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「揮発性の女」

2005-01-08 14:52:16 | 映画(映画館)
渋谷シネ・ラ・セットにて、熊切和嘉監督。
夫を亡くし、ひとりガソリンスタンドを経営しながら寂しく暮らしていた中年女性(石井苗子)が、若い強盗犯(澤田俊輔)と出会い、生活をともにすることで自分の中の「女」を取り戻していく...

石井苗子が中年女性のにじみ出る性欲をどう表現するのか興味があった。
しかし、エロというより切ない情感を漂わせる佳品である。
知性と美貌を併せ持ちながら情けないスキャンダルで株を落としていた石井苗子が、田舎町に埋もれようとしていく女性の孤独を抑えた演技で伝える。
ヘタレ強盗役の澤田俊輔も好演。
低予算でもいい映画は作れるということを教えてくれる。

渋谷のド真ん中にもかかわらず劇場というより公民館に近い場所に30人ほどが集まり、上映後に監督と主演2人のトークショーが行われた。
石井苗子は渋い赤のスーツの似合う都会の女性であった。
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