和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

講座参考本⑦

2024-07-19 | 地震
いろいろな地図を広げてみる。

武村雅之著「関東大震災がつくった東京」(中央公論新社・2023年5月)に
首都直下地震の範囲を書いておりました。

「 首都直下地震とは関東地方の南部の
  神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、茨城県南部
  で起こるM7級の大地震を指す総称である。 」(p24)

さてっと、地図です。p21にある地図は
千葉県・神奈川県・東京都・埼玉県・茨城県・静岡県・山梨県
を含む範囲の地図に、震度分布を濃淡で描きこまれてあります。
この地図は、武村雅之氏の本をひらくと同じみの地図なのです。

武村雅之著「関東大震災」(鹿島出版会・2003年)には、p25にあります。
カタログ「関東大震災80年THE地震展」(読売新聞東京本社・2003年)には
その同じ範囲地図に、震度7が赤、震度6が橙色、震度6弱が黄色の色分けで
載せてあります。同じスケールで大阪湾近辺の震度分布図も並べてあります。
見ると関東大震災と阪神・淡路大震災との強い揺れの範囲がすぐわかります。
カタログには「兵庫県南部地震との比較(作成鹿島建設小堀研究所武村・・)」
からの引用とあります。
同じ地図は、武村雅之氏の他の本にも登場します。

 武村雅之著「手記で読む関東大震災」(古今書院・2005年)
 武村雅之著「地震と防災」(中公新書・2008年)
 武村雅之著「未曾有の大災害と地震学」(古今書院・2009年)

はい。地図は一目瞭然で印象鮮やか。
それでは、安房郡の地図はどうか?

「安房震災誌」には、最初にある写真ページの終りの箇所に
「安房郡震災被害状況図」が載っております。
安房郡の各町村名が載っているなかを赤い線で三ヶ所にわけております。
赤の格子柄が「九割以上の激震区域を示す」
赤の横の線が「激震区域を示す」
赤の斜め線が「軽微区域を示す」となっております。
その地域地図を囲むように東京湾・太平洋・君津郡・夷隅郡と書かれている。

はい。武村雅之氏の地図では、
「九割以上の激震地区」と「激震地区」をまとめいっしょにしておりました。武村氏の地図には、そこにM7と表示しております。

この「安房郡震災被害状況図」は、赤で色分けしてあってよいのですが、
各町村名も手書きなので、赤の格子図とで何だか読みにくいなあと
思っておりました。

すると、「三芳村史」(昭和59年9月発行)の震災の箇所をひらくと、
p926に、安房郡役所調査の「安房郡震災被害状況図」が載せてありました。
こちらは、各町村名を活字に置き換えてあり、さらには
黒一色の図なのですが、「9割以上の激震地区」を横線にして
「激震地区」を点々の砂模様。「軽微地区」を斜め横線としありました。
うん。こちらの方が、それなりに分かりやすいと思ってよく見ると、
村名に明らかな間違いがありました。

千歳村を、千才村と活字表記してある。これはいただけません。
白浜(濵)村を、白溪村としてある。これじゃわからない。
太海村は、大海村となっておりました。

三芳村史の、この図はわかりやすくて使わせてもらいたいと思うのですが、
村名を間違えているのが、何とももったいないなあ。

まあ、そんなことを思いながら、あれこれと地図をひらいて見る楽しみ。

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