wakuwakuなエトセトラ

出来ればこのブログで、読書の経歴と韓流ドラマの変遷を残しておきたいと思っています。

金原(かねはら)ひとみの「マザーズ」

2012-08-18 09:04:50 | 読書日記
   


金原ひとみはまだ若いのに、と思う。
それなのにこんな色々な経験を描ききっているのは、たとえ疑似体験だとしても、色々な人生経験を積んでいるのかと思う。
やっぱり書くというのは大変なことだと感じる。

この小説は3人の同世代の女の人を主人公として展開する。

土岐田ユカ 小説家 ドラッグに溺れる経験あり。子供一人。離婚して再婚し、お腹に子供をもうけるが、離婚した相手とまだ逢瀬を重ねている。

柏崎五月 モデル 子どもがいるのに、不倫をし、その相手との子どもを儲け、離婚することを決意するが、流産する。決心がつかないまま時間が流れるが、保育園の送りで目を離したすきに、子どもを交通事故でなくす。その悲しみを共有することで、旦那さんとの寄りを戻し、また子どもをつくろうと前向きに考えられる。

中山涼子 専業主婦だったが、子どもを儲けたことで、子どもの世話を一身に請け負うことにどうしよもならない苛立ちを感じ、虐待に走ってしまう。旦那さんはとても理解を持って受け止めてくれ、協力的にはなったが、やはり止められずに手を出してしまう。
結局児童養護施設に子どもを預けて、夫婦で週一回の面接を欠かせない。でもまだ、引き取る決心はつかない。

最終的にはこうなったが、紆余曲折を経ての結果だ。