自然ウオッチングセンタースタッフのブログ

北海道札幌で、自然観察や環境教育を通し、自然とのふれあいを進め、自然への理解を深める活動を行っている団体です。

2018年9月3日 「円山公園、夜の虫を探す」自然散歩

2018年09月05日 | 虫に注目する自然散歩
 「虫に注目する自然散歩」の今年第3弾は、初めての夜のムシさがしです。
 時間設定が出かけにくい時間帯だったためか、内容があまりに地味だったためか、常連の方の参加も少なく、17時の円山公園に集まったのは4名。それでも、パークセンターの職員の方も後から合流され、スペシャルな観察会を楽しみました。
 講師は興野さん。はじめに興野さんから、「夜の森で超音波で鳴いているムシの姿を確認すること」と、「下見時に見られたキセルガイの仲間をもう一度発見すること」の2つのミッションを与えられ、夕暮れの森に出発。



 まだ明るい間は、ノシメトンボやエノキハムシ、ハナアブの仲間など昼間のムシを観察。森に入ってゆくにつれ、薄暗くなります。

 キリギリスの仲間やコオロギの仲間など秋の鳴く虫がいろいろ観察できるのでは、と予想して企画した円山の夕暮れ観察会ですが、虫はほとんど鳴いていません。市街地のちょっとした空き地などでも、カンタンやコオロギの仲間などが聞かれる季節で、まして自然度の高い円山の山麓に、なぜこんなに鳴く虫がいないのか不思議です。

 それでも暗くなるにつれ、期待が高まります。懐中電灯で、切り株や倒木の下をさがします。ワラジムシ、ダンゴムシ、ミミズなどおなじみの地面のムシが出てきます。ワラジムシが外来種らしいというのも、最近興野さんにおしえてもらったことです。
 興野さんは最近、円山周辺の外来ナメクジを調べられていることもあり、徐々にナメクジ観察会のおもむきに。


アリオン属のナメクジ

 最近増えているというアリオン属のナメクジ(まだ種が確定していない)が次々に見つかります。大きなマダラコウラナメクジには、「すごい」という歓声。


マダラコウラナメクジ

 皆さん、朽木に顔をくっつけるようにして観察します。微小な陸貝の仲間もルーペで見ればかわいいツノを出しています。


不明種


クガビル

 クガビルは、普段はミミズを丸呑みにしてエサとしますが、ナメクジを捕食する行動も観察され、外来ナメクジの天敵として期待されているそうです。
 

 最後は超音波で鳴いているムシを探しました。コウモリの声を聞くためのバットディテクター(超音波を人間の聞こえる音に変換する機械)で聞くと、40KHzくらいで「ザザッ、ザザッ」という鳴き声が聞こえます。音が一番強くなるあたりの木をライトで照らし全員で探しますが、姿は見えません。ムシの正体はコバネササキリモドキだろうということでした。
 偶然メスを捕まえることができたので、どんなムシなのかはわかりました。結局最後まで鳴いている姿は確認できませんでした。


コバネササキリモドキ(メス)

 結局、最初のミッションは2つとも完遂できずじまいでした。それでも参加された皆さんは、今回の特殊で、超地味な観察を楽しまれて、「人の嫌がるムシばかりたくさん観察したね」、と満足されていました。

(観察されたもの)
エンマコガネ、エノキハムシ、ハナアブの一種、ノシメトンボ、カマドウマの一種、コバネササキリモドキ、オオハサミムシ、ヤマトゴキブリ、カマドウマの一種、シロツバメエダシャク、ザトウムシの一種、ワラジムシ、ダンゴムシ、エゾマイマイ、アリオン属の一種、マダラコウラナメクジ、チャコウラナメクジ?、コウガイビル、クガビル、その他(記録漏れ多数)

(shima)


 


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