※グラフは、東京二十三区清掃一部事務組合「ごみ焼却灰の処理及びそれに伴う資源の有効利用等について 検討報告書」等から作成
■ごみ焼却灰の処理及びそれに伴う資源の有効利用等について 検討報告書
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/plan/210717/shiryo3-1.pdf
●この報告書は、一般廃棄物処理基本計画改定検討委員会第3回〔平成21年7月〕の資料として8月31日に公開されたもの。従って、一廃計画策定後にこの報告書の溶融スラグ生産量や予測量の扱いがどのようになったのかはわからない。一廃計画のなかには、具体的な生産量や予測量などの表記はなにもなかった。その報告書の中で、見直し前の前計画の溶融スラグ有効利用量の予測が22年度:20.1万トン、27年度:22.2万トン、32年度:22.7万トンとなっていたので、前計画がいかにごみ量の予測を大きく見積もっていたかがうかがい知れる。
※以下のグラフは、東京二十三区清掃一部事務組合のHPなどで公表されている利用量などから作成。
※「埋立」は利用されずに直接処分場に埋め立てた量。埋立以外は利用者別量
●いくら86%の有効利用とはいえ、その大半は、東京都の新海面処分場(埋立処分場)での「地盤改良材」としての利用である。溶融スラグを混ぜて地盤が改良するなどとはとても思えないが~ その頼みの綱の新海面処分場での利用が平成25年度頃には終了とのことである。
●一組発表の溶融スラグ有効利用率の考え方は、大田工場の溶融スラグを除いているようだ。大田の溶融スラグは「有効利用をすることを前提としていないから」ということであった。なんだかおかしな話しである~
●とにかく利用した履歴はしっかりと記録して管理してほしい。この先どんな問題が発生するかもしれないので。だからあまりあちこちばらまかないでほしい。
■ごみ焼却灰の処理及びそれに伴う資源の有効利用等について 検討報告書
(一部抜粋)
(4)スラグ有効利用における課題
スラグ有効利用促進に向けた取り組みは、スラグ有効利用が始まった平成15年度から平成19年度までは有効利用量・利用率ともに増加してきました。しかし、スラグ有効利用については以下の課題があります。
① 埋戻材としての利用
スラグを埋戻材として使用した工事箇所を後日再掘削した場合、発生したスラグを再生処理する施設がなく、産業廃棄物として埋立処分しなければなりません。一方で土の再生利用が進み、スラグが代用できる砂の需要が減っています。また、スラグの利用に適した水路の埋め戻しなどの工事が減少しています。以上のような事情から平成19年度の利用量はピーク時の半分程度まで減少しています。
② アスファルト混合物骨材への利用量
アスファルト混合物骨材への利用は、JISの制定など有効利用に向けた条件整備が進んでいることから今後最も有望な用途であり、現在7区が区道舗装等に標準的に利用しています。しかし、平成19年度における有効利用量は約4千トンで全有効利用量の約6%であり、今後の利用拡大を最大限見込んでも絶対量があまり多くありません。
③ コンクリート二次製品用骨材への利用
コンクリート二次製品用骨材への利用もJISが制定され、有効利用環境は整備されつつありますが、以下の課題があります。
・ 製造工場が23区内にないためスラグの運搬距離が長くコストがかかる。
・ スラグ入り製品と標準品の別々の生産・販売は製造業者の新たな負担となる。
・ スラグを配合しても製品のJIS規格が取得できることの周知が進んでいない。
④ 地盤改良材としての利用
現在、最大の利用用途である新海面処分場の地盤改良工事は平成25年度頃には一旦終了する見込みであり、この用途への有効利用は当面見込めなくなります。
スラグが年間を通して安定的に生産されるのに対して、土木資材の需要は年度や季節により大きく変動するため需給調整が難しく、また、毎年10万トンを超える量の土木資材の継続的な需要先の確保は容易ではありません。今後とも利用先の確保に向け積極的に働きかけていく必要があります。また、品質の向上や一時的な大口需要にも応えうる態勢として、ストックヤードの整備等を図っていく必要があります。
以上報告書から
●ということで、中防不燃ごみ処理センター第一プラント休止後に溶融スラグのストックヤードの整備となっている。しかし「スラグ有効利用における課題」~難問山積である。江戸川区の人も報告していたけど、埋戻材として使用して、掘り返して産業廃棄物として処理するのだから~本当にお金がかかるのだ。そこまでして使ってなにが有効利用なのだか~
関連(本ブログから)
■23 区 ごみ焼却灰の処理及びそれに伴う資源の有効利用等について
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/f26d95a109e99f30fe2954d63e83fa8b
※「ごみ焼却灰の処理及びそれに伴う資源の有効利用等について」より作成
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