東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!

溶融スラグの品質管理と主灰・飛灰処理について/中防灰溶融施設

2009年01月31日 13時45分38秒 | 東京23区のごみ

表は「スラグの埋立処分に係わる判定基準」と「スラグの安全性に係る品質基準(JIS規格)」の比較

■スラグの埋立処分に係わる判定基準と安全性の品質基準(JIS)の違いは~

●1月30日開催の「第3回サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会」の席上で、自分が大きな勘違いをしていることを知らされた。

■スラグの埋立処分に係わる判定基準と安全性の品質基準(JIS)はなにが違うの?もちろん、基準値が違うのは上記表の通りであるが試験方法も違うのだそうだ。「実証確認実施報告」に掲載されているスラグの溶出試験と含有量結果はJISの試験方法で行った結果ではないそうだ!!
 これまでに発表された、「廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告」の中で、灰溶融施設を併設している工場に関しては分析結果に「スラグ」の項目もあり、重金属の溶出試験と含有量が報告されている。判定基準を「埋立処分に係わる判定基準」で見て「すべて基準を満たしているので問題なし」としていることは気がついていたが、「スラグ」に関してはJISの品質基準に係る試験方法での分析結果だと思いこんでいた。ところがそうではなく、「実証確認実施報告」で報告されているスラグの重金属分析結果は、「埋立処分に係わる判定基準」に係る試験方法で分析しているので、それをそのままJISの安全基準にあてはめて云々とは言えない~~ということであった。
 そもそも、「埋立処分に係わる判定基準」は溶出試験だけであるようだが、わざわざスラグに関しては溶出試験と含有量まで報告しているので、てっきJISのものだろうと疑いもしなかったのである。
 が、しかし~ よく考えてみると、ほとんどの項目が、JIS基準より埋立基準の方が桁違いに緩い判定なのだから、試験方法もJISのほうがより厳しいであろうことは想像できる。と言うことは、これまで報告されているスラグの重金属分析結果は、JISの試験方法で行えばもっともっと重金属の数値が高くなる可能性もあるということだろうか…(平成19年度前半の軒並み多くの施設で重金属の溶出基準等がオーバーしているのはJISの試験でまちがいない事実であるとのことは確認した。) 
 どちらにしても、「埋立処分に係わる判定基準」を満足することは当然として、スラグの有効利用という23区の方針に従って、JISの安全基準に係る試験結果の公表は必要だと思う。

■東京二十三区清掃一部事務組合のスラグに関する品質管理
○JIS安全基準(溶出試験・含有試験)の検査は、月に1回外部の検査機関に出している。
(サンプル採取の場所は一組が指定し採取作業は運転委託会社が行っている)
○JIS安全基準(溶出試験)の検査は、中防灰溶融施設内で23区の灰溶融施設すべてのスラグについて、週1回自主検査を行っている。
○外部機関の検査結果と自主検査結果とで常にクロスチェックをして品質管理をしている。
○埋立基準に関する判定に係る検査は、3ヶ月に1回外部の検査機関に出している。
○スラグのストックヤードの関係で、週1回の自主検査の結果で、有効利用(新海面の埋立材などとして)に回すか、廃棄物として埋め立てている。(当然、JISの基準はオーバーしていても埋立基準はクリアしているもの)
※上記に関しては委員会終了後と昨日も電話で再確認をした。さらに「スラグの品質管理実施要項」を重ね合わせると、より品質管理のイメージが明確になってきた。
★追記(2009/02/04)おおまかなスラグの品質管理と現状は理解したので、これまでに至った経緯や、今後の大まかな方向性など再度一組に問い合わせてみた。気になっていた内部検査についてもいろいろ聞いてみたら~分析機関間の精度・データ誤差等はダイオキシン類測定でもよく聞くが、内部の自主検査ではJISの基準より厳しい数値で合否を判定しているそうだ。
■「スラグの品質管理実施要項」
検査体制
(1)公的機関検査と自主検査の実施体制の基本

品質管理方法の考え方
(1)公的機関検査合格後、1ヶ月間(4週間)を同一ロットとする。ただし、自主検査で基準値を超過した時点で、別ロットとし、次週に公的検査を実施する。
(2)公的機関検査が不合格の場合は、次週に公的検査を実施する。
(3)分析機器の故障等の理由により、自主検査が実施できない場合は、公的機関検査を行う。
★基準値以下から基準値以下までの間に生産したスラグのみ、有効利用を可とする。

●東京二十三区清掃一部事務組合「溶融スラグ(人口砂)」パンフレットには、備考として「溶出試験は、平成15年環境省告示第18号(JIS K 0058-1の6を準用)に定める方法に準じたもの。含有試験は、平成15年環境省告示第19号(JIS K 0058-2)に定める方法に準じたものとする。」となっている。「溶融スラグ利用促進に関する方針」の中での試験方法の「JIS K 0058-1の5」と違っているので、正確なことはわからないが…

●どちらにしても、スラグの安全性に係る品質(JIS規格)管理も溶融スラグの埋立処分に係わる管理も、それぞれ法令やJISの規則を遵守した試験回数、試験方法、サンプル採取をしているのは当然のことであろうが~

●東京23区の灰溶融施設の運転管理は全て民間委託である。平成20年度からは溶融スラグの安全試験外部検査も委託会社がサンプル採取から外部機関への依頼も全てやっているとか~ 直営と委託のメリットデメリットはそれぞれあるのだろうが、今の一組体制では残念ながら直営が全ていいとはとても言い切れない。東京都清掃局の時代の清掃事業とはもう全く違う。各区からの出向(?)職員は出たり入ったりで、じっくり専門的に技術職に就くわけではないのだろうし~繰り返し募集されている求人情報(工場長や技能職)を見るたびに~ そして委託部分と直営職員の混合運転の清掃工場でどんなことが起きているのか~ ここまでくるとなにが望ましいのかは素人にはわからないが、委託にしろ直営にしろ全ての総責任は一組にあり、それは23区の責任であるということ。はっきり言えることは、事業を委託するにしろ試験結果がどのようにされるかも最終責任は全て一組にあるということである。

●何とも、東京二十三区清掃一部事務組合のHPでも「スラグの重金属等に係る試験結果(月別)」の公表も平成18年度でストップしているし、いちいち最新の試験結果を情報開示請求で取り寄せなくてはならないというのも残念である。

●もう一つは、中防灰溶融施設に飛灰を入れずに主灰単独処理についても~
本ブログ2009年01月15日
■中防灰溶融施設、飛灰は入れずに主灰単独処理か?
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/71e9496ce8bbeddb6a06e4de27fabab3
●同じく、「第3回サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会」の席上で、「中防灰溶融施設に飛灰を入れずに主灰単独の処理を行っているのか?」の私の質問に対し、「そのような事実はない」との答えであった。これもまた納得できずに、委員会終了後と昨日も再確認をしたが、平成20年度の運転実績から主灰と飛灰の処理量を教えてくれたので、まちがいなく混合溶融はしているのであろう。溶融施設によって主灰と飛灰の割合は異なるのであろうが、中防の場合は主灰約76%に対し飛灰24%の計算になった。(板橋の場合は、焼却主灰を約60%と焼却飛灰を約40%の割合で混合して溶融とのこと) どちらにしても、23区の溶融施設は50%程度の稼働率のようだから、当初の全量溶融計画も破綻して、かなりの量が溶融できずに主灰は埋立、飛灰はキレート処理で埋め立てられているのはまちがいない事実である。「実証確認結果の確認等検討委員会」の中でも、試験的に主灰の単独溶融テストを行ったことにふれたが、清掃技報第8号にでていたのでその概要を転載する。23区の溶融処理技術検討委員会の中でも報告されている。

清掃技報 第8号 平成20年(2008年)
★主灰単独溶融について(テスト実施) 
宮本佑介 内山孝志 石川義朗(板橋清掃工場)
板橋清掃工場の灰溶融施設(交流アーク式、90トン/日×2炉)は、焼却主灰を約60%と焼却飛灰を約40%の割合で混合して溶融を行い、溶融スラグを生成している。
調査目的(5項目)
(1)塩基度調整剤未使用影響調査
投入灰中のCaO:SiO2比(塩基度)が高いと融点が高くなり、結果として耐火レンガの損耗が激しくなる。そのため、塩基度調整材(珪砂)を使用し塩基度を規定以下(当工場では1.0以下)として管理している。主灰の塩基度は0.7~1.2、飛灰の塩基度は1.5~2.5であるため、主灰のみを溶融する場合には塩基度調整材が不要であることが期待できるかを確認する。←主灰単独溶融では塩基度調整材を使用しないで溶融出来ることがわかった。
(2)スラグからの鉛(Pb)溶出の影響調査←長期にテストを行うことで多数の試料から判定する必要がある。
(3)溶融飛灰発生量の調査←溶融飛灰発生率は約13.5%となり、飛灰は主灰よに比べて2.6倍溶融飛灰になりやすいことがいえる。
(4)排ガスダクト清掃負荷への影響調査←数ヶ月の単位での実施が必要である。
(5)溶融原単位への影響調査←主灰単独溶融による電力源単位への影響はほとんど無視できるものといえる。
主灰単独で90t/日の処理をするのは、設備の改造が必要となる。

●長くなってしまったが~
あまりにも、「実証確認結果の確認等検討委員会」の席上で私が、溶融施設や溶融スラグの不具合について発言するものだから~ 一組側としてはなんだかもっとしっかりと施設管理をして溶融をしなくてはの叱咤激励をしていると受け取られたようで~「私は、けっして焼却や溶融をしてほしくて言っているわけではない」と念押し発言をした。これまで溶融施設に投じた経費を無駄にしたとしても、今後かかる維持管理コストや危険性などを考えると、早々に破綻して閉鎖した方が将来的にはいいような気もする。これは理屈抜きの感覚としてだが、どうして燃え残った灰までさらに燃やす(溶融)のか、それも中防などわざわざ乾いた灰をさらに湿らせて運びそれをまた乾燥させ~そしてそのプラントも欠陥だらけで~考えるだけ頭がおかしくなりそう~このことはまたの機会に~

●「第3回サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会」の報告は、すぐに資料や会議録も公開されると思うので~~ 

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