マガジンひとり

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巻き添え食ってたまるかよ

読書メーター #5 — 1日外出録ハンチョウ、ほか

2018-01-31 20:09:09 | 読書
これらの仮想通貨売買は相当の顧客資産が膨らんでからでないとコインチェック社は現物の暗号通貨の仕入れを行わない仕組みになっているようで、仮想通貨市場が盛り上がり売買高が上がれば上がるほど、またスプレッド(取引所が投資家から受け取る手数料)が競争に晒されているBTC以外のマイナーな暗号通貨(この場合、NEXなど)を取り扱えば扱うほど、安い価格で仕込みたい顧客のニーズに応える形で収益化が可能になります。また、このノミ行為が疑われる期間は、当然現物の暗号通貨はコインチェック社のウォレットに入っておりませんので、顧客は資産保全のために自分の買ったはずの暗号通貨を引き出しコールドウォレットなどに入れることができません。

(中略)定番のBTCなどは既存の大手取引所との競争が発生してスプレッドが取りづらい反面、これから盛り上がると期待されるマイナーな暗号通貨は大きな値上がりを期待する消費者に支えられるため、広告宣伝をして煽るほどに高いスプレッドでも許される高収益ビジネスに化けるのです。一獲千金を狙いたい消費者は、すでに多くの参入者の入っているBTCではなく、得体のしれない無価値に等しいNEMなどのアルトコイン各種を高率の手数料を支払ってでも「大人買い」することが合理的な相場環境だったと言えます。 —(山本一郎「コインチェック社『持ってないコインを消費者に売る』商法と顛末」YAHOOニュース1月30日より)



マガジンひとり @magazine_hitori 1月29日
アフィ目線つーのもあるのか…( ̄∀ ̄)
>コインチェックとザイフがアフィ還元たけーから人多いと思う。コインチェックは国内にしては取り扱うオルトコインの種類が多いのも強いのよね

書肆マガジンひとり @publisherMH 1月29日
コインチェックとザイフはアフィ還元率が高い(ので詐欺に近いのかも)。なるべく黙って楽しみたいけど、ついつい有吉のラジオの「ニワカは語る」みたいに…(;´Д`)

次郎丸(´・_・`)哲戸 @_Jiro70 1月29日
某お騒がせ社の社長の住所が、4年前の南麻布戸建の1R間貸しから、白金1RのRC→渋谷コンパクトSRC→REITレジデンス→財閥系高級サービスアパートと不動産賃貸すごろくを駆け上がる姿を登記簿で確認してニヤニヤしてしまった

津田大介 @tsuda 1月30日
産経は読売朝日日経と比べて圧倒的に新聞本体の営業利益が少ない。ほかと違って不動産事業も新聞本体から切り離され赤字を親会社のフジテレビに補填してもらいながら辛うじて新聞出し続けてる状況。取材費もないからフェイク上等ネットソースでPV目当てのネット記事量産して小銭稼ぐしかないんだよね。




先日お送りしたネットフリックス映画「健康って何?」におけるヴィーガニズムと呼ばれる菜食主義が、肉食を敵視する理由として、そもそもサルのような果食動物を直接の祖先とする人間の身体は、肉食に適さないということがある。

野菜や穀物を食べる動物の腸はたいへん長い。消化に時間がかかる。いっぽう肉食動物のそれが短いのは、早く消化しないと肉類は腐ってしまう。ので長い腸を持つ人間が肉食すると、腸内環境が悪くなって、老化を早めたり生活習慣病の原因に。それ以上に説得力があるのは、肉食動物が得ている蛋白質などの栄養も、元はといえば草食動物が食べた植物に由来する。人間ならば植物から摂った方が効率的なのではという。

見方を変えれば、野菜や穀物は消化に時間がかかるので、肉食動物は、草食動物を通してそれの栄養を得ることで、時間を節約しているのではないか、草食動物を犠牲にして。いわば時間を食べている。フェイスブックのザッカーバーグって、悪いやつだ。2ちゃんの西村の、もっと大きい。うっとうしい広告が表示されないよう、フェイスブックの有料版サービスを提供するということは決してない。無料サービスで客をたくさん集めることを優先し、広く薄く広告料で儲ける。いわばカモの時間を食べて、お金という栄養に換える。

電通が支配するテレビも同じ構造だ。番組制作の資金を出し、合間の広告で釣って商品を買わせるのは非効率だが、中央集権で莫大な人数が見るから、十分に引き合う。コインチェックの騒ぎも同じ。広告やアフィリエイトでカモをたくさん集め、搾取・詐取する。肉食動物は本能でそれをやるのに過ぎないが、人間は言い訳を必要とする=相手がバカだから俺の養分にされても当然。FBやアマゾンやグーグルが粛々とスマートに、再生産を意識して改善も怠りなくそれを行うのに対し、電通や自民党をはじめ日本人は官僚化しているので、集められたカモが既にあちこちかじられて、もう鼻血も出ないとしても、いつまでも同じやり方=既得権にしがみつくに違いない—



よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 (KCデラックス ヤングマガジン)
いしい さや
講談社

いしいさや/よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話/講談社KCデラックス・2017
「さやちゃん、私たちには復活と永遠の命が約束されているけれど、そもそも動物たちは人間のために造られたから、その特権はないんだよ」。狂気の選民思想。ここに列せられるためには、集会や奉仕への強制参加、学校行事や誕生会への不参加、体罰、自慰や婚前交渉の禁止など多くの縛りが。エンデの時間貯蓄銀行とも似て、信徒(とくに女と子ども)を思考停止した奴隷ロボットとすることで「エホバの証人」の教団が存続繁栄する仕組み。特異な宗教の話にとどまらず、欧米人主導の金銭や市場経済に対して、われわれはもっと警戒感を持たねばなるまい


1日外出録ハンチョウ(1) (ヤンマガKCスペシャル)
萩原 天晴
講談社

福本伸行ほか/1日外出録ハンチョウ・1/講談社ヤンマガKCスペシャル・2017
人間は現状に満足し、疑問や問題意識を持たなくなると、成長をやめ堕落する。多額の仮想通貨流出で渦中のコインチェック社長は「安全なオフィスの中から外の困ってる人を見るカイジみたいな遊びをしてる」と過去にツイートしていたそうなので、おそらく金は返ってこないと知れよう。カイジのスピンオフである本書も邪悪な漫画。地下の強制労働という「構造・システム」を前提として、許された範囲で小さな優越感を味わったり商才を磨く主人公。社畜の投影だろうか。にしても資本主義自体への懐疑を随所に示すナニワ金融道とは絵柄が近くても雲泥の差


サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか
John Rolfe,Peter Troob,三川 基好
主婦の友社

ロルフ&トゥルーブ/サルになれなかった僕たち なぜ外資系金融機関は高給取りなのか/主婦の友社・2007
「投資銀行を辞めて、僕たちが惜しいことをしたと思うかって? 人食い人種がつけ合わせの野菜を食べるのを忘れたぐらいのことさ」が本書の結び。人間を野獣にさせる、食うか食われるかの苛烈な身分制度。アナリストと呼ばれる最下級の一般行員は消耗品で、ほぼすべて早期に退職し、その上のアソシエイト=主任というのは、それでも投資銀行を志願する、倫理を自ら踏み越えた者たちという構造。さらに上へ進めば酒池肉林の毎日にもなる、他人の金で。つくづく、銀行や電通博報堂や人材派遣業を必要としない、もっとスマートな資本主義が望まれる


国が崩壊しても平気な中国人・会社がヤバいだけで真っ青な日本人
谷崎光
PHP研究所

谷崎光/国が崩壊しても平気な中国人・会社がヤバいだけで真っ青な日本人/PHP研究所・2016
豊富な口絵に庶民目線の本なのかなと。が「日本人のように仕事が忙しくて一食抜いたりはしない。冷たいものは食べない。収入からすれば食事にお金をかける。猿の脳みそでも何でも食べて、元気をつけるのである」。全編この調子の粗雑な文章で、したたかで自己本位、副業・共稼ぎ・公私混同、国が崩壊しても生き残る、中国人の乱世への対応力を見習うべきと。おそらく彼女は逆ピーター・バラカン=来日しなければ社会問題はもちろん音楽についてメディアで語れる立場になってない=としておやじ向けメディアに痛言「実力主義の中国社会」する役割かと


労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱 (光文社新書)
ブレイディ みかこ
光文社

ブレイディみかこ/労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱/光文社新書・2017
真っ二つに割れたブレグジットに象徴される社会の分断と政治的混乱。かつての福祉国家はどのように実現され、そして壊されていったか。盛りだくさんな内容で、新書といってもそこはブレイディみかこ、とくに2部に収められた中年の白人労働者階級のインタビュー集が読みごたえある。人生観や政治観はさまざま、しかし労働者としての誇りは共通しており、トランプ支持層や安倍支持層が被害者意識とその裏返しとしての尊大さ・攻撃性に捉われているのとはやや次元を異にするかとも思うが、チャヴと呼ばれ蔑視される若者層の肉声も欲しかった


中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇 (講談社現代新書)
中沢 彰吾
講談社

中沢彰吾/中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇/講談社現代新書・2015
再読。「わざと仕事の手順の一部を教えず派遣労働者が右往左往するのを見て面白がったり、休憩時間に派遣同士が世間話で盛り上がっていたら、ものも言わずにテーブルを蹴られたり、イジメに類する意味不明で不気味な仕打ちがよくある」。おそらく派遣先の正社員も成果主義や長時間労働に苛立っているのでは。後続の東大卒貧困ワーカーでは「中高年への差別」に力点が置かれていたが、本書はより広く精緻に、設備投資・社員の育成よりも安価に使い捨てできる非正規雇用が、将来に暗い影を投げかける「人心のデフレ」をもたらす様子を証拠立てる


電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民
本間 龍
サイゾー

本間龍/電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民/サイゾー・2017
本書が暴く電通の姿は、欧米では企業秘密保持の見地から禁止されている一業種複数の、ライバル企業いずれも広告を担当、またテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4大旧メディアいずれもシェア首位、広告主とメディアの双方ににらみを利かせて支配し増長。新卒採用の半数以上が縁故採用(大企業経営陣や政治家の子弟)で、縁故組の無能さが高橋まつりさんのような優秀な新人を過労自殺へ追いやる面も。根性論で動く体育会的なタテ社会であり、わが国の将来を先食いするブラック企業が、オリンピックの仕切りや憲法改悪の宣伝でまた儲ける。解体が必要


カメントツの漫画ならず道 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
カメントツ
小学館

カメントツ/カメントツの漫画ならず道・1/小学館ゲッサンコミックス・2017
木版画のような画風のカメントツさんによるルポ漫画。「この世って暗いことや重いことだらけ。だからこそ最初にふれる漫画の世界を明るく元気なものにしてあげたい」と、訪問したコロコロコミック編集部にて編集長の弁。で、ホビーやゲームのタイアップ&メディアミックスだらけの誌面となり、子どもは広告の価値観に染められるわけか。先輩漫画家諸氏=あだち充・青山剛昌・西原理恵子=の話も、成功者の自己啓発本というか、出版不況は来るべくして来た感。若い人びとは人生や世の中に対して問題意識をもって粘り強く生きてほしい(説教ごめん)


新装版 アカシアの道
近藤 ようこ
青林工藝舎

近藤ようこ/アカシアの道/青林工藝舎・2015、原著1996
再読。近年メジャー系の漫画はことごとく、また一般的な小説も理解できなくなった。まず入ってゆけない。おそらく(出版不況に見舞われる)媒体・市場への密着が過ぎ、おもねって縮こまってしまったがゆえでしょう。近藤ようこさんの漫画はいまも昔も変らず受け入れてくれる稀有な存在。女は男社会に仕える存在であるという、わが国の社会通念の犠牲となって、憎み合う母と娘。この呪いの連鎖からどう抜け出し、それぞれの人生をまっとうすることができるか。誠実な洞察があり、糧になるが、市場からは「暗すぎる」と言われるのでしょう(;´Д`)


天国に一番近い会社に勤めていた話
ハルオサン
KADOKAWA

ハルオサン/天国に一番近い会社に勤めていた話/KADOKAWA・2017
同じどん底でも、直前に読んだ『この地獄を生きるのだ』の小林さんが短大卒でサブカル好きなど、生活保護の境遇から抜け出せるポテンシャルを端々にのぞかせるのに対し、本書のハルオサンは破天荒の極み。オタクにもヤンキーにもなれないコミュ障で、憧れの警察官になるも半年でクビ、以降底辺のブラックな職場を転々としつつ、管理職になったり、社内恋愛⇒婚約、それも破局し、執筆開始の時点では頸椎?を傷めて無職の身に。しかし波乱の前半生は彼に、ブログで人の心をつかむ人徳をもたらした。小説ではありえない驚異の実録であり人生讃歌です
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