラ・ワンメイクシリーズで表彰台の常連だったひと。結婚を期にレースは止めたけれど、それまで勤めていた会社を止めて、現在はクルマ関係の仕事をしているという。なので遠慮無く、縁石の使い方やらS字の走り方なんかをレクチュァして頂いたりと、楽しい一時を過ごしてしまった。
お友達の友人というだけの顔見知りだったが、kouraは彼のレースを見てハコのレースが好きになった。そう云っても過言ではないくらい、彼の走りはエキサイティングで楽しかった。ちょっと最後の詰めが甘く?て優勝は逃したけれど、確かシリーズ2~3位くらいの成績だ。
それまでは、ずっとずっとずっとフォーミュラが好きだった。何故だか判らない。子供の頃から、それは美しい特別なものだった。一番最初の出会いは、葉巻型のRS272?一葉の写真記事。
それから国内のF2、F3000、昼下がりの日曜日、TV画面に映るフォーミュラマシンを眺めているだけで幸福だった。他にも色んなレースがあった。Cカーやル・マンにもワクワクした。ただ、市販車ベースのいわゆるハコのレースは魅力を感じなかった。なにか、泥臭い無法な?イメージで。
だからサーキットに通い詰めるようになった頃も、GTもS耐も観戦はしていたけど、あまり興味はなかった。今もあまり分かってはいないけど。
そんなkouraが、ハコのレースの面白さを初めて見付けたのが、アルテッツァとインテのレースだった。アルテはマシンの挙動がまず面白い、インテはとにかく恐ろしく速過ぎる。どちらもマシンに振り回されるレース、そんな感じだった。そんなジャジャ馬を乗りこなすのに必死なドライバーの、マシンとの格闘やライバルとの攻めぎあいが面白かった。
元は峠の走り屋だったかもしれない彼が、本当に上手くて速かったかはよく判らない。当時はただ、思い切りのよい彼の走りに、一周毎に突っ込みが上手く行ったと喜び、立ち上がりで詰められたといっては悔しがり、並びかけるマシンに競り勝ったといっては狂喜乱舞の思いでフィニッシュを待った。単純に、それは本当に愉しいゲームだった。幸せなレースの記憶だ。
彼の走るレースを見ていて、二十数台の同じマシンのなかで、自然に目に付いて存在を主張する、大きく見えるマシンというのがあるんだな、と初めて気がついた。
それは速いからでもあり、上手いからでもある。躊躇なく滑らかに加減速するマシンの無駄のない挙動は、見事に綺麗だ。引き付けられる程美しかったし、印象深かった。同じマシンで何処で差をつけるか、どうすれば勝てるのか、そんなレースの見方を教えて貰ったと思う。
ワンメイクレースの幸福な時代の記憶だ。

ワンメイクのアルテッァレースは昨年で終了し、インテグラも今年で終わる。来年はどうなるんだろう。
それはともかく、今年で最後のインテグラシリーズ、どうか鮮やかで美しい、記憶に残る最後のシリーズになって欲しい。
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