市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

視察の合間に

2012-05-13 | お知らせ
札幌市視察二日目の10日、
午前中の福祉施設での視察を終え、お昼前に北海道庁に到着。



せっかくなので、お昼ご飯は庁内の食堂でとることにしました。



バイキング形式で、ご飯と味噌汁はお代わり自由。おかずもバラエティーに富んでいて、安くておいしい!
特に一同大絶賛は、あら汁。
大きなどんぶり一杯、あらもたくさん入っていて、たったの100円。
なんでも千葉県庁の食堂はイマイチ・・・だそうで、県議4名は皆たいそう羨ましがっておりました(^_^;)


食後は、約束の時間まで少し時間があったので庁舎の隣に建つ重要文化財の北海道庁旧本庁舎へ。

通称「赤れんが庁舎」の内部は記念室や資料室になっています。









北海道庁長官・知事室


資料室では、道の歴史に関する記録文書、樺太関係の資料、北方領土問題の歴史と取り組みの紹介など、貴重な資料が数多く展示されており、とても見ごたえがありました。

特に印象的だったのは、戦争にまつわる南樺太での悲劇に関する資料です。
1945年のポツダム宣言受諾直後、戦争が終結したにもかかわらず、南樺太ではソ連軍の侵攻で多くの民間人が犠牲となりました。
真岡郵便局の9名の女性電話交換手が、敵が迫る中ギリギリまで職務を全うし、最後に集団自決を選んだという「真岡郵便局事件」など、このときの数々の悲劇は不思議なことに一般にはあまり知られていません。
私たちも今回初めて知り、とてもショックを受けました。


そんな北海道の歴史を今に伝える赤レンガ庁舎。圧倒的な存在感を放っています。


1888年建築。以来80年間にわたって道の中枢としての役割を果たしてきました。

建物の前では、ちょうどウエディング姿のカップルが写真に納まっていました。

いいですね~(*^_^*)抜群のロケーションです。

庭も素晴らしい!


八重桜は五分咲きといったところでしょうか。一同夢中でカメラのシャッターを切っています。


風はちょっぴり冷たかったけれど、穏やかに晴れて空気はとても爽やか。
視察の合間のいい気分転換となりました。

北海道庁はお勧めのスポットです(^^♪

重度の自閉症者が地域で暮らすために (札幌市視察報告)

2012-05-12 | 障がい者
今回の札幌市視察の目的は、大きく分けて二つでした。

ひとつ目は、強度行動障害の自閉症者に対する地域移行支援の取り組み。
二つ目は、地域医療の取り組み。
市民ネットが属する千葉県議会会派「市社無(ししゃむ)」の県議4名プラス私と船橋の市議、総勢6名での視察となりました。

今日は、一つ目の取り組みについて報告します。

 
一日目の9日、
札幌市に着いてすぐに訪れたのは、社会福祉法人「はるにれの里」が開設する生活介護事業所「生活館さりゅう」。

社会福祉法人「はるにれの里」は、昭和62年に障がい者支援施設を開設以降、石狩市や札幌市に次々と施設や事業所を開設。
普通なら一生施設の中でしか暮らすことができないような(それどころか、施設でも暮らすのが難しいほどの)最重度の知的障がい者でも、地域でその人らしく生活ができるような専門的な支援を多角的に行っています。

生活介護事業所「さりゅう」は、発達障がい者が日中過ごす場です。


定員は30名。
ここに通う方々は、パニックや自傷・他傷行動が激しく、最重度と判定されている方がほとんどです。
基本的な身辺自立と、余暇活動を身に着けるためのプログラムが、一人一人の個性に合わせて提供されています。

建物の中に入ってまず驚いたのが、余計なものが何一つない非常にすっきりとした空間、そして静けさでした。
普通このような施設では、奇声や叫び声、職員の制止する声などが聞こえるものなのですが、こちらでは一度たりとも耳にすることはありませんでした。
通所者・支援員共に皆さんとても穏やかな表情で、最重度の方がほとんどだなんて全く信じられませんでした。



ここは、食堂です。


料理・選択・掃除など、家事は一通り行っています。
階段の踊り場には、モップをかける方向が矢印で示されています。


テーブル拭きは、テーブルの上一面にわざと小麦粉をまいて、きれいに拭けたことが視覚的にわかりやすいようにすると、上手にできるのだそうです。

この写真は、トイレットペーパーの1回分の分量と、使用するときの折りたたみ方をわかりやすく示したものです。


一般的によく使用されている絵カードも、写真を好む人、イラストの方ががよくわかる人、立体的で実物に近い形でないと認識できない人などと、人それぞれです。


一人一人に対するアセスメント(状態の把握、評価)を徹底的に行い、自閉症特有のこだわりや独特の認知能力に合わせて、さまざまな工夫や仕掛けがいたる所に施されていました。

「はるにれの里」では、ケアホームも30か所に開いています。
ケアホームとは、比較的障害の重い方が地域で支援員の援助を受けながら少人数で暮らす家のことです。

そのうちの一つ、「うたたね」を訪ねました。

ご覧のように、ごく普通の住宅街の中にある一軒家です。
ここで4人の女性が共同生活を送っています。
日中はそれぞれ福祉施設などに通い、帰宅した夕方から朝にかけては職員やパートの世話人の方から食事など身の回りの世話を受けながら暮らしています。

個室です。こちらもすっきりと整頓されています。


こちらの個室には、うちの長男も大好きなバランスボールが置いてありました(^^)


洗面所です。歯磨きの手順などが視覚的にわかりやすく掲示されています。




そしてもう一か所、翌日10日に訪れた場所は、札幌市自閉症自立支援センター「ゆい」。
建物の2階は、札幌市自閉症・発達障がい支援センター「おがる」です。



「ゆい」は、札幌市が設置し「はるにれの里」が運営している自閉症者の入所施設で、定員は30名です。
こちらも、入所者は強度行動障害を持つ方ばかり。
強化ガラスをも割ってしまったり、釘などを大量に飲み込んだりしていた方もいるのだそうです。
しかし、契約期間はおおむね3年間。通常の入所施設に見られるように、「一度入ったら、死ぬまで」ではないのです。
あえて期限を区切り、目標を明確にして、その後の地域生活へとつなげていきます。
平成17年の開設以来、これまでに31人もの方が地域で暮らせるようになりました。

一方「おがる」では、相談事業や研修企画、機関支援、支援コーディネートなど、総合支援事業を行っています。
障がい者が地域で暮らすための支援として、物件の確保や経済シュミレーション、週末の体制づくり、職員や保護者への対応など、様々な支援を行っていました。


「はるにれの里」では、支援対象をあえて重度の発達障がい者に特化し、非常にスキルの高い支援体制を確保していました。
そして、施設入所はあくまでも地域で安定して暮らすための一時的な準備期間との位置づけで、
将来のために、問題行動の軽減だけでなく生きがいを持って暮らすための支援も取り入れていました。

しかしそうは言っても、私も長男が重度の判定を受けているのでわかるのですが、
親の気持ちとしては、重度であればあるほど、親亡き後のことを考えるとやはり施設入所で一生面倒を見てもらう方が安心だと思いがちです。

ところが、そのことを質問すると、こんな答えが返ってきました。

「自閉症は、人刺激に対しとても敏感でストレスを受けやすい。ですから、入所施設の中での集団生活は、彼らにとって苦痛でしかありません。
私たち健常者だって、一生涯集団生活を送るなんて嫌でしょう。
実際、地域で暮らし始めると、彼らの行動は驚くほど安定してきます。
われわれ支援する側にとっても、入所施設内で管理するよりも、ケアホームでの管理の方が楽なくらいなのですよ」

考えてみれば当然のことなのですが、実際にこれを実践するためには、日本ではまだまだ時間が必要なのかもしれません。
このブログでは正直伝えきれませんでしたが、「はるにれの里」の事業は、この分野では間違いなく最先端でした。
ここでの取り組みが一刻も早く全国の福祉施設で展開されるよう、
国の適切な制度設計や自治体の取り組みが必要であることはもちろんのこと、事業者の支援ノウハウがさらにスキルアップされることを強く望みます。


トップの写真は「さりゅう」にて、お話しいただいた木村施設長・サービス管理責任者の中野さんと。

札幌市視察から戻りました。

2012-05-11 | お知らせ
今日夕方戻ってきました(^^)/

この間こちらは大変だったみたいですね。
関東地方はお天気が荒れに荒れて、10日、市原市では突風で14トントラックが横転するという事故が発生しました。
けが人がいなくて本当に良かったです。

札幌はお天気もまずまずだったし、ちょっと心配だった体調もほどなく回復して、とても有意義な視察となりました。

報告はまた改めてアップしますね。
今日はこれでおやすみなさい・・・。

写真は北海道庁旧本庁舎の前にて、山本友子さんと。

産みの苦しみ

2012-05-08 | 議会
今日は朝から会議の連続でした。
まずは会派の代表者会議、千葉県市民ネットの広報会議、市原ネット内の行政改革に関する意見交換会、そして議会改革プロジェクト会議。
振り返ってみれば、朝食以降夕方まで口にしたのはクッキー1枚のみ。
割と平気だったのが逆に恐ろしい・・・。

議会改革プロジェクトの会議は傍聴者が入れるようになってから2回目の開催ですが、侃々諤々で議論が前に進まず、見苦しいさまをお見せしております。
議会基本条例を作っているところなのですが、まさに産みの苦しみ。
でも、こんな姿をさらけ出すことも改革の一つです。画期的なことです。
メンバー一同頑張ってますので、今しばらくの見守りをお願いします。

そうそう、条例といえば・・・
「大阪維新の会」の大阪市議団が、5月市議会に提出予定だった家庭教育支援条例案を白紙撤回しましたね。
この条例案は行政による家庭支援を目的にしたもので、問題の個所は以下の条文のようです。

「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度の発達障害を誘発する大きな要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その予防、防止をはかる」

これは・・・

開いた口が塞がりません。
軽度発達障害と親の愛情不足とは何ら因果関係がないことは、もうとっくに世間の常識になっていると思っていたのですが。
さらに言えば、軽度発達障害が虐待や非行・不登校などと深く関与していることは確かですが、発達障害だからそうなるのではなく、今回の大阪坂市議団のような誤解や偏見といった社会環境が、これらの問題を引き起こすのです。

条例を作る過程で、彼らのうち誰一人としてこの案文に疑問を持つ者がいなかったのが、本当に不思議です。



さて、明日からまた2泊3日で札幌に視察に行きます。
重度の自閉症者に対する地域支援の取り組みと、地域医療・家庭医療の取り組みについて。
いずれも私のメインテーマと言ってもいいくらい、ものすごく興味ある内容です。

元気に行ってきたいところですが、実はなんとなく体の調子が今一つ。
私はお風呂に入りながらの自己流マッサージを日課にしているのですが、今日触ったらリンパ腺も少し腫れてて痛いんです。

ちょっと心配・・・。

でも、頑張って勉強してきますね(^^)/

ニート・引きこもり支援への第一歩

2012-05-07 | 子ども
4月15日付の市原市の公報「いちはら」に、「子ども・若者総合相談窓口を開設」という記事が載っていました。
http://www.city.ichihara.chiba.jp/webkouhou/kouhoupdf/24/04/documents/2404015_1.pdf

この窓口開設については、私も昨年の選挙直後の6月議会の際に一般質問に取り上げました。
現在社会問題化しているニートや引きこもりの支援に、市が初めて本格的に乗りだそうとするものです。

今まで主に学生の不登校や非行問題対策の要であった青少年指導センターに、総合相談窓口を設置。
2名の相談員が幅広い相談に応じ、情報提供や助言・関係機関への紹介を行います。

4月1日の開設ですからまだ動き出したばかりではありますが、今日、担当の生涯学習課に聞き取りをしてきました。
ニート・引きこもりの家族会『かめとうさぎの会』の要望に応じたもので、メンバーの皆さんも一緒でした。

私はなるべく口を挟まず、主に家族会の皆さんにお話しいただいたのですが、感情論に走ることなく当事者ならではの疑問・意見・要望がたくさん出されました。
私が言うのもなんですが、担当の職員の皆さんにとって「目からウロコ」の事柄もいくつかあったのではないでしょうか。

ニートや引きこもりは単なる怠け者と誤解されがちですが、実は本人が何らかの精神障害や発達障害を抱えている場合も多いと言われています。
複雑多岐にわたる原因を的確に探り当て、適切な機関(教育・医療・福祉・雇用などの各機関)につなげることは決して容易なことではありませんし、相談機関を設けても受け皿が整っていなければ、本人はますます行き場を失ってしまいます。
しかし、このままでは本人もご家族もどんどん高齢化していきます。この問題は待ったなしで取り組まなければなりません。

そのためにも、今日のように行政が当事者の意見を聞く機会を積極的に設け、連携しつつ施策を進めることがとても重要だと改めて感じました。

以前ブログにも書いた、

“Nothing About Us Without Us” (私たちの事を、私たち抜きで決めないで)

まさにこの精神ですね。

通信完成しました。

2012-05-03 | 日々のあれこれ
写真は、先月28日に市民会館の大ホールで開かれた「和太鼓 TAKERU」のコンサート。
珍しいジャズピアノとサックスとのコラボでした。


ところで私、先日の松本視察の報告で、市役所内の授乳室の紹介をしました。
私はてっきり市原市役所にはないと思っていたのですが・・・あったんですねこれが(^_^;)
正面入り口を入って右手の一番奥。言い訳めいてますが、わかりにくい場所にありました。



受付の方に伺ったところ、赤ちゃんを抱いたお母さんに「授乳室はないのですか」とよく尋ねられるのだそうです。
せめて入口正面の目立つところに案内表示を掲げれば、迷わなくて済むのに。
ちょっとしたことなので、すぐにでも改善していただきたいと思います。

さらに言えば、1回のホールは段差が多くて子どもが転びやすい。
松本市のように、子供を安心して遊ばせておけるコーナーもありません。
何とかならないのでしょうか?


さて、毎回苦労して編集している「市民ネット通信」春号が完成し、さっそく市役所内の各部署へ数部ずつ配布させていただきました。
一面記事は、「原発なくても電気は足りる」。
3月の宮城県被災地研修の報告も載せています。
まもなく皆さまのお手元にもお届けしますので、ぜひご覧くださいね。


そしてそして、オマケの写真は消防局指令室の内部です。
お願いして特別に撮影させていただきました(*^_^*)



ご覧のように常時6名体制で、24時間365日、市内の119番通報を受け、指令を出しています。
市民の生命を守る最前線部隊。大変な任務ですね。

皆さんの応援が励みになっています


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