『白旗の少女』(しらはたのしょうじょ)は、比嘉富子による、事実をもとにした日本の小説である。
1990年にはフジテレビで、2009年にはテレビ東京で、それぞれテレビドラマ化されている。
https://youtu.be/WjmIuutvSng
主人公はこの小説の作者である。彼女は第二次世界大戦時の沖縄での戦闘の終結時、ほかの一般人とともにアメリカ軍に投降したが、その際に白旗を掲げており、その姿を撮影された。この写真は後に沖縄戦の様子を示す際に再三にわたって使われるようになった。
彼女はそのときに撮影されたことは記憶しており、戦後写真集が出版され、その写真が使われた時にこれに気づいたが、名乗りを上げることがなかった。
しかし、この写真が評判となり、それに関してあることないことが出回るに連れ、事実を世間に出すべきとの判断を持つようになり、この本を出版するに至った。
本ではこの写真を撮影した戦場カメラマンを捜したこと、その1人と対面したことを述べた後、戦争時のことを体験記として描き出す。
書籍としては1989年に講談社から、子供用のシリーズ「講談社のノンフィクション」の1冊として発行された。挿絵は依光隆が担当、その他に写真も多く収録されている。
物語
冒頭は、主人公がニューヨークで平和行進に参加するところから始まる。そこで彼女は写真家を捜し始めたのである。その後写真家と面会するところから回想にはいる。
彼女は首里で生まれ、平和に暮らしていた。そこでは沖縄の伝統を強く残した生活のことが語られている。その中で昭和19年(1944年)、母が亡くなる。昭和20年(1945年)にはいよいよ沖縄に戦線が近づく。その4月1日、本島中部にアメリカ軍が艦砲射撃を加え、それと思われる音は首里にまで響いた。それから1か月すると、家の周辺にも砲弾がくるようになり、防空壕へ避難することが多くなった。5月10日ころ、父親が「何かあったら子供たちで判断して行動するように」と言い残して家を出て、これが父との最後になった。
それから3日待って、通信隊へ父の安否を尋ねると、「それより早く南へ避難するよう」言われ、兄弟姉妹4名(姉17歳、姉13歳、兄9歳、本人6歳11か月)は荷物をまとめて家を出た。昼間は洞穴などに身を隠し、夜間に歩いた。まずは父の消息を尋ねて真壁に行くがやはり不明で、それ以降は当てもなくとにかく南へ移動する。そのさなか、米須で一緒にいた兄が流れ弾に当たって死亡、さらに南へ移動するさなか、主人公は姉たちとはぐれてしまう。それから彼女は1人で避難行を続けることになる。
そうして彼女は多くの戦死者、自殺する兵隊や集団自決する住民などを目にしながらさまよい、あるガマでは日本兵に殺されかける。一人きりでの移動が1か月ほどになったとき、とあるガマに入ったところ、そこには老夫婦がこもっていた。その老人は両手両足がなく、目の不自由な老婆に身の回りの世話をさせ、その洞窟で暮らしていた。彼らは少女を優しく受け入れ、少女はここで初めてその身を休めることが出来た。
その外では、戦闘が刻一刻と激しくなっていた。彼女は老夫婦にここで一緒に暮らして、一緒に死にたいと言ったが、それに対して、命の大切さや生き延びることの価値を説かれる。数日後、洞窟の外でアメリカ軍の呼びかけが聞かれた。これから爆弾を投げ込むから、その前に投降することを呼びかけるものだった。老人は老婆へ指示し、自分のふんどしで白旗を作らせ、その旗を彼女に持たせた。そして「世界中の約束だから、これを持ってれば大丈夫だ」と言い聞かせ、自分たちを残して1人で投降するよう促した。
彼女はほかの住民に混じって進んだ。1人の米兵が何かを構え、こっちをねらうようにしているのを見て、カメラのようだが、武器かも知れないと思いながら、かつての父に言われた言葉を思い出し、顔を上げ、笑顔を見せた。彼女はほかの避難者と一緒になり、そこで2人の姉に再会した。1945年6月25日のことだった。
2009年版
『テレビ東京開局45周年記念ドラマスペシャル・白旗の少女』(テレビとうきょうかいきょくよんじゅうごしゅうねんきねん ドラマスペシャル・しらはたのしょうじょ)として、同局系列にて、2009年9月30日の21:00 - 23:14に放送。沖縄では琉球放送(TBS系列)にて同年11月3日に放送。
出演
比嘉富子 - 黒木瞳
松川富子 - 八木優希
松川ヨシ子 - 鈴木杏
池内光男 - 勝地涼
松川初子 - 大平うみ
松川直裕 - 神谷涼太
安盛 - 菅原文太
※テレビドラマにおける遺作。2014年11月28日に死去。
ウシ - 倍賞千恵子
国村 - 渡辺いっけい
母親 - とよた真帆
松川直彰 - 石黒賢
大島蓉子
眞野裕子
内田滋
高橋良輔
長濱正明
1990年にはフジテレビで、2009年にはテレビ東京で、それぞれテレビドラマ化されている。
https://youtu.be/WjmIuutvSng
主人公はこの小説の作者である。彼女は第二次世界大戦時の沖縄での戦闘の終結時、ほかの一般人とともにアメリカ軍に投降したが、その際に白旗を掲げており、その姿を撮影された。この写真は後に沖縄戦の様子を示す際に再三にわたって使われるようになった。
彼女はそのときに撮影されたことは記憶しており、戦後写真集が出版され、その写真が使われた時にこれに気づいたが、名乗りを上げることがなかった。
しかし、この写真が評判となり、それに関してあることないことが出回るに連れ、事実を世間に出すべきとの判断を持つようになり、この本を出版するに至った。
本ではこの写真を撮影した戦場カメラマンを捜したこと、その1人と対面したことを述べた後、戦争時のことを体験記として描き出す。
書籍としては1989年に講談社から、子供用のシリーズ「講談社のノンフィクション」の1冊として発行された。挿絵は依光隆が担当、その他に写真も多く収録されている。
物語
冒頭は、主人公がニューヨークで平和行進に参加するところから始まる。そこで彼女は写真家を捜し始めたのである。その後写真家と面会するところから回想にはいる。
彼女は首里で生まれ、平和に暮らしていた。そこでは沖縄の伝統を強く残した生活のことが語られている。その中で昭和19年(1944年)、母が亡くなる。昭和20年(1945年)にはいよいよ沖縄に戦線が近づく。その4月1日、本島中部にアメリカ軍が艦砲射撃を加え、それと思われる音は首里にまで響いた。それから1か月すると、家の周辺にも砲弾がくるようになり、防空壕へ避難することが多くなった。5月10日ころ、父親が「何かあったら子供たちで判断して行動するように」と言い残して家を出て、これが父との最後になった。
それから3日待って、通信隊へ父の安否を尋ねると、「それより早く南へ避難するよう」言われ、兄弟姉妹4名(姉17歳、姉13歳、兄9歳、本人6歳11か月)は荷物をまとめて家を出た。昼間は洞穴などに身を隠し、夜間に歩いた。まずは父の消息を尋ねて真壁に行くがやはり不明で、それ以降は当てもなくとにかく南へ移動する。そのさなか、米須で一緒にいた兄が流れ弾に当たって死亡、さらに南へ移動するさなか、主人公は姉たちとはぐれてしまう。それから彼女は1人で避難行を続けることになる。
そうして彼女は多くの戦死者、自殺する兵隊や集団自決する住民などを目にしながらさまよい、あるガマでは日本兵に殺されかける。一人きりでの移動が1か月ほどになったとき、とあるガマに入ったところ、そこには老夫婦がこもっていた。その老人は両手両足がなく、目の不自由な老婆に身の回りの世話をさせ、その洞窟で暮らしていた。彼らは少女を優しく受け入れ、少女はここで初めてその身を休めることが出来た。
その外では、戦闘が刻一刻と激しくなっていた。彼女は老夫婦にここで一緒に暮らして、一緒に死にたいと言ったが、それに対して、命の大切さや生き延びることの価値を説かれる。数日後、洞窟の外でアメリカ軍の呼びかけが聞かれた。これから爆弾を投げ込むから、その前に投降することを呼びかけるものだった。老人は老婆へ指示し、自分のふんどしで白旗を作らせ、その旗を彼女に持たせた。そして「世界中の約束だから、これを持ってれば大丈夫だ」と言い聞かせ、自分たちを残して1人で投降するよう促した。
彼女はほかの住民に混じって進んだ。1人の米兵が何かを構え、こっちをねらうようにしているのを見て、カメラのようだが、武器かも知れないと思いながら、かつての父に言われた言葉を思い出し、顔を上げ、笑顔を見せた。彼女はほかの避難者と一緒になり、そこで2人の姉に再会した。1945年6月25日のことだった。
2009年版
『テレビ東京開局45周年記念ドラマスペシャル・白旗の少女』(テレビとうきょうかいきょくよんじゅうごしゅうねんきねん ドラマスペシャル・しらはたのしょうじょ)として、同局系列にて、2009年9月30日の21:00 - 23:14に放送。沖縄では琉球放送(TBS系列)にて同年11月3日に放送。
出演
比嘉富子 - 黒木瞳
松川富子 - 八木優希
松川ヨシ子 - 鈴木杏
池内光男 - 勝地涼
松川初子 - 大平うみ
松川直裕 - 神谷涼太
安盛 - 菅原文太
※テレビドラマにおける遺作。2014年11月28日に死去。
ウシ - 倍賞千恵子
国村 - 渡辺いっけい
母親 - とよた真帆
松川直彰 - 石黒賢
大島蓉子
眞野裕子
内田滋
高橋良輔
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