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平成21年度廃棄物処理施設からの水銀等排出状況調査業務報告書/環境省

2012年02月28日 20時26分42秒 |  PCB/DXN類など

環境省ホームページより

■「平成21年度廃棄物処理施設からの水銀等排出状況調査業務報告書」平成22年3月 東京テクニカル・サービス株式会社[PDF 2,230KB]
要   約
(略)
 本業務報告書は、我が国の廃棄物処理施設における、水銀、鉛及びカドミウムの排出実態を把握することを目的として実施した調査結果を取りまとめたものである。
 調査対象は、環境省が指定する10ヶ所の廃棄物処理施設(一般廃棄物処理施設等)について、水銀、鉛及びカドミウムの3項目を、排ガス(処理前後等)及び排水(処理水)、焼却灰等(焼却灰・飛灰)を試料採取分析し、当該施設からの排出実態を調査した。
 試料採取及び分析方法については、JISまたは環境庁告示に定められた方法に準じて行い、一般的に考えられる定量下限値を下回る精密分析を行なった。
 本調査における調査結果、
排ガス(処理前)で
 鉛が、最大300~最小0.072 mg/Nm3、 カドミウムが、最大4.8~最小0.0030 mg/Nm3、
 水銀が、最大0.35~最小0.0019mg/Nm3。
排ガス(処理後)で
 鉛が、最大0.031~最小く0.0001 mg/Nm3、 カドミウムが、最大0.0030~最小く0.0001 mg/Nm3、
 水銀が、最大0.033~最小0.0003mg/Nm3の範囲にあった。
排水は、
 鉛が、0.001mg/L、 カドミウムく0.001mg/L、
 水銀がく0.0005mg/Lと全ての検体が検出下限値を下回った。
焼却灰で、
 鉛が、最大1700~最小64 mg/kg、 カドミウムが、最大15~最小0.97 mg/kg、
 水銀が、最大0.07~最小く0.01mg/kgであった。
飛灰で、
 鉛が、最大1800~最小13 mg/kg、 カドミウムが、最大570~最小2.4mg/kg、
 水銀が、最大13~最小0.21mg/kgであった。
溶融飛灰で、
 鉛が、最大23000~最小1400mg/kg、 カドミウムが、最大330~最小34 mg/kg、
 水銀が、最大2.3~最小0.040mg/kgであった。
溶融スラグで、
 鉛が、最大210~最小31 mg/kg、 カドミウムが、最大4.2~最小2.4 mg/kg、
 水銀が、く0.01mg/kgであった。
溶融メタルで、
 鉛が、最大340~最小290 mg/kg、 カドミウムが、最大8.9~最小2.1 mg/kg、
 水銀が、く0.01mg/kgであった。
 今回調査した10施設については、排ガス処理施設としてバグフィルターを設置しており、集じん灰(飛灰)として金属類を捕集しており、排出ガスとしての濃度は低濃度であった。排水については、施設内で排水処理装置にて浄化し冷却水などに再利用しているため排出量は少なく、灰汚水などに含まれる金属は、凝集沈殿され汚泥とし焼却炉で処理されるため、排出水中の金属を検出することは出来なかった。焼却灰については焼却炉内温度が1000℃近くであっても塊状に溶け、焼却残渣として残っていると考えられた。飛灰は、金属類を高濃度に含んでおり、特に溶融飛灰は焼却灰等に含まれる金属を再加熱しているため濃縮され高濃度が検出された。飛灰処理については、キレート剤を混ぜて埋立処理を行なっていた。
 調査した施設の、水銀、鉛及びカドミウムの排出は、環境基準と比較しても極めて微量なものであり、焼却灰等についてもキレート処理などの対策が行き届いており環境を著しく汚染するとは考えられい。今回調査した規模の焼却施設においては、水銀、鉛、カドミウムについての環境汚染の心配は少ないと考えられた。

1.調査の件名
平成21年度 廃棄物処理施設からの水銀等排出状況調査業務
2.調査の目的
 国連環境計画(UNEP)では、2001年(平成13年)より水銀及びその化合物を対象として地球規模での汚染状況を把握するための水銀アセスメントを実施し、その結果を受けて汚染防止のためのUNEP水銀プログラムを2003年(平成15年)から実施した。2007年(平成19年)2月に開催されたUNEP第24回管理理事会では、さらに、水銀の世界的な需要と貿易に関する報告書、鉛及びカドミウムによる地球規模での汚染に関する報告書を踏まえて議論が行われた。また、2009年(平成21年)2月に開催されたUNEP第25回管理理事会では、これまでの議論を受け水銀規制に関する議論を行うための政府間交渉委員会(INC)及びその準備会合の設置等に関する決議が採択された。今後はこの決議に基づいて条約の詳細に関する議論が開始される予定である。このような状況を踏まえ、我が国の廃棄物処理施設における、水銀、鉛及びカドミウムの排出状況等の実態調査を行い、体系的な整理を行うものである。
3.調査内容
 環境省が指定する10ヶ所の廃棄物処理施設(一般廃棄物処理施設等)について、当該施設からの水銀、鉛及びカドミウムの排出実態に係る実測作業を実施する。
3.1調査地点
茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の市町村・組合の10施設
3.2調査期間
 平成22年1月22日~平成22年3月31日
(略)
6.まとめ
 調査した施設の、水銀、鉛及びカドミウムの排出は、排ガスについては、国で定めている基準値(鉛で10mg/Nm3、カドミウムで1.0mg/Nm3(1部の施設のみ規制))を満足しており、極めて微量なものであった。排水についても、環境基準(水銀で0.0005mg/L、鉛で0.01mg/Lで、カドミウムで0.01mg/L)を満足していた。焼却灰等についても溶融処理や、キレート処理などの対策が行き届いており環境を著しく汚染するとは考えられい。今回調査した一定規模以上の焼却施設においては、水銀、鉛、カドミウムについての環境汚染の心配は少ないと考えられた。
詳細は:http://www.env.go.jp/recycle/report/h23-14.pdf


この調査報告は、23区清掃工場での連続水銀による焼却炉停止事故の前の調査である。その後、環境省は「平成22年度廃棄物処理施設等からの水銀等排出状況調査業務」の一般競争入札を行っていたので、その結果がみたいものだが、、いまごろ平成21年度の報告なので、平成22年度分はさらに1年後になるのか~ しかし、排ガスの水銀連続測定をしていない市町村がほとんどの施設で、「環境汚染の心配は少ない」の報告をまとめられても実態にそぐわない。




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