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デビッド・ボウイの287曲と小室哲哉の806曲

2008-11-30 18:47:23 | メディア・芸能
11月4日、著作権譲渡をめぐる詐欺の容疑で、人気プロデューサー・小室哲哉容疑者と広告会社経営・木村隆容疑者、イベント企画会社社長・平根昭彦容疑者が大阪市内で逮捕された。
小室容疑者ら3人は、約2年前に大阪の投資家に対し「小室の著作権806曲分を10億円で譲渡する」と話を持ちかけ契約。その半金5億円を先に払い込ませ、だまし取った疑い。
音楽界の大物が起こした前代未聞のこの一件は、間違いなく日本の芸能史・音楽史に残る大事件だ。
朝からワイドショーで生中継された映像を見た読者も多いだろうが、小室容疑者が逮捕された場所は新大阪のホテル・ラフォーレ新大阪。小室容疑者は、最上階のスイートルームを偽名で予約していたという。広さ90㎡の部屋は1泊9万円。人気絶頂期は、高級ホテルのスイートルームをフロアごと貸し切るなどという贅沢を満喫していた小室容疑者にとって、最後の贅沢だったのだろうか。しかし、逮捕時に彼が着ていたTシャツは、ユニクロのガンダム絵柄の990円のものだった。一世を風靡した大物プロデューサーのあまりにも悲しすぎるシーンだった。(BUBKA1月号)

というかそもそも現在の小室に5億円もポンと支払った「大阪の投資家」という存在に疑問を…。現金で払ったのか。小切手?手形?お金の流れはどんなふうに…。
てなわけで、やっとのことで手に取ることができたBUBKA誌。なにしろ芸能界のダークな部分を腰が引けずに書ける数少ない雑誌である。しかしそれを読んでももうひとつ判然としない。大ヒットを連発して長者番付の上位に顔を出すほど成功、金銭感覚の狂ってしまった彼に近づくさまざまな妖怪たち。さらに香港での事業の失敗や離婚などから急速に逆回転を始めた彼の資金繰りの、最後にダメを押したのは怪しい仕手筋から借りた高利の金だとかなんとか。
そして今も、彼にまつわる利権をめぐって、エイベックスやエイベックスの台頭を面白く思わない旧勢力の暗闘が続いている…。
なにやらかわいそうにも。今月のBUBKAも小室以上にPerfumeとAKB48を大フィーチャー。10年後には(というか今でもオラにとっては)完全に無価値な音楽たちでも、少なくとも小室哲哉は自分の考えでもって作曲してた。中田ヤスタカや秋元康は小室以上にあくどい詐欺師であるが、これから先も逮捕されることはあるまい。諸行無常である。
さて、小室哲哉が悪用しようとしたとされる、著作権のもたらす印税収入にかかわる複雑な仕組み。なにか思い出しませんでしょか。
そ~なんです。あのデビッド・ボウイ氏が1997年に、自身の旧作アルバム25枚・287曲のもたらす利益を債券化してBowie Bonds(ボウイ債)として売り出すことに。当初は金融格付け会社が高く格付けてどこかの保険会社が一括して買い取り、その後に音楽業界に同種のビジネスが流行する先駆けともなったとか。しかしボウイが過去の存在になるにつれ債券の価値は下がり、一時はジャンク債あつかいもされるように。どのみち今も一般投資家が買えるような仕組みにはなってないので、彼の音楽を愛好するオラにとってもどうでもいい話ではある。
ところでボウイ債のことを調べるのに英語版ウィキペディアをあたってみて、ついでに小室哲哉の項目を見てみると、かなり詳細にわたって記述されてるのね。英語ですと部分的にしか意味がわからないので、なんとなくおどろおどろしたB級SF映画っぽい味も。《In the Oricon singles chart of April 15, 1996, he monopolized all the Top 5 positions as the songwriter and producer, a world record.》ですと。
そういやモノポリーって「独占」って意味でしたか。さらに記述の最終章の見出しが「Fraud」となっていて知らない英単語である。「詐欺」を意味するんですって。ほかにも「Alimony=離婚の慰謝料」ですとか、小室さんのおかげで勉強しちゃいました。

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